この記事では、結婚式ムービーを自作する前に知っておきたい注意点をまとめてご紹介します。外注せずに自作する場合は、結婚式ムービー制作の専門業者に外注すれば指摘してくれるような注意点も、セルフチェックする必要があります。これからムービー制作の準備を始める方、すでにムービーの自作に取り組み始めている方はぜひ参考にしてください。
自作スケジュールの管理に注意しよう
自作ムービーの仕上がりはまさに自分次第。スケジュールの管理が最大のポイントです。理想は6ヶ月前に着手(遅くとも3ヶ月前には着手)することをおすすめします。スケジュールの目安は次の通りです。
- 挙式6ヶ月前〜:着手&コンセプトづくり
- 挙式5ヶ月前〜:素材選び
- 挙式4ヶ月前〜:ムービー制作
- 挙式1ヶ月前〜:会場で試写
- 最後の1ヶ月は保険期間
ぜひ時間に余裕を持って準備するようにしてください。
また、ムービーを自作するにあたって何らかのテンプレートを使用するのか、ゼロから自作するのかによっても工数が劇的に変わってきます。動画編集の経験が無い方は、まず手始めに無料のテンプレートをダウンロードして動画編集の感覚をつかんでみると良いでしょう。
テンプレートについて詳しくは結婚式ムービー自作で使えるテンプレートまとめをご覧ください。
ゲストのために!「見やすい」結婚式ムービーにするための注意点
おそらくほとんどの方にとって、結婚式ムービーを作るのは初めての経験だと思います。結婚式ムービーならではの「見やすさ」を理解して自作することをおすすめします。外注する場合は制作業者がアドバイスをくれるようなポイントですが、自作する場合は自分で理解しておく必要があります。
コメントの読みやすさ、理解しやすさ
特にプロフィールムービーにおける注意点として「コメントが読みやすく、理解しやすく制作されているか」という点があります。
具体的には、次のような点に注意してください。
文字のサイズや文字数、表示時間
文字のサイズが小さすぎないか、文字数が多すぎないか、写真1枚あたりの表示時間が短すぎないか、といった点をチェックします。初めて結婚式ムービーを制作する場合は、どの程度が正解なのか分からないと思います。おすすめのチェック方法は、ナナイロウェディングなどプロのムービー制作サービスのサンプルムービーを見て比較すると良いでしょう。
コメントに感情やエピソードを込める
コメントに関してありがちなケースが「ただ写真に写っているものを説明してしまう」というもの。写真の内容は見れば見れば分かりますから、わざわざコメントで説明する必要はないでしょう。そうではなく、写真の背景にある当時の感情やエピソードを含めたコメントにすることで、ゲストの感情を引き込むことができます。
コメントの書き方についてくわしくは【プロ直伝】プロフィールムービーのコメント例文!年間5,000本以上の結婚式ムービー制作実績から厳選したサンプル集を参考にしてください。
写真の見やすさ
写真の使い方にもコツや注意点があります。ゲストにしっかりと写真を見ていただくためには次のようなポイントを押さえましょう。
大人数を使っていないか?
集合写真など大人数の写真は避けるようにしてください。ムービーをご覧になるゲストからすれば「一体どれが新郎新婦!?」という状態になってしまいます。学生時代の集合写真を使う方がよくいますが、ムービーの見やすさという点ではNGです。1枚の写真に写っている人数は少なければ少ないほどゲストにとっては見やすくなります。多くても4〜5人程度が写っている写真に留めると良いでしょう。
ピンぼけしていないか?
案外やってしまいがちな失敗が、ピンぼけした写真を使ってしまうというケースです。プリント写真やスマホ画面ではハッキリ写っているように感じた写真が、実はピンぼけしていたということがあります。ピンぼけ写真を使ってしまうとゲストは非常に見づらく、ムービー全体の印象も悪化してしまいます。写真選びの段階できちんとチェックするようにしてください。
写真の縦横の比率は正しいか?
ムービー内に写真を配置し、拡大や縮小、位置変更を繰り返している過程で比率が崩れてしまい写真が縦や横に伸びてしまうケースがあります。何度も編集を繰り返している場合に起こりがちのトラブルです。ピンぼけと同じく、案外やってしまいがちなミスですので気をつけましょう。
ムービーの規格や仕様に注意しよう
結婚式ムービーは、上映する会場ごとに細かな規定や仕様があります。それらに準拠していないムービーは上映に際して問題があったり、最悪の場合は上映自体ができなくなることもありますので十分注意してください。結婚式場がマニュアルや注意事項の紙を用意してくれていることも多いので、しっかり目を通すようにしましょう。
ここではムービーの規格や仕様に関する主な注意点をご紹介します。結婚式場から特に指示がない項目についても確認を欠かさないようにしてください。
ムービー自体の構成に関する注意点
まずはムービー自体に関する注意点です。
映像の長さはどの程度か?
披露宴の進行管理を踏まえ、結婚式ムービーにはそれぞれ上映時間の上限が設定されていることがほとんどです。オープニングムービーは2分以内、プロフィールムービーは6分以内といったような上映時間の制限があるはずですので、自作する前に必ず式場の担当者に確認しましょう。
音楽はつけるのか?無音で制作するのか?
のちほどご説明する音楽の著作権に関連する点として、ムービーに音楽をつけて制作するのか無音で制作するのか、というものがあります。結婚式場によっては無音で制作したムービーに合わせて会場でCDを再生するケースもありますので、音楽の有無についても注意してください。
アスペクト比やセーフゾーンは?
ムービーの仕様のひとつに映像の縦横比を示すアスペクト比や、画面端に余裕をもたせるセーフゾーンという概念があります。上映会場によって規格が異なりますので、こちらも式場の担当者に確認が必要です。
アスペクト比やセーフゾーンについて詳しく知りたいという方は初心者必見!結婚式ムービーのアスペクト比とセーフティーゾーンをご覧ください。
ムービーの前後に無音の黒画面を設置する必要があるか?
こちらも結婚式場によってルールが異なる点です。披露宴当日、会場スタッフのかたがムービー上映のスタンバイをしたり、上映後の進行を調整したりするために、映像の前後に黒い画面を5〜10秒程度設置することを求められるケースがあります。自作したムービーに最後に追加することもできますが、できることならば制作する前に把握しておいた方が良いでしょう。
収録媒体や持ち込み形式に関する注意点
続いては、仕上がったムービーを結婚式場に提出する際の注意点です。収録媒体など細かい項目を含みますが、結婚式場によって独自のルールがあることもありますのでくれぐれも注意してください。
DVDかブルーレイか?
基本的な部分ですが、披露宴会場で使える機材によってDVDかブルーレイかが決まってきます。自作した結婚式ムービーを収録するにあたっていずれの媒体にすべきか注意しておく必要があります。DVD-RのみOKといった指定があることもありますので、具体的な確認を怠らないようにしましょう。
収録形式は?
聞き慣れない言葉かもしれませんが、DVDの収録形式についても結婚式場の指定に従いましょう。例えば「DVD-Video形式(NTSC方式)で収録したDVD-Rで持ち込んでください」といった指示があるはずです。必ず確認するようにしましょう。
DVDは1枚にするか、映像ごとに分けるか?
複数の映像(例:オープニングムービーとプロフィールムービーとエンドロールムービー)を自作して持ち込む場合、すべてを1枚のDVDに収録するのか、映像ごとに1枚ずつ分割するのかという決まりごとも結婚式場によって異なります。披露宴当日の段取りによる違いですので、式場のルールに従って収録するようにしましょう。
メニュー画面は必要か?
「DVDのチャプターメニューを設置してください(または設置しないでください)」といったことを指定されるケースもあります。こちらも会場スタッフの方が披露宴当日にムービーを再生する手順や段取りによってルールが異なる部分です。式場のルールを確認して制作を進めましょう。
データでの持ち込みは可能か?
最近はスマホアプリで結婚式ムービーを自作するカップルも増えています。同時に、アプリで自作したムービーデータを式場に提出しようとして断られた、というトラブルも耳にします。結婚式ムービーをDVDなどに収録せず、データとして持ち込むことを予定している場合は、結婚式場がデータでの提出を受け入れてくれるのかどうか必ず確認しておきましょう。せっかく制作したムービーが使えない、といった致命的なミスは避けたいものです。
著作権に注意しよう
続いての注意点は著作権に関する項目です。せっかくの晴れ舞台で不要なトラブルは避けたいもの。結婚式ムービーを自作するにあたって著作権の侵害には十分注意してください。
音楽の著作権
結婚式の著作権に関する話題で最も多いのが「音楽」に関するものです。自作するムービーのBGMとして使用する楽曲について、著作権料の管理団体であるISUM(アイサム)に申請が必要かどうか、結婚式場の担当者に必ず確認してください。
結婚式ムービーと著作権に関して詳しくは【3分で読める】結婚式の音楽著作権の基本ガイド!演奏権と複製権とは?をご覧ください。
動画やイラストの著作権
映画やドラマ、バラエティ番組のパロディムービーを作りたいという方も多いようですが、著作権を侵害していないか注意が必要です。元映像をそのまま転用する(例えば、洋画の字幕だけオリジナルに置き換える)ケースは基本的に著作権侵害に該当すると思った方が良いです。また、ディズニーやジブリなど人気アニメのイラストをそのまま転用するようなケースも基本的にNGです。
ムービーを自作する場合、たとえ音楽・動画・イラストなどの著作権を気にせずに「制作すること」はできても常識的な結婚式場では「上映はできません」。著作権法と結婚式場のルールに準拠した範囲で結婚式ムービーを作るようにしましょう。
試写は必ず!上映トラブルに注意しよう
完成した結婚式ムービーは必ず当日の会場で試写するようにしましょう。挙式日が直前に迫ったなかでの上映トラブルは致命傷になりかねません。日程に余裕を持って1ヶ月前くらいには試写しましょう。
自作ムービーの持ち込みでよくあるトラブルが上映会場で上手くムービーが上映できないというケースです。そもそもの再生ができなかったり、画面端が見切れていたり、音楽が流れなかったりといった問題があった場合はムービーの修正が必要です。
万が一、どうしてもトラブルを解決出来ない場合は外注して再制作するための時間を確保しておくことをおすすめします。
まとめ
結婚式ムービーを自作するときの注意点をまとめてご紹介してきました。専門業者に外注する場合と違い、ムービーを自作する方は規格や品質、著作権に関するセルフチェックが欠かせません。
結婚式ムービーの制作は誰もが初めての経験ですし、分からないことや不安な点も多いかと思います。ここで挙げた注意点をしっかり押さえて素敵な結婚式ムービーを自作してみてくださいね。
結婚式ムービーの自作については結婚式ムービーの作り方と自作に使えるおすすめ無料ソフト5選でも詳しく解説しています。ぜひチェックしてみてください。