顔合わせの流れとマナーをカンペキ理解!手土産や服装、席順の注意点

顔合わせの流れとマナーをカンペキ理解!手土産や服装、席順の注意点

結婚前の両家顔合わせ食事会の流れやマナーを解説します。服装や手土産、しおりの準備や当日の進め方や挨拶、席順、お支払いなど当日の進行に沿ってポイントを理解しましょう。

目次

  1. 顔合わせ食事会とは?
  2. 顔合わせの流れ
  3. 顔合わせの事前準備
  4. 当日の流れ#01 待ち合わせ、入店、席順
  5. 当日の流れ#02 挨拶と手土産交換
  6. 当日の流れ#03 記念品の交換などのイベント
  7. 当日の流れ#04 食事と歓談
  8. 当日の流れ#05 結びの挨拶と記念撮影
  9. 当日の流れ#06 お支払いと退店
  10. 顔合わせに関してよくある質問
  11. 「1分で振り返る」この記事のまとめ

今回は、顔合わせを行う予定ではあるものの顔合わせについてあまりよくわからないという方に向けて、事前準備から当日の流れまでを詳しく解説します。この記事を参考に、顔合わせに対する不安を解消していただきたいと思います。

この記事でお伝えすること
  • 顔合わせの目的、流れ、進め方
  • 手土産や服装の準備について
  • 挨拶、席順、支払いなどの基本マナー

なお、顔合わせ食事会には兄弟姉妹が同席するケースもありますが、この記事では新郎新婦それぞれの両親だけを招いたケースを想定して解説していきます。兄弟姉妹にも出席してもらうべきかどうかお悩みの方は顔合わせに兄弟姉妹が出席するしないは自由!先輩の口コミと出席する際の注意点を参考にしてください。

顔合わせ食事会とは?

そもそも「両家顔合わせ」とはどんな会なのでしょうか。よく比較される結納との違いや、主催者の選び方、行うタイミングなど両家顔合わせに関する基本を理解していきましょう。目的を理解することで、顔合わせの効果をより高めることができますよ。

両家顔合わせはなんのためにやるのか?結納との違いは?

両家顔合わせは、一緒に食事や会話を楽しむことで男性側・女性側の両家の関係性を深めるために行います。結納との大きな違いは伝統的な儀礼や決まりごとがあるかないかです。

結納は両家の交流をはかるだけでなく、婚約成立の儀式として執り行うもので、結納金や結納品の授受、書類の受け渡しなど形式的な決まりが多くあり、厳かに行われます。一方、両家顔合わせの食事会は、一般的な流れはあるものの、結納ほど厳格な進行ルールやマナーは存在せず、比較的カジュアルな雰囲気で親睦を深める食事を共にする形態となっています。

結納金や結婚支度金については顔合わせに結納金は必要?不要?渡し方やお返しのマナーを解説もぜひご覧ください。

結納よりも顔合わせ食事会が主流

最近では昔ながらの結納の儀式を行わず、その代わりに顔合わせの食事会を行うカップルも増えているようです。ゼクシィの結婚トレンド調査2020(首都圏版)によると、先輩カップルの約9割は結納を行わず顔合わせ食事会のみを開催したと答えています。

顔合わせの内容もどんどんカジュアルなものになっていますので、あまり緊張しすぎることなく「両家で楽しく食事を共にする場」という感覚でのぞむことをおすすめします。

ゼクシィ結婚トレンド調査2020(首都圏)よりプレハナで作成

このグラフが示すように、結納は執り行わず顔合わせ食事会のみを開催することが現在の主流になっているようです。

顔合わせの主催者はだれ?

いざ顔合わせ食事会を行おうとなったとき、当日の進行などを考えると誰を主催者とするかは考えておいたほうが良いでしょう。慣習的には新郎側の家が食事会のホストとなる方が多いようです。これは新郎の家は、新婦を家族として迎え入れる立場であるという考え方によるものです。

また、新郎側の家をホストとする場合でも、より細かく見ていくと、新郎がホストを担当するのか新郎の父が担当するのかで、当日の進行や費用の分担も違ってくるでしょう。誰が主催するのか、誰が進行役を務めるのかなどの役割分担を事前に決め、両家が把握しておけると当日の顔合わせをスムーズに進めることができます。

顔合わせはいつごろやるのが適切?

婚約成立の儀式として行う結納と異なり、顔合わせには行うタイミングについても決まったルールはありません。ただ、両方のお家での結婚挨拶で結婚の承諾をもらってから入籍するまでの間に行うことが一般的です。

今後の結婚式について親同士で意見交換を希望している場合は、顔合わせ食事会は良い機会となります。結婚式の準備を具体的に始める前に開催できると良いですね。また、後日結納をする予定であれば結納のタイミングも考慮する必要があります。両家顔合わせ→結納→結婚式の間隔をバランスよく配置することを意識すると自然と行うべきタイミングがつかめるはずです。

ここまでのまとめ
  • 顔合わせは両家の親睦を深める食事会
  • 顔合わせには厳格なルールや決まりごとがない
  • 主催者を決めておくと当日の進行がスムーズ
  • 開催タイミングは結納や結婚式の前

続いては、顔合わせの流れを見ていきます。

顔合わせの流れ

顔合わせの事前準備や当日のプログラムには一般的な流れがあります。事前準備と当日、大きく2つに分けて理解しましょう。

全体の流れとそれぞれの要点を理解することで、顔合わせをより具体的にイメージすることができるはずです。

顔合わせの事前準備の流れ

  1. 日程を決める
  2. 場所を決める
  3. 手土産や服装を両家で揃える
  4. 当日の進行内容を考える

事前準備ではじめに決めるのは日程です。両家のご両親、新郎新婦が欠けることなく参加できるよう、できるだけ早い段階で日程を抑えておくことが大切です。日程を決めたら、顔合わせを行う場所を決めましょう。ホテルやレストランなど会場を探し、個室を予約します。両家がゆったりと歓談を楽しめるような空間、お料理を選ぶようにしてください。

また、手土産の金額や服装のカジュアル度は両家の水準を合わせて準備します。両家に極端な差が生じてしまうとどちらも気まずい気持ちになってしまいます。当日の進行内容は、大まかにで結構ですので事前に決めておくと当日がスムーズです。顔合わせのしおりを用意するのも良いでしょう。

顔合わせ食事会に持参する手土産でお悩みの方は両家顔合わせの手土産におすすめの品と金額相場や渡し方のマナーもぜひご覧ください。

顔合わせ当日の流れ

  1. 挨拶、手土産を渡す
  2. 記念品交換などのイベント
  3. 食事と歓談
  4. 結びの挨拶、記念写真の撮影

当日の進行の流れは、はじめの挨拶から始まります。はじめの挨拶は主催者である新郎側が行うことが一般的で、食事会の趣旨を伝えたり、両家の自己紹介をあわせて行います。続いて手土産や記念品交換などは食事が始まる前に済ませると良いでしょう。

食事がサーブされたら、メインの歓談の時間となります。歓談にふさわしい話題で親睦を深めましょう。歓談が落ち着いたら結びの挨拶で今日の感謝などを伝えます。結びの挨拶は新郎新婦が行うことをおすすめします。挨拶が終わったら最後に記念撮影をして終了です。

このパートのまとめ
  • 「事前準備」と「当日」に分けて流れを理解しよう
  • 手土産や服装は両家の水準を揃えよう
  • 当日は進行内容をイメージして進めよう

顔合わせの事前準備

顔合わせの準備をより詳しくみていきましょう。何事も準備が肝心なように、顔合わせでも準備はとても大切です。それぞれの準備で気をつけるべきポイントを理解することで、当日の顔合わせを気持ちよく迎えることができますよ。

日程を決める

日程はお店の予約などもあるので、早め早めで決めておきましょう。予定を合わせるときは、新郎側のご両親、新婦のご両親どちらの予定も考慮できるよう、新郎新婦を通じて調整します。みんなで集まって親睦を深めるための会ですので、お二人の都合で一方的に決めず、あくまでも両家のご両親の予定を最優先することが大切です。

場所を決める

基本はホテルやレストランなど、どちらかの自宅ではなく外で行うことが多いです。両家のご両親が集まりやすく、電車などの交通アクセスが良いお店を探しましょう。また、お店では両家が周りの目を気にせずゆったりと過ごすことができるよう必ず個室を選ぶようにしてください。

料理については、あらかじめコースを予約しておくことをおすすめします。当日、メニューに気をとらわれることなく大切な会話に手中できますね。予約の際には、お店側も配慮しやすいように「結婚式の顔合わせ」で利用するということを伝えておくと良いでしょう。

手土産や服装を決める

最後は手土産や服装の準備です。当日にどちらかのお家が恥ずかしい・気まずい思いをしないよう、事前に両家の格や予算感のバランスを揃えることがポイントです。

手土産を用意するかどうかは自由ですが、どちらかが持っていく意向の場合は、もう一方の家も用意できるようにお二人が配慮して調整しましょう。手土産の内容はさまざまな候補が考えられますが、金額や品物に大きな差が出ないよう調整できると良いですね。手土産について詳しくは9割が持参!顔合わせの手土産におすすめの品と金額相場や渡し方のマナーで解説しています。

また服装についても両家でできるかぎり合わせるようにします。「カジュアルな服装」なのか「フォーマルな服装」なのか、新郎新婦のお二人を通じて両家のテイストを揃えるようにしてください。

顔合わせ食事会にふさわしい服装選びについてはスタイリストがオススメ!カジュアルな顔合わせの服装10選両家顔合わせの服装にお悩みの女性必見!真似しやすいコーディネート15選で詳しく解説しています。

それぞれの準備で共通することは「両家全員が気持ちよく顔合わせを迎えられるようにする」ということです。早めの準備、丁寧な準備を行うことで、心にゆとりを持って当日の食事会にのぞむことができるはずです。

事前準備のポイント
  • 日程は両親の都合を優先して早めに決める
  • 場所はホテルやレストランの個室、料理はコースを予約しておく
  • 手土産は品物や金額感を両家で揃える
  • 服装のカジュアル度、フォーマル度も両家で揃える

以上が事前準備のポイントです。続いて、顔合わせ食事会の本番当日の流れを見ていきましょう。

当日の流れ#01 待ち合わせ、入店、席順

顔合わせ当日は待ち合わせから始まります。お店に到着して着席するまでの流れを把握して、滞りなく顔合わせのプログラムを始められるようにしましょう。

待ち合わせはどうする?

待ち合わせは全員が現地集合するのではなく、新郎新婦がそれぞれの両親と待ち合わせてお店へと案内するように段取りします。そうしないと面識のないご両親同士が先にお店に到着して対面してしまい、ご両親を顔合わせ前に困らせてしまう可能性があります。

お店への到着時刻は予約の5〜10分前が目安で、先に着いた家族はお店の中には入らず外で待つ方が良いでしょう。全員がお店の前に揃った段階でかんたんな紹介や挨拶を済ませ、お店に入ります。

顔合わせの座る位置はどうする?入室と席順

席次に厳格なマナーはないですが、やはり上座や下座を意識する人が多いです。上座側はご両親が、下座側には新郎新婦が来ることが一般的になります。またどちらかといえば新郎側が上座に座るというパターンが多いようです(下の図を参照)。

顔合わせの席順の例

ただし、上座や下座を意識した座り方は、絶対的なルールではありません。上座下座ではなく、例えば全員が会話しやく居心地が良く感じられることを重視して自由に席次を決めるのも1つの手です。食事会の最大の目的である両家の親睦・交流を深めることを念頭に置いて席を決めましょう。

顔合わせの席順や座る位置については【図解】顔合わせの席順5選!正しい座り方マナーと上座・下座の基礎知識で詳しく解説していますのでぜひご覧ください。

待ち合わせと入店のポイント
  • お二人が両親を連れ立ってお店で待ち合わせる
  • 席順は上座と下座を意識しつつ、柔軟に検討する

当日の流れ#02 挨拶と手土産交換

無事両家が揃いお店の中に入って着席したら、お互いの紹介や挨拶、手土産の受け渡しへと進んでいきます。食事前のこのプロセスでお互いの緊張をほぐし、場を温めることができると、その後の食事会が進めやすくなります。

まずはあらためて両親の紹介を

個室に入って着席したら、入店前にかんたんに済ませた両親の紹介をここでもう一度丁寧に行います。新郎側のご両親は新郎が、新婦側は新婦が、それぞれ相手のご両親に対して紹介をしていきます。

ご両親同士は初対面であることが多いため、ここでお二人が場を温めてご両親同士が歓談をしやすいような雰囲気づくりをしてあげることがポイントです。相手の紹介から話題を広げたり、ご両親の共通点引き出せるよう意識すると、初対面であるご両親同士の距離を縮めることができますよ。

はじめの挨拶は誰がする?

顔合わせのはじめの挨拶も明確な決まりはありません。この記事の前半で触れた主催者やホストが行うとスムーズですね。もし新郎父に挨拶してもらう場合は、必ず事前にお願いしておきます。

なお、「はじめ」の挨拶ではありますが、入室直後にいきなり挨拶を行うと少し格式張った雰囲気になってしまいます。和やかな雰囲気の顔合わせにしたい場合は、挨拶前にちょっとした雑談を挟めるよう新郎がリードすることをおすすめします。顔合わせをきっちりとした雰囲気にしたいのか、カジュアルで和やかな雰囲気にしたいのかによって、雑談の量や挨拶のタイミングを調整してみてください。

顔合わせ食事会の挨拶に関しては緊張せずに顔合わせ挨拶を成功させる方法!誰が?いつ?の解説と例文紹介でも詳しく解説しています。こちらもぜひご覧ください。

手土産は誰が渡す?タイミングは?

顔合わせでの手土産は親から親へと渡すことが基本です。父親・母親の意味の違いはないので、どちらが渡しても良いでしょう。手土産の交換のタイミングはお食事が出る前です。入室直後の両親の挨拶やはじめの挨拶の前後に意識的にタイミングを作って手渡しましょう。事前に渡すタイミングを共有しておくと、ご両親も緊張することなく手土産を渡すことができますよ。

挨拶と手土産交換のポイント
  • まずは新郎新婦が両親を紹介する
  • 主催者からの挨拶でお礼と主旨を伝えよう
  • 手土産は親同士で交換するのが基本

当日の流れ#03 記念品の交換などのイベント

歓談に進む前に、記念品の交換などちょっとしたイベントを行う新郎新婦もいます。ここではポピュラーな記念品交換について紹介します。記念品を行うタイミングや、何を披露するのか、記念品がない場合はどうするのかなどを理解していきましょう。

食事の前に記念品のお披露目

顔合わせの記念品のお披露目では、一般的に新郎新婦が両親に対して、結婚指輪を披露します。お披露目では、新郎が新婦の指に指輪をはめる様子を披露し、指輪を選んだお二人の思いなどを説明するとご両親に喜んでもらえます。もちろん結婚指輪だけでなく、腕時計などを記念とするのも良いでしょう。

記念品のお披露目を行うタイミングは食事の前が基本です。食事が来るタイミングを事前に把握し、スムーズに行いましょう。また、このタイミングで、改めて結婚の報告と今日集まってくれたお礼を伝えると良いでしょう。

お披露目できる記念品がない場合は?

結婚指輪がまだ届いていなかったりして記念品が手元にない場合は無理して行う必要はありません。「これから婚約指輪や結婚指輪を見に行く予定」と報告したり、結婚の報告やお礼などを改めてする時間にするのでも良いでしょう。

記念品のお披露目は、食事会の冒頭に場を温めるちょっとしたイベントに過ぎません。該当しない方はスキップしていただいて結構です。

記念品交換のポイント
  • 結婚指輪や記念品に込めた思いを両親に伝える
  • 改めて結婚の報告とお礼を伝える
  • お披露目する品がなければスキップしてOK

当日の流れ#04 食事と歓談

食事がサーブされたら、顔合わせのメインである歓談の時間です。両家の親睦を深めることが目的の顔合わせでは、この歓談の時間をいかに活用できるかが肝になっていきます。歓談の際のポイントやおすすめの話題などを理解し、顔合わせを成功させましょう。

乾杯をすませ、和やかに両家の親睦を深めよう

食事のはじまりはやはり乾杯からです。乾杯の発声は新郎父がおすすめです。両家の親睦を深めるということを頭において、歓談を進めましょう。そのために新郎新婦のお二人で事前に会話のトピックをいくつか用意したり、流れをイメージしておくことをおすすめします。

また、顔合わせ当日の進行プログラムやお互いのちょっとしたプロフィールなどを載せた顔合わせのしおりを作って、スムーズに歓談をする先輩カップルも多いようです。顔合わせのしおりについて詳しく知りたい方は【顔合わせのしおり作成ガイド】無料テンプレートを使った作り方やアイデアを紹介!をご覧ください。

なお、両家の親睦を深めやすいおすすめの話題がいくつかありますので、紹介します。

顔合わせにおすすめ話題1.カジュアルなこと

おすすめの話題の1つ目はカジュアルな話題です。センシティブで重い話ではなく、誰もが会話に参加しやすい話題から歓談を始めることで、場を温めることができます。

下記の話題例のように、今日の天気などから会話を始めて仕事や趣味、家庭の話題など、両家の人となりがわかるような話題につなげると関係が自然と深まるでしょう。

カジュアルな話題の例
  • 天気のこと
  • 地元のこと
  • 趣味や旅行のこと
  • 健康のこと
  • 仕事のこと
  • 家庭のこと
  • 新郎新婦のふたりの幼少期のこと

これらの話題からお互いの共通点が見つかったり、家族同士でも新たな発見があったりと参加者全員の親睦が深まりますよ。

顔合わせにおすすめの話題2.結婚準備に関すること

おすすめの話題2つ目は結婚準備に関することです。今後控える結婚式について、お二人がリードし、準備や予定について両家で会話しておくと良いでしょう。

特に両家で意見を出し合って決めておきたいことがあれば積極的に話題に出しましょう。ご両親の意見をしっかりと引き出すために、事前に結婚準備について話しておきたいことを考えてもらうよう頼んでおくのも良いですね。両家の親同士が顔を合わせる機会は多くないため、決めておきたいことや伝えておきたいことは、顔合わせで話すようにできると両親も新郎新婦のお二人にとっても楽でしょう。

結婚準備に関する話題の例
  • 結納のこと(やるorやらない、日程、結納金など)
  • 結婚式のこと(規模や招待ゲストのこと)
  • 新居のこと

顔合わせでのNG話題

おすすめの話題がある一方、顔合わせの歓談にふさわしくない話題もあります。まずは政治観や宗教観などセンシティブな話は避けた方が良いでしょう。また、意見が別れる可能性があったり、誰もが気軽に会話を楽しめないような話題は避けましょう。

下記に、顔合わせで避けておきたいNGな話題の例をいくつか挙げました。もし、ご両親がついこの例にある話題を話していたり、だれか一人の話が長くなりすぎてしまうような場合は新郎新婦のお二人がそれぞれのご両親をリードしてあげるとよいですね。

顔合わせのNG話題の例
  • 政治や宗教に関する信条の話
  • 専門性が高い仕事の話やマニアックな話
  • 自慢話
  • だれかの悪口や批判的な話
  • 将来の同居や介護など意見が分かれる可能性のある話

こうしたNG話題が出てしまったり、長く続いてしまったりすると、場の雰囲気が悪くなります。しかし、両家の親はお互いの関係性がまだ浅いため、自ら話の流れを変えることは難しいです。新郎新婦のお二人が上手に話題をコントロールできると良いですね。

食事と歓談のポイント
  • 乾杯の発声は新郎父がおすすめ
  • おすすめの話題はカジュアルなものや結婚準備に関するもの
  • NG話題や気まずい雰囲気は新郎新婦がリードして改善しよう

当日の流れ#05 結びの挨拶と記念撮影

歓談が落ち着いたタイミングで結びの挨拶となります。

「どんなことを結びの挨拶で伝えたら良いか難しいな」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここでは、結びの挨拶で伝えるべきことをしっかりと理解しましょう。このタイミングで記念撮影を行うこともあるのでその点にも触れていきます。

結びの挨拶は新郎新婦のお二人から

顔合わせを締める結びの挨拶は新郎新婦のお二人が行うことをおすすめします。顔合わせのために時間を作ってくれた両家のご両親や出席者に感謝を伝えるのは新郎新婦の役目だからです。切り出しは新郎が行うことが一般的です。

内容として、まずは今日の顔合わせに集まっていただいたお礼をきちんと伝えましょう。また、これからの決意やサポートへのお願いを付け加えるのも良いでしょう。その上でこれからの両家が親しくお付き合いできるよう願いや思いを伝えると良い締めの挨拶になりますね。

全員で記念撮影

顔合わせの記念に全員で写真撮影を行うのもおすすめです。良い思い出の写真を残せることはもちろん、結婚披露宴のムービーなどに使うこともできます。撮影の際は両家全員が写真に写ることができるよう、お店の人に撮影をお願いしましょう。事前にお店の人に撮影をお願いしておくとスムーズに進めることができますよ。

結びの挨拶と記念撮影のポイント
  • 結びの挨拶は新郎新婦のお二人から
  • 本日のお礼と今後の親しいお付き合いを伝えよう
  • 記念撮影は事前にお店の人に頼んでおこう

ここまでくれば、顔合わせもクライマックスです。残すは食事代のお支払と大典です。最後までしっかりと流れを確認しておきましょう。

当日の流れ#06 お支払いと退店

結びの挨拶が終わると、食事代のお支払いと退店となります。支払いのタイミングや担当などにすこしポイントがありますので、確認していきましょう。退店をスムーズに行うコツも合わせて解説していきますので参考にしてください。

顔合わせ食事会のお支払いはだれがやる?

基本はホストである新郎側が支払います。事前に新婦側へもその旨を伝えておくとスムーズです。新郎父が払うか、新郎が払うかは相談して決めておくと良いでしょう。

支払いは退店する前ではなくトイレで離席したタイミングなどで済ませておくとスマートです。ただ、もし事前に新婦側から折半の申し出があった場合は応じても良いでしょう。相手の厚意を損ねるような過度な遠慮は失礼にあたるので気をつけてください。新郎新婦が主催して双方の両親を招く、というスタンスで食事会を開催する場合はお二人が支払いを行うのも良いでしょう。

顔合わせ食事会の費用分担や会計については顔合わせ費用の相場と支払い方法!いつ誰が支払う?手土産や宿泊交通費の負担も解説でさらに詳しく解説しています。

スムーズな退店のポイント

まずタイミングとしては、コース料理のデザートやコーヒーを楽しみ、話題が尽きてきたら頃合いです。新郎新婦からの締めの挨拶と共に退店を両家に切り出します。無理に顔合わせを引き延ばすことなく、料理を楽しみ終わったら解散をするという流れを意識するとスムーズに退店できるでしょう。

席を立つときには両家のご両親の上着やコート、履物に気を配り忘れ物がないようサポートできると親切ですね。退店後はお店の前での現地解散が一般的です。待ち合わせと同じくそれぞれ両親を連れて解散する形で問題ありません。

お支払いと退店のポイント
  • 誰が支払うのか事前に決めておく
  • 締めの挨拶と共に退店を切り出す
  • 退店後は両親を連れて現地解散でOK

「終わり良ければすべて良し」という言葉の通り、食事代のお支払いや退店をスムーズに行えると、気持ちよく顔合わせを締めくくることができます。誰が支払うのか、退店後はどのように解散するのかを事前に決めておき、スマートにお支払いと退店、解散を済ませましょう。

顔合わせに関してよくある質問

このパートでは、両家の顔合わせ食事会に関して新郎新婦のみなさんが疑問に思うポイントを、よくある質問としてまとめてご紹介します。今回は礼儀作法やマナーに詳しいNPO法人日本サービスマナー協会の浜村百里香さんにお話を伺いました。

お話を聞いた専門家
浜村 百里香
東京の老舗ホテルにてコンシェルジュVIP対応、新卒採用担当、CS向上に携わる。その後国会議員の第一秘書として勤務し、「成功され、ご縁に恵まれている人の共通点は、マナー力、接遇力を持ち、誠実に謙虚に実践している人である」と実感。現在は官公庁や企業、学校にて様々な業種向けのオーダーメイド研修を展開している。

Q.兄弟姉妹は招待した方が良いですか?

A.明確なルールはないので、新郎新婦、両家で話し合ったうえで、両家のバランスを調整し、招待しましょう。コロナ禍のこの時期は大人数で食事をとることを控えてらっしゃる方々も多いので、特にご両親がご年配の方々はまずはご両親に相談した方が良いでしょう。

Q.手土産は必ず用意したほうが良いですか?

A.顔合わせ食事会は両家のご挨拶の場でもあるので、「これから末永くよろしくお願いいたします」という気持ちを込めて、手土産を持参したほうが好ましいでしょう。お品は地元の特産品や銘菓、日もちがするもの、持ち帰りしやすいものが良いでしょう。片方だけが手土産を準備することのないよう、事前に新郎新婦を通して、手土産の有無、おおよその金額については伝えておきましょう。

Q.進行役はだれがいいですか?

A.基本的には新郎が進行役を務めましょう。家族の紹介を簡単にまとめたしおりを用意するとコミュニケーションも広がり、場が和みます。その場合は新婦も進行役に加わっても良いでしょう。

Q.顔合わせ食事会のしおりは作ったほうが良いですか?

A.お二人で相談し、自由に決めてOKです。しおりを用意することで、話題も増え、盛り上がり、硬くなりすぎず進行はスムーズに進むでしょう。しおりを用意する際、両家のプロフィールを載せる際、事前にそれぞれの家族一人ひとりに内容の確認をし、ご承諾いただくと良いでしょう。

顔合わせのしおりに関して詳しくは【顔合わせのしおり作成ガイド】無料テンプレートを使った作り方やアイデアを紹介!をご覧ください。

Q.料理は事前にオーダーしておいたほうが良いですか?

A.事前にコースを頼んでおくことをおすすめいたします。その際、参加者のアレルギーや苦手な食材などあらかじめ確認しておきましょう。

Q.お酒は飲んでもいいですよね?注意点はありますか?

A.飲んでもOKです。しかし、あくまで両家のご挨拶の場であるので、飲み過ぎには注意しましょう。また両家ともにお酒好きとは限らないので、バランスを見て酒量を調整するのが理想です。

Q.記念品交換を予定しておらず、これといったイベントが思いつきません、どうしたらいいですか?

A.無理して行う必要はありません。婚約指輪や結婚指輪を買う、見に行く予定について報告するだけでも構いません。参加者全員で写真撮影を行うことも記念に残るのでおすすめです。

Q.結婚支度金は顔合わせの場で渡してOKですか?

A.OKです。しかし、顔合わせの場で渡す場合は、事前に新婦側へ伝えておきましょう。一般的には、両家参加者の紹介後に、新郎父から新婦父へ渡します。予め、支度金の受け渡しについて、お返しについて、両家のご意向を確認しておくと良いでしょう。

Q.支払いについて、負担や分担はどうすればいいですか?

A.正式なルールはないので、状況に合わせて決めてOKです。一般的には新郎新婦が両家を招待する形が多く、その場合は新郎新婦で支払いをします。支払いをするときは参加者の目の前ではなく、席を外し支払いを済ませておくなどの心遣いも必要です。

また、どちらかの地元に来てもらい顔合わせをする場合は、来てもらった感謝の気持ちを込めて支払いを負担する場合もあります。食事会を滞りなく進めるためにも、支払についても両親のご意向を確認した上で、事前に参加者に伝えておくとスムーズでしょう。

みなさんが顔合わせ食事会の進め方や流れに関して感じた疑問を解消いただけたでしょうか?最後に、これから両家顔合わせ食事会を控える新郎新婦へ浜村さんからメッセージをいただきましたのでご紹介します。

コロナ禍での両家顔合わせは、開催時期の調整なども含め、ご両親のご意向を優先するなど更にお心遣いが大切です。マナーの原点は、相手の身になって考える優しさと思いやりを形にして伝えることなので、両家の参加者が和やかで心地良く過ごしていただけるよう、主役である新郎新婦はしっかりと準備をしましょう。

NPO法人 日本サービスマナー協会
認定講師 浜村百里香

「1分で振り返る」この記事のまとめ

最後に、この記事で解説してきた内容を振り返っておきましょう。

顔合わせとは「両家の親睦を深めるための食事会」

顔合わせは結納のような婚約の儀式ではなく、一緒に食事をして両家の関係性を深めることを目的しています。内容に関して厳格な決まりごとはありませんが、一般的に新郎側のお家が主催者となり、入籍の前・結納の前のタイミングで行います。

準備は「両家全員が気持ちよく顔合わせを行う」ために

準備ではご両親が集まりやすい日程場所を調整したり、気まずい思いをさせないよう手土産や服装でも格を合わせたりと、両家のご両親が不安なく顔合わせを行うための工夫が大切です。また当日の進行や会話のトピック、支払いの担当などを決めておくことで主催者側や、新郎新婦の不安も軽減することができます。

当日は「誰もが会話に参加しやすい話題」や「結婚式についての話題」を選ぶ

顔合わせ食事会はで一番肝心なのは歓談の時間です。歓談の時間では親睦を深めやすい話題をお二人から提示していきましょう。歓談の話題になるようなネタを記載したしおりを用意したり、避けた方がいい話題が続かないようコントロールしたりとアンテナを張って、両家のコミュニケーションをサポートしていくとうまくいきやすいですよ。

顔合わせはこれから家族になる両家の親睦を深める大切な催しです。気負いすぎる必要はありませんが、この記事で解説した顔合わせのポイントを参考にしていただければと思います。この記事が皆さんの幸せな顔合わせの一助となれれば幸いです。

この記事を書いた人
山﨑 まりあ
群馬県内の結婚式場で約2年レセプションを担当。これまで多くの新郎新婦のあたたかで幸せな結婚に寄り添う。現在はフリーの翻訳家・ライターとして結婚を含む様々なジャンルの記事執筆、翻訳に携わる。「結婚を人生の特別な1ページに。そしてあなたらしく。」をモットーに大切な結婚を記事執筆という形サポートしている。