【見本&記入例】婚姻届の書き方マニュアル!入籍の必要書類と流れを解説

【見本&記入例】婚姻届の書き方マニュアル!入籍の必要書類と流れを解説

入籍日に提出する婚姻届。書き方を間違えたり必要書類に不備があると希望日に受理されないので要注意です。スムーズに入籍できるよう記入例を参考にしながらポイントを理解しましょう。2021年9月以降は不要となった印鑑の最新ルールもご紹介します。

目次

  1. 婚姻届を書くための準備と流れ
  2. 記入例付き!婚姻届の書き方
  3. 婚姻届、こんなときどう書く?
  4. 婚姻届の書き方に関するよくある質問
  5. 「1分で振り返る」この記事のまとめ

結婚を決めたふたりが正式に夫婦となるために必要なのが「婚姻届」です。はじめての法的書類を前に「これどういう意味?」と難しく感じてしまう人も多いのではないでしょうか。

この記事では、入籍をスムーズに進める手順として、婚姻届を書くために準備するものや、書き方のポイントを詳しく解説します。記入見本つきなので、どこに何を書けばいいのか一目瞭然!これから入籍を控えている人は、ぜひ参考にしてください。

婚姻届の印鑑廃止について
2021年9月から婚姻届に印鑑は不要となりました。この記事の印鑑に関する部分には、2021年10月現在の最新の内容を追記しています。

婚姻届の印鑑廃止について詳しく知りたい方は、婚姻届に印鑑は不要!2021年のハンコ廃止の法改正の影響とは?をご覧ください。今後の印鑑のルールについて役所担当者に行ったインタビュー内容や、今回の法改正の概要をわかりやすく解説しています。

婚姻届を書くための準備と流れ

婚姻届の書き方を解説する前に、まずは事前に必要な準備と提出までの流れを理解しておきましょう。

婚姻届の記入と提出のために準備するもの

まずは婚姻届を書くために準備するものからご紹介します。

婚姻届

婚姻届のフォーマットは全国で共通です。届け先となる市区町村の窓口で紙をもらうほか、婚姻届のデザインを豊富に揃えたWebサイトからデータをダウンロードして印刷したものを使用してもOKです。おしゃれな婚姻届をダウンロードできるサービスはおしゃれなデザインの婚姻届が無料でダウンロードできるオススメサイト20選!で詳しくご紹介しています。

記入例の見本

婚姻届には特有の記入方法があります。必ず記入見本を用意しておくことをおすすめします。(記入見本はこの記事の記入例付き!婚姻届の書き方以降を参照してください)

印鑑

男性と女性それぞれで印鑑を用意します。女性は旧姓の印鑑です。シャチハタなどのゴム印は不可。また、男性と女性の旧姓が同じ場合(例:どちらも「佐藤」)であっても同じ印鑑を使い回すのはNGです。別々の印鑑を用意してください。婚姻届を提出する当日に予期せぬ訂正が生じることもありますので、お二人の印鑑は届出窓口に持参することをおすすめします。

なお、結婚するお二人のほか、証人欄には証人2名に押印してもらう必要があります。

2021年9月以降、婚姻届のすべての押印は不要となりました。届出人、証人ともに押印義務はありません。(2021年10月追記)

本人確認書類

婚姻届の提出時には、運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど、顔写真付きの本人確認書類が必要です。

ペン

婚姻届は必ず黒のボールペンまたは万年筆で記入します。書き換え可能なシャープペンや消えるペンは使用不可です。

戸籍謄本

お二人の本籍地と婚姻届を提出する自治体が異なる場合は、提出時に戸籍謄本を用意する必要があります。

  • 届出先とふたりの本籍地が同じ→戸籍謄本はふたりとも不要
  • 届出先と彼のみ本籍地が異なる→戸籍謄本は彼のみ必要
  • 届出先と彼女のみ本籍地が異なる→戸籍謄本は彼女のみ必要
  • 届出先とふたりとも本籍地が異なる→戸籍謄本はふたりとも必要

戸籍謄本については婚姻届の提出に戸籍謄本は必要?不要?入手方法と必要書類、戸籍抄本との違いを解説でさらに詳しくご紹介しています。ぜひご覧ください。

婚姻届の記入と提出の流れ

記入から提出までの流れは次の通りです。

  1. 入籍日(婚姻届を提出する日)を決める
  2. 婚姻届や必要書類を用意する
  3. ふたりの記入欄を記入して捺印する
  4. 証人2名に記入と捺印をしてもらう
  5. 市区町村の窓口に婚姻届を提出する(入籍日)

このように、まずは入籍日を決めるところからスタートします。入籍日は縁起の良い日取りやお二人の記念日、語呂合わせで覚えやすい日付などから選びましょう。入籍日の選び方について詳しくは【2021/2022年版】入籍日の決め方ガイド!縁起の良さや語呂合わせで選ぶおすすめ入籍日リストをご覧ください。

記入例付き!婚姻届の書き方

まずは婚姻届の記入見本です。今回は東京都オリジナル婚姻届を使って説明しますが、婚姻届のフォーマットは全国で統一されているため、どの自治体でも書き方は同じです。

婚姻届の記入例
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以下、記入箇所ごとに【A】〜【M】に分けてひとつずつ記入方法や注意点を解説します。ぜひ記入例を見ながら書き進めてください。

婚姻届の記入箇所
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【A】日付・届出先の書き方

婚姻届の日付・届出日の記入例

日付は、婚姻届を提出する日を記入しましょう。

正しく受理されれば、この日が「入籍日」になります。結婚記念日として利用する方が多いかと思いますが、結婚記念日をお二人の記念日や誕生日に設定したいからといって、事前受付や入籍日を変更する制度はないので注意してください。

届出先は、婚姻届を提出する市・区の名前を記入します。なお、現在のお住まいや新居の自治体とは関係なく、思い出の場所や旅行先など、本籍地や居住地が関係していない場所であっても婚姻届の提出は可能です。

【B】氏名・生年月日の書き方

婚姻届の氏名・生年月日の記入例

氏名欄には、ふたりの名前・よみかた(ふりがな)を旧姓で記入します。

漢字に旧字体が使用されていないか、正しいよみかたは何か、それぞれ戸籍謄本でチェックして謄本と同じ内容を書き入れてください。

また、生年月日は西暦・和暦どちらでも構いませんが、書類内すべて統一するのが基本です。婚姻届は和暦が印字されていることが多いため、生年月日も和暦で記入するのが良いでしょう。

【C】住所の書き方

婚姻届の住所の記入例

住所欄は、それぞれの住民票に記載してある住所・世帯主を記入します。

もし、届出と同時に住所変更をする場合は「新住所・世帯主」を記入すること。ただし、届出が休日なら、旧住所・世帯主が求められます。ミスを防ぐためにも、前もって住所変更をしておくのが一番スムーズで安心です。

なお、もともと印字してある「番地・号」が不要な場合は一本線を引いて削除しても結構です。訂正印は不要です。

【D】本籍の書き方

婚姻届の本籍の記入例

本籍の欄には、お二人が結婚する前の本籍地・筆頭者を記入します。

「本籍」は住民票に記載されている住所と異なる場合があるので注意してください。本籍記載有りの住民票か戸籍謄本をチェックすれば本籍が記載されています。本籍は◯番地や◯番までの記載で結構です。

また「筆頭者」とは、戸籍の筆頭(一番目)に記載してある人のことを指します。多くの場合は父親もしくは母親であることが一般的です。必ず戸籍謄本を参照して記載してください。

住所や本籍の書き方については婚姻届の住所と本籍の書き方を5分で理解!住民票や戸籍謄本を準備しようでさらに詳しく解説しています。

【E】父母の氏名・父母との続き柄の書き方

婚姻届の父母の氏名・父母との続き柄の記入例

父母の氏名は、お二人の実親の氏名をそれぞれ記入します。

たとえ死別している場合でも、空欄にしてはいけません。また、基本的に母親は「名のみ」でOKですが、離婚している場合は「現在の姓名」を正しく記入する必要があります。

続き柄は「長・二・三・四・五~」のように、該当するものを記入します。二番目は「次男・次女」と表記しないよう注意してください。

【F】婚姻後の夫婦の氏・新しい本籍の書き方

婚姻届の婚姻後の夫婦の氏・新しい本籍の記入例

婚姻後の夫婦の氏(うじ)は、ふたりのうち「どちらの姓を名乗るか」ということ。「なぜ姓ではないの?」と感じるかもしれませんが、民法等の法律では姓や名字は「氏」と呼ばれているためです。

夫か妻か、ここでチェックを入れた方が新しい戸籍の「筆頭者」になります。「夫婦別姓(別氏)」を希望する場合でも、婚姻届ではどちらかを選択しなければいけません。現在の日本では法律上「別姓」が認められていないため、チェック無しでは婚姻届が受理されないことを覚えておきましょう。

また、新しい本籍は、婚姻したふたりの戸籍をおく住所を指します。国内であればどこでも設定可能ですが「新居、どちらかの実家」を新本籍にするケースが多いようです。もし、選択した氏の人がすでに筆頭者であるなら、その本籍に婚姻者が加わるだけ。この場合、新本籍は「空欄」にしておきましょう。

【G】同居を始めたときの書き方

婚姻届の同居を始めたときの書き方

同居を始めたときは「結婚式を挙げた日」「同居をはじめたとき」のうち、早い方の年月を記入しましょう。どちらも済んでいない場合は、空欄にしておきます。

すでに同居している場合、ふたりが住民票を移した月が異なることがあるかもしれません。そうした場合はどちらか一方のタイミングを選んで記載すればOKです。だいたいの年月で問題ありません。

【H】初婚・再婚の別の書き方

婚姻届の初婚・再婚の別の記入例

今回の婚姻について「初婚・再婚」を明確にするために記載します。上図は夫が初婚、妻が再婚の場合の記入例です。

再婚の場合は、前妻(夫)と別れた理由を「死別・離別」から選択し、その日付を記入してください。もし、今回の婚姻が3回目以上になる場合は、直近の日付を書き込むこと。正確な日が分からないときは、おおよその日付でも問題ありません。

【I】同居を始める前の夫妻のそれぞれの世帯のおもな仕事と夫妻の職業の書き方

婚姻届の同居を始める前の夫妻のそれぞれの世帯のおもな仕事と夫妻の職業の記入例

上部の「それぞれの世帯の主な仕事」は、1〜6の選択肢の中から、夫と妻それぞれで該当する番号にチェックを入れます。

一方、下部の「夫の職業、妻の職業」は国勢調査がある年のみ記入が必要な欄ですので、その年以外に入籍する方は空欄で結構です。(詳しくは記事後半の職業の欄はどう書けばいいの?をご覧ください)

また、婚姻届の職業に関しては5分でわかる婚姻届の職業欄の書き方ガイド!国勢調査や職業名の疑問も解決でさらに詳しく解説しています。ぜひこちらもご覧ください。

【J】その他の書き方

婚姻届のその他の記入例

この欄は次のような場合などに記載します。どれも該当しない場合は空欄でかまいません。

  • 未成年者が結婚する場合
    • 2022年4月の民法改正によって、成年年齢が18歳へと変更されました。また、従来は男性18歳・女性16歳以上であることが婚姻の条件でしたが、男女ともに18歳以上へと統一されました。例外として民法が改正された2022年4月1日の時点で16歳以上の女性は、18歳未満であっても婚姻が認められるという経過措置が取られています。この対象者は、従来同様、未成年の婚姻とみなされ、親の同意署名が必要となりますので、この「【J】その他」の欄に記載します。
  • 同居しておらず結婚式も挙げてない場合
    • 上記の旨を記載
  • 氏(姓)を旧字体から新字体へ変更したい場合
    • 上記の旨と夫妻両名の印鑑を捺印(2021年9月以降は押印は任意)

【K】届出人の書き方

婚姻届の届出人の記入例

届出人欄は、ふたりの氏名を旧姓で署名・押印します。ここでの大切な点は「自筆署名であること」「印鑑が押印されていること」です。

2021年9月以降は届出人2名の押印も不要となりました。届出人2名の自筆署名があれば婚姻届は受理されます。(2021年10月追記)

【L】証人の書き方

婚姻届の証人の記入例
証人の捨印は欄外の右側に

婚姻の証人になってもらう人は、成人であることが決まりです。2名それぞれの氏名~本籍までの項目を、すべて自筆で記入してもらう必要があります。ちなみに、証人2名が夫婦や兄弟という理由で同姓になる場合、認印はそれぞれ別の印鑑で押印してもらう必要があります。もちろん、シャチハタは使えません。

万が一、証人欄に誤りが見つかった場合にそなえて、証人2名にも欄外(右側)に捨印を押してもらっておくことをおすすめします。捨印があれば、あとから証人に修正してもらわなくとも「軽微ミス」として役所側が修正してくれ、手続きがスムーズに進みます。

なお、証人を誰に頼もうか迷っている方は婚姻届の証人は誰にどう頼む?100名調査と証人欄の書き方や印鑑の注意点をぜひご覧ください。

2021年9月以降、証人の押印も不要となりました。捨印も必要ありません。(2021年10月追記)

【M】連絡先の書き方

婚姻届の連絡先の記入例

婚姻届の最後に、連絡先を記入しましょう。婚姻届はその場で受理されることがほとんどですが、提出後にミスが見つかれば、記入した連絡先へ電話がかかってきます。夫妻2名の連絡先を記入するフォーマットの場合は上記の記入例のように記載します。もし、どちらか1名のみを記入するフォーマットの場合は平日日中に連絡がとりやすい方の連絡先を記入することをおすすめします。

捨印

婚姻届の捨印の押印例

婚姻届の左端には届出人お二人の「捨印」を押す欄が設けられています。何か小さなミスが見つかった場合に役所側で修正してもらうためにも、必ずお二人の印鑑をそれぞれ押印しておきましょう。(証人2名の捨印は先ほど説明した通り証人欄の右側に押印してもらいましょう)

捨印欄がない婚姻届もある!?

フォーマットによっては左端に捨印欄がない婚姻届もあります。その場合は、証人の捨印と同じく、届出人の氏名や住所の左側の欄外(婚姻届の左側)にお二人の印鑑を押印しておけばOKです。

さて、婚姻届の基本的な書き方は以上です。婚姻届には、住所と本籍の違い、証人2名が同姓の場合は別の印鑑が必要であることなど、普段あまり意識しない内容が含まれています。この記事でご紹介した見本を見ながら丁寧に書き進めていきましょう。

2021年9月以降、婚姻届のすべての押印は不要となりました。訂正が必要な場合でも捨印は必要ありません。(2021年10月追記)

続いては、こんな場合はどうしたら良いの?という疑問にお答えしていきます。

婚姻届、こんなときどう書く?

再婚の場合や未成年での婚姻の場合など、婚姻届の書き方に少し注意が必要なケースもあります。該当する項目はしっかり目を通して理解してください。

再婚の場合の書き方は?

再婚の場合、先ほど説明した【H】初婚・再婚の別に、その旨を明記します。記入例は下図の妻の欄をご覧ください。

婚姻届の初婚・再婚の別の記入例(再婚の場合)

再婚をチェックした上で、今回再婚である理由について、前妻(夫)との関係性を「死別・離別」から選択し、発生日を記載します。正確な日が分からなければ、おおよその年月日でも構いません。もし今回が3回目以上であれば、直前の死別(離別)日を記入しておきましょう。

未成年の場合の書き方は?

従来は婚姻者が未成年の場合、下図のように婚姻届の左下にある【J】その他に父母(または養父母)2名からの同意署名と捺印が必要でした。

【記入例】未成年の場合の「その他」欄の書き方

婚姻届のその他(未成年の婚姻への同意)の記入例

※2021年9月以降、婚姻届のすべての押印は不要となりました。未成年の婚姻に関する両親の同意文にも押印義務はなく、両親2名の自筆署名のみでOKです。(2021年10月追記)

しかし、2022年4月1日の民法改正によって成年年齢が18歳となり、男女ともに18歳以上から婚姻が認められることになりました。このため、今後は親の同意署名そのものが不要となります。詳しくは以下をご覧ください。

※以下、2022年4月の民法改正について追記しました(2022年6月)

2022年4月の民法改正によって親の同意署名は不要に

2022年4月1日の民法改正によって成年年齢が20歳から18歳へ引き下げられました。同時に、従来は結婚できる最低年齢が男性は18歳、女性は16歳だったものが男女ともに18歳へと統一されました。これを受け、従来は親の同意が必要であった未成年(18歳未満)の婚姻が認められなくなるため、親の同意が必要となるケースはなくなることになります。

なお、例外として民法が改正された2022年4月1日の時点で16歳以上の女性は、18歳未満であっても婚姻が認められるという経過措置が取られています。この対象者は、従来同様、未成年の婚姻とみなされ親の同意署名が必要となります。ただし、このケースにおいても親の署名のみ必要で押印は不要です。

2022年4月の民法改正のまとめ
  • 成年年齢が18歳へと変更された
  • 男女ともに成人である18歳から結婚できる
  • 未成年の婚姻が存在しなくなるため親の同意署名は不要
  • 経過措置として2022年4月1日時点で16歳以上の女性は結婚できるが、この場合は親の同意署名が必要

参考:法務省「民法(成年年齢関係)改正Q&A」

なお、婚姻届ではなく別の同意書を用意する場合は以下の内容を記載する必要があります。

  • 同意文
  • 続き柄(父・母)
  • 姓名
  • 住所
  • 生年月日

同意文の例

夫(妻)◯◯◯◯(フルネーム)は未成年につき、この婚姻への同意を表明します。

婚姻届・同意書、どちらを用意する場合であっても、基本的に「2名の同意者」が必要です。しかし、離別や死別によって2名を立てられない場合は、1名でも差し支えありません。念のため、届出予定の役所へ事前に問い合わせておくと安心です。

国際結婚の場合の書き方は?

夫妻どちらかが外国人である国際結婚の場合、主に「氏名」「本籍」「届出人の署名」の3箇所の書き方が異なります。以下では夫が日本人、妻がアメリカ人の場合の記入例で解説します。

外国人の氏名と生年月日の書き方

国際結婚の婚姻届の氏名の記入例

氏名はカタカナ(本人、父母ともに)、生年月日は西暦で記載します。氏名をアルファベットで表記しがちですので注意してください。

外国人の本籍の書き方

国際結婚の婚姻届の本籍の記入例

本来婚姻届の本籍の欄は日本の戸籍情報を記載するものです。外国人の場合は国名のみ記載し、それ以外は空欄とします。国名は、日本語での正式な国名を表記する点に注意してください。

OK:アメリカ合衆国
NG:アメリカ、米国、USAなど

外国人の届出人署名の書き方

国際結婚の婚姻届の署名の記入例

届出人署名は氏名のようにカタカナで表記するのではなく、パスポートの表記と同じサインを自筆します。届出人本人が記載した婚姻届であることを示す署名(Signature)である必要があるということです。なお、押印は不要です。

国際結婚の場合の婚姻届で押さえておきたい基本的なポイントは以上です。

このほか国際結婚の場合、婚姻届以外にも必要な手続きがあります。パートナーの出身国によって必要物が変わる可能性もあるので、詳しくは役所に問い合わせてみましょう。

両親が離婚または亡くなっている場合の書き方は?

両親が離婚または亡くなっている場合、婚姻届の第3項「父母の氏名・続き柄」が関係します。どのような場合であっても、両親の名前は必須。ただし、死別か離別かによって書き方が異なる点に注意しましょう。

  • 死別の場合:空欄にせず記入します。死別したのが父親ならば父の姓名を、母親なら名のみを記入します。
  • 離別の場合:離別して母親の姓が変わっている場合は、現在の姓と名を記入します。

もし父母の名前が不明確な場合、戸籍謄本をチェックして正式な名前を記入しましょう。

さて、このパートでは再婚や未成年者の婚姻、国際結婚などのケースでの書き方を解説しました。続いて最後のパートでは、婚姻届の書き方に関するよくある質問にお答えします。

婚姻届の書き方に関するよくある質問

証人にはいつ書いてもらうのが良いの?

婚姻届の証人欄は、お二人が記入すべき項目をすべて記入し、捺印まで済ませたあとで書いてもらうようにしましょう。証人になってもらう人のところへ原紙を持参し、その場で記入・捺印してもらうのがマナーです。

もし遠方在住で持参するのが難しければ、郵送依頼でも構いません。その場合、事前に電話で依頼し、切手を貼った返信用封筒もつけておくと丁寧です。

書き損じた場合は訂正印を押せば良いの?

記入ミスをしてしまった場合は、二重線で消し、その上から訂正印を押印します。訂正印は、記入ミスの箇所が「男性/女性」どちら側になるかに応じて、使い分けます。なお、訂正を行った箇所の数は婚姻届の左端に記載します。

婚姻届の訂正の記入例
2文字訂正した場合の記入例

ちなみに、修正液や修正テープは書類が受理されない可能性があるため控えましょう。記入ミスをしても焦らないよう、書き損じに備えて婚姻届は多めに用意しておくと安心です。

二重線だけでOKってホント?

婚姻届の訂正については、左端の捨印欄に押印しておけば訂正箇所は二重線のみで押印は不要(新本籍と署名欄は訂正印も必要)とする自治体もあります。ただし、訂正箇所に押印しておいて問題があるわけではありません。気になる方は押印しておくと良いでしょう。

2021年9月以降、原則として捨印や訂正印も不要となりました。ただし、移行期間中は訂正印を求められるケースもあるようですので、不安な場合は婚姻届を提出する役所の窓口へ確認してください。(2021年10月追記)

書き損じた場合の訂正については落ち着いて!婚姻届を訂正する方法と印鑑について分かりやすく解説でも詳しく取り扱っています。ぜひこちらもご覧ください。

婚姻届の印鑑、女性は新姓?旧姓?どちらを使えば良いの?

婚姻届において女性の氏名はすべて旧姓で記入し、印鑑は旧姓のものを使用します。ちなみに、印鑑は「名(下の名前)のみ」のものでも認められます。

婚姻届が受理されるとはじめて姓が変わりますので、婚姻届旧姓で出す最後の書類ということになりますね。

2021年9月以降、婚姻届に印鑑は必要ありません。任意で押印する場合は旧姓のものや名前のみのものを使用しましょう。(2021年10月追記)

職業の欄はどう書けばいいの?

婚姻届の職業の記入例
職業欄は国政調査の年のみ記入する

上図の職業欄(夫の職業、妻の職業)は、5年に一度の国勢調査の年に婚姻届を提出するカップルのみ記入が必要な項目です。国勢調査は2025年、2030年、2035年…と、5年ごとに実施され、その年以外は空欄のままでOKです。(次回の2025年の国勢調査では2025年4月1日〜2026年3月31日に入籍するカップルが記入対象です)

なお、記入する職業名は、役所に職業の例示表が用意されていますので、そこから選んで記入しましょう。参考:2020年(令和2年)の職業例示表

捨印は必ず押しておいたほうがいいの?

婚姻届の捨印の押印例
届出人の捨印の例

捨印とは、婚姻届に記入ミスが見つかった場合に「訂正印」として効力を発揮するものです。押印必須ではありませんが、捨印さえ押しておけば、役所の届出窓口で書類に誤りが見つかった場合でも、その場で簡単に修正することができます。

また、後日の訂正や書き直しを防ぐために、【L】証人の書き方のパートで解説した通り、証人2名にも欄外右側に捨印を押してもらうことをおすすめします。

2021年9月以降は捨印も必要ありません。もしも届出窓口で記入ミスが見つかった場合でも、捨印なしで訂正してもらうことが可能です。(2021年10月追記)

届出人や証人の印鑑は同じでもいいの?

婚姻届の印鑑に関する注意書き
婚姻届の印鑑に関する注意書き

届出人や証人が同姓であっても別の印鑑を押印する決まりになっています。具体的には次のようなケースを頭に入れておくと良いでしょう。

  • 届出人(新郎と新婦)が同姓であっても、別々の印鑑を押す
  • 証人2名が夫婦や兄弟で同姓であっても、別々の印鑑を押す
  • 届出人と証人が同姓(子と親、弟と兄)であっても別々の印鑑を押す
2021年9月以降、婚姻届のすべての印鑑は任意となっています。届出人と証人ともに押印義務はありませんが、もし任意で押印する場合は各自別々の印鑑を使用してください。

婚姻届受理証明書はもらっておいた方がいいの?

婚姻届受理証明書とは、ふたりが正式に婚姻したことを証明する公的書類です。婚姻届が受理されてから新戸籍が作られるまで期間を有するため、その間の戸籍として代用することができます。

主な使用例には次のようなものがあります。該当する場合は受理証明書をもらっておくと良いでしょう。

住民票の名義変更

引越しなどで「新姓の住民票」がすぐ必要な場合、婚姻届受理証明書を役所へ持参すればその場で変更・発行までしてもらえます。

会社への届出

会社へ「扶養家族の申請」がすぐに必要な場合、婚姻を証明する書類として婚姻届受理証明書を使用することができます。

受理証明書について詳しくは婚姻届受理証明書とは?絶対必要?疑問をスッキリ解決!をご覧ください。

「1分で振り返る」この記事のまとめ

さて、今回は婚姻届の書き方について解説してきました。最後にこの記事のポイントをおさらいしておきましょう。

記事のまとめ
  • 婚姻届を提出した日が入籍日になる
  • 婚姻届のフォーマットは全国共通
  • 住所や本籍は住民票や戸籍の通りに記入する
  • 新婦の姓や印鑑は旧姓のものを使用する
  • 届出人や証人が同姓の場合でも同じ印鑑はNG
  • 記入ミスに備えて捨印を忘れずに
  • 国際結婚や未成年の婚姻の書き方に注意する
  • 不明点は事前に役所へ問い合わせること
2021年9月以降、婚姻届のすべての印鑑は不要となりました。もし任意で押印する場合は従来のルールに従うようにしてください。(2021年10月追記)

婚姻届はこまかい決まりがたくさんあり、普段見慣れない書類を参考にしながら書き進める必要があります。希望日に入籍をすませるためにも、余裕をもって準備して素敵な思い出にしましょう。

この記事を書いた人
ヒヤマココロ
大手ブライダル会社に10年以上勤務し、うち6年間はブライダルプランナーとして20代~50代のお客様を担当。現役時代は、年間最大100組ちかくの結婚式を担当していた傍らでマネジメントにも携わる。現在は二児の子育てをしながら、ブライダルやマナーの知識を活かしたライターとしても活動中。
保有資格:ビジネス文書検定2級、秘書検定2級