入籍して晴れて夫婦となると同時に、対応しなければならない手続きも多く発生します。特に、苗字が変わる人は手続きが煩雑になりがち。「めんどくさい…」と腰が重たくなっている人もいるのではないでしょうか?
実は、結婚に伴う手続きは、事前の計画と準備次第でスムーズに対応できるんです!
この記事では、結婚の手続きについて、必要書類や効率的に進めるポイントをご紹介します。自分に必要な手続きの情報をチェックしてみてくださいね。
こんなに?!結婚前後で必要な手続きリスト
まずは結婚前後に発生する手続きについて、全体像を確認しましょう。自分にはどんな手続きが必要になるのか、チェックしてみてくださいね。
【タイミング別】対応事項
入籍前 |
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入籍日 |
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できるだけ早く |
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男性にはこちらの記事「【男性版】入籍後の手続き完全ガイド!やっておくべき11項目はこれ」もおすすめです。
入籍日までに準備すること
まずは、入籍日を迎えるまでに整えておきたい準備を確認しましょう。最も重要なのは婚姻届。不備があるとその日に受理されない場合もあるので、必要書類を含めて慎重に準備しておきましょう。
入籍と同時に転居する場合は、入籍の前に転出届を提出しておくとスムーズですよ。
婚姻届
▶︎時期
入籍日までに
▶︎必要書類
・婚姻届
・本人確認書類
・印鑑
・戸籍謄本(元の本籍地と異なる自治体に提出する場合のみ)
婚姻届の内容は全国共通なので、基本的にどこでもらってもOK。役所・購入・付録・ダウンロード(必ずA3白で印刷)など、気に入ったデザインの用紙を用意しましょう。
婚姻届は正確な内容で記入する必要があるので、戸籍謄本を先に取得して、確認しながら書くのがおすすめです。
また、証人欄には証人2名分の直筆署名が必要。誰に頼んでもOKですが、相手の都合もあるので出来るだけ早めに打診しておきたいところです。
入籍までの詳しい流れは、こちらの記事「【入籍マニュアル】必要書類と婚姻届の書き方、入籍当日までの流れや注意点を徹底解説!」もチェックしてみてください。
転出届
▶︎時期
引越し2週間前〜
▶︎誰が
本人・同一世帯の人または代理人
▶︎どこで
市区町村役場(旧住所地)
▶︎必要書類
・転出届の申請書(窓口で配布・ダウンロード)
・本人確認書類 国民健康保険被保険者証(加入者のみ)
・委任状(代理人の場合)
転出届は、現在住んでいる自治体に提出します。引っ越しする2週間前から受け付けてもらえますよ。申請書は窓口でもらってその場で記入できますが、事前に自治体ホームページからダウンロードして記入して行くと時短になります。
転出届受理後に渡される「転出証明書」は、引越し後の転入手続きで必要なので大切に保管してください。国民健康保険は、自治体が変わると使用できなくなるので、転出日までに保険証を返却します。
新姓の印鑑
▶︎時期
入籍日までに
入籍後すぐに各種手続きを進めるなら、新姓の印鑑も用意しておきましょう。印鑑は、実印・銀行印・認印の3種類。実印と銀行印は兼用でもOKです。
書類の訂正など、旧姓の印鑑が必要になるケースも稀にあるので、旧姓印も捨てずに保管します。
最短コースはこれ!入籍日にできる手続き
入籍後は様々な手続きが必要ですが、なかなか平日に休みが取れないという人も多いのではないでしょうか?
今回は、平日に1日お休みを取って入籍をする場合に、効率よく手続きができるプランをご紹介します。 持ち物のチェックリストや、各手続きの詳細も解説するので、効率的に攻略しましょう!
1日で巡るモデルコース
- 婚姻届の提出・婚姻届受理証明書の入手
- 転入届の提出
- 新住所・新姓表記の「住民票」を取得
- マイナンバーカードの氏名・住所変更
- 国民健康保険・国民年金の氏名変更
- 印鑑登録
- 運転免許証の氏名・住所変更
- 銀行口座の名義・住所変更
婚姻届〜印鑑登録までは、新住所の役所の各窓口で行います。役所は平日8:30頃から開庁しており、スケジュール後半の銀行窓口は15時までなので、なるべく早い時間に行動開始するとよいでしょう。
なお、土日でも婚姻届の提出は可能です。ただし役所での処理ができないので、新しい住民票の取得ができず、すべての手続きを即日完了することはできません。
持ち物チェックリスト
最短スケジュールを実行する場合の、持ち物をチェックしましょう。このあと、各手続きの詳細も解説するので、手続きを単体で行う場合の必要書類はそちらをチェックしてください。
- 婚姻届
- 本人確認書類
- 認印・銀行の届出印(旧姓・新姓どちらも)
- 戸籍謄本(元の戸籍とは別の自治体に婚姻届を出す場合)
- 転出証明書 現金(手数料分)
- マイナンバーカード
- 国民健康保険被保険証
- 国民年金手帳
- 運転免許証
- 預金通帳・キャッシュカード
- 住民票(当日、新姓・新住所表記のものを取得)
「婚姻届」の提出・「婚姻届受理証明書」の入手
▶︎時期
ふたりで決めた入籍日(基本的に24時間365日受付してもらえる)
▶︎誰が
本人または代理人(代理人の本人確認と、届出人への通知書発送あり)
▶︎どこで
市区町村役場(新住所の役所が効率的)
▶︎必要なもの
・婚姻届
・本人確認書類
・旧姓の認印(訂正が発生した場合など、念のためあると安心)
・戸籍謄本(元の戸籍とは別の自治体に婚姻届を出す場合)
・婚姻届受理証明書の発行手数料(350円ほど)
・委任状(代理人の場合)
婚姻届を提出しても、戸籍の変更に時間がかかるので、即日で新しい住民票を取得することはできません。入籍時に「婚姻届受理証明書」を同時に取得しておけば、同日の住民票変更手続きが可能になります。
「転入届」の提出
▶︎時期
引っ越しから2週間以内
▶︎誰が
本人・同一世帯の人または代理人
▶︎どこで
市区町村役場(新住所地)
▶︎必要書類
・転出証明書(転出届を出した時に受け取る)
・本人確認書類
・新姓の印鑑
・委任状(代理人の場合)
先に婚姻届を提出するなら、転入届の氏名は「新姓」・続柄は「妻」または「夫」で記入します。夫婦共に転入するなら、それぞれ別々の用紙で転入届を起票しましょう。
ただし、別々に提出するのではなく、2通一緒に受付してもらってくださいね。
新住所・新姓表記の「住民票」を取得
▶︎時期
婚姻届・転入届の受理後
▶︎誰が
本人・同一世帯の人または代理人
▶︎どこで
市区町村役場(新住所地)
▶︎必要書類
・本人確認書類
・婚姻届受理証明書(自治体によって異なる)
・手数料(300円ほど)
・委任状(代理人の場合)
運転免許証やパスポートの変更手続きに使用するので、複数枚取得しておきます。 転入届提出時に婚姻届受理証明書をあわせて提出することで、新姓・新住所の住民票を即日発行できる場合が多いです。
自治体によっては、先に婚姻届を提出した旨を伝えるだけで対応してもらえるケースもあるので、事前に確認するとよいでしょう。
マイナンバーカードの氏名・住所変更
▶︎時期
変更が発生してから14日以内
▶︎誰が
本人・同一世帯の人または代理人
▶︎どこで
市区町村役場(新住所地)
▶︎必要書類
・マイナンバーカード
・委任状(代理人の場合)
住民票を更新してもらった後であれば、当日にマイナンバーカードの氏名・住所変更も対応可能。14日以内に変更しないと、マイナンバーカードが失効して再交付手続きが必要になるので注意が必要です。
国民健康保険・国民年金の氏名変更
▶︎時期
変更が発生してから14日以内
▶︎誰が
本人または代理人
▶︎どこで
市区町村役場(新住所地)
▶︎必要書類
・被保険証
・年金手帳
・印鑑(本人が署名する場合は不要)
・委任状(代理人の場合)
住民票が更新済みであれば、当日に変更できます。役所のそれぞれの窓口で、手続きを行いましょう。
印鑑登録
▶︎時期
必要な場合いつでも
▶︎誰が
本人
▶︎どこで
市区町村役場(新住所地)
▶︎必要書類
・新しい印鑑
・本人確認書類
・手数料(300円前後)
結婚すると、賃貸住宅の契約や住宅購入など、印鑑登録した印鑑での押印が必要になる場面も増えます。新しい自治体でも登録しておくと、すぐに発行できて便利です。
運転免許証の氏名・住所変更
▶︎時期
新しい住民票が手に入ったらすぐに
▶︎誰が
本人・住民票に併記されている代理人
▶︎どこで
警察署・運転免許更新センター・運転免許試験場
▶︎必要書類
・運転免許証
・運転免許証記載事項変更届(用紙は警察署や運転免許試験場で入手)
・新しい住民票の写し(本籍を変更する場合は、本籍地入りの住民票を手配)
・委任状(代理人の場合)
警察署・運転免許更新センター・運転免許試験場で手続きできます。ちなみに、日曜日は警察署で運転免許証の記載内容を変更することはできないので注意が必要です。
具体的な手続き期限は設けられていませんが、変更を怠ると道路交通法違反になる可能性も。免許更新時の案内ハガキが届かずトラブルになる場合もあるので、速やかに変更しましょう。
銀行口座の名義・住所変更
▶︎時期
新しい住民票が手に入ったらすぐに
▶︎誰が
本人
▶︎どこで
銀行窓口やインターネット
▶︎必要書類
・預金通帳
・キャッシュカード
・新姓・旧姓の届け出印
・本人確認書類(運転免許証など旧氏名と新氏名の両方が確認できるもの)
窓口での手続きは平日15:00までなので、間に合うようにスケジュールを組みましょう。住所変更だけならネットで完結する場合もありますので、まずは銀行ホームページをチェックしてみてくださいね。
変更手続きの期限はないものの、変更を怠っていると将来ローンなど様々な手続きがスムーズに進まない可能性があるので、出来るだけ早く変更しておくと安心です。
時間があるときに進めたい結婚後手続き
結婚すると必要になる手続きは、まだまだたくさんあります。忘れてしまうこともあるので、まとまった時間を取って一気に片付けるのもおすすめですよ。
パスポート
▶︎時期
新しい戸籍謄(抄)本が入手できたらすぐに
▶︎誰が
本人または代理人
▶︎どこで
住民登録をしている都道府県の旅券窓口
▶︎必要書類
・一般旅券発給申請書(記載事項変更用)窓口で入手可能
・有効中のパスポート
・戸籍謄(抄)本
・6カ月以内に撮影された顔写真(45mm×35mm)1枚
・手数料
住民登録をしている都道府県の旅券窓口で、記載事項変更申請をします。新婚旅行を控えている人は早めの申請を心がけましょう。航空券とパスポートの名前表記が不一致だと、飛行機に乗れないので注意が必要です。
新しい戸籍ができる前に、どうしても手続きがしたいなら、「婚姻届受理証明書(有料)」を入手して持参。後日パスポートを受け取るときに戸籍謄(抄)本を提出することで、手続きが可能です。
クレジットカード
▶︎時期
入籍したらできるだけ早く
▶︎誰が
本人
▶︎どこで
インターネットや郵送
▶︎必要書類
・クレジットカード
・新姓の印鑑
・本人確認書類
・申請用紙(電話・インターネットで取り寄せる)
手続き方法は、カード会社によって異なる場合があるので事前に確認を。郵送手続きは時間がかかるので、入籍前に電話で手続き書類を先に取り寄せておくのもおすすめです。
銀行口座の名義だけ変えて、クレジットカードの名義変更を忘れると、支払金の引き落とし時にエラーになることがあるので注意しましょう。
保険
▶︎時期
入籍したらできるだけ早く
▶︎誰が
本人
▶︎どこで
インターネットや郵送
▶︎必要書類
・保険証券
・本人確認書類
・新姓・旧姓の届け出印
・申請用紙(電話・インターネットで取り寄せる)
手続き方法は保険会社によって異なるので、確認しましょう。保険金の受取人を親などに指定している場合は、受取人を配偶者に変更するのも忘れずに。
自動車登録の変更
▶︎時期
変更から15日以内
▶︎誰が
本人または代理人
▶︎どこで
新住所管轄の運輸支局
▶︎必要書類
・新しい住民票
・戸籍謄本
・自動車保管場所証明書
・自動車検査証
・新姓の印鑑
・手数料納付書
・自動車税
・自動車取得税申告書
・ナンバープレート(管轄が変わる場合)
・委任状(代理人の場合)
車検証の内容を変更しないと、自動車税の通知が届けられないことがありトラブルの元です。 運輸支局は受付時間が平日8:45〜16:00(11:45〜13:00は対応なし)と対応時間が限られており、慣れていないと時間もかかるので、どうしても時間が取れない場合は代理人を立てるのも手です。
手続きの内容にもよりますが、手数料がかかるので多めに現金を用意していくと安心ですよ。
携帯
▶︎時期
入籍したらできるだけ早く
▶︎誰が
本人
▶︎どこで
店舗窓口やインターネット・郵送
▶︎必要書類
・本人確認書類
・使用中の携帯電話(氏名変更の場合)
・IDやパスワード
通信会社によって異なりますが、通常は店舗の窓口やインターネットから手続きを行います。家族割などの割引が適用になる可能性もあるので、プランの見直しもおすすめです。
通販など、その他サービス
▶︎必要書類
新しいクレジットカード
さまざまなサービスの会員情報を変更します。特に通販系のサービスは、クレカ登録・配送先住所・氏名の変更がもれると、決済や配送ができない事態になるので確実に対応しましょう。
郵便局の転居・転送サービス
▶︎誰が
本人
▶︎どこで
郵便局窓口・郵送・インターネット
▶︎必要書類
・転居届(※窓口・郵送で手続きの場合のみ必要。窓口で入手可能)
・本人確認書類
郵便局に転居の申請をしておくと、1年間旧住所あての郵便物等を新住所に無料で転送してもらえます。うっかり住所変更を忘れたものがあっても、手元に郵送物が届くので安心です。
苗字が変わらなくても!会社まわりの結婚後手続き
結婚したら、勤め先でもいくつか手続きが必要です。改姓しない人でも必要な手続きもあるので、チェックしてみましょう。
結婚届
結婚の届出をするときに、会社によっては婚姻届受理証明書の提出が必要な場合も。入籍前に、手続き方法を確認しておくのがおすすめです。 苗字が変わるなら、名刺の作り直しも必要です。
ただし、結婚後も社内で旧姓を名乗りたい場合は、会社に相談してみましょう。
住所変更(定期券や通勤手当の変更)
転居のタイミングで申請します。最寄駅や通勤手段が変わる場合は、交通費の精算も必要なので忘れずに対応しましょう。
給与振込口座の名義変更
銀行口座の名義変更をしたのに、会社の給与口座情報の変更を失念していると、給与振り込みができない可能性もあります。
片方が退職して扶養に入る場合
退職する場合は、出来るだけ早く上司に報告しておくのがマナー。退職手続きの内容も早めに確認しておきましょう。 退職して配偶者の社会保険上の扶養に入る場合(被扶養者の年収が130万円未満)は、配偶者の勤務先で手続きを行います。
健康保険と国民年金(第3号)の手続きは、配偶者の勤務先から必要書類をもらって記入後に配偶者の勤務先に提出する流れです。
まとめ
この記事では、結婚に伴う手続きの詳細や効率化のポイントについて解説しました。3つのポイントを振り返りましょう。
- 結婚するとさまざまな手続きが必要になる
- 改姓した人は特に複雑 入籍前から、ダンドリを考えて準備をはじめよう
- 平日1日だけでも、しっかり計画すれば重要な手続きを終わらせることができる
自分たちに必要な手続きのイメージがつかめたでしょうか?めんどくさく感じてしまう手続き関係ですが、ポイントをつかんで速く正確に終わらせてしまいましょう!