婚姻届にある「住所」と「本籍」の記入欄。今住んでいるところを書けばいいの?本籍って出身地のこと?と慣れない言葉につまずく人も多いのではないでしょうか。
この記事では、婚姻届における「住所と本籍」の書き方について説明します。手続きに必要な書類や、知っておくと安心できる注意点まで詳しく解説!これから婚姻届を書く予定のカップルは、ぜひ参考にしてみてください。
婚姻届には住所と本籍を書く場所がある
婚姻届には、住所と本籍を記入する箇所があります。「住所」は、住民票に記載されている場所。「本籍」は、戸籍謄本や住民票内の本籍欄に記載されている場所を指します。
どちらも「現在住んでいる場所」とは異なる可能性があるため、正しく記入するためにも、住民票や戸籍謄本などの書類を準備してから書き始めるのがおすすめです。
もし、婚姻届の提出と同じタイミングで引越し・住民票の変更を計画している場合は、それも可能です。ただし、手続きがややこしくなるため後ほど詳しく解説します。
婚姻届の【住所】の書き方
ここからは、婚姻届における「住所」の書き方について解説します。ポイントをしっかり押さえ、正しく書けるようにしましょう。
記載する内容は住民票の住所と世帯主
婚姻届の住所欄には、住所と世帯主を書く必要があります。それぞれ書類を提出する時点での「住民票に記載されている住所」と「住民票に記載されている世帯主」を記載しましょう。
住所は現住所と違っていたり、今後引越しを予定していたりする場合であっても、書き方は変わりません。必ず住民票を入手し、その通りに記入してください。住民票は、役所で発行してもらうことができます。平日に役所へ足を運ぶことが難しい場合、住民票はコンビニ設置のコピー機でも入手可能です。発行にはマイナンバーカードが必要なので、あわせて準備しておきましょう。
ちなみに、婚姻届の提出とほぼ同じタイミングに新居へ引越しを行い、これから住民票を新居住所に変更するという人は、婚姻届の提出と同時に住所変更(転入手続き)をすることができます。この場合、婚姻届の住所欄は「新しい住所」を記入しておくこと。詳しい内容はこの記事後半の婚姻届と引越、住所変更についてで解説します。
住民票が日本にない場合の書き方
もし、海外駐在などで日本に住民票がないのであれば、海外の滞在先住所を記入してください。アルファベットではなくカタカナで表記します。(参照:上図左)
実家や本籍地、一時帰国したときの住所など、思いあたる住所を適当に記入すると、書類が受理されない可能性があるので要注意。「住所をどのように登録していたか忘れてしまった」という人は、住民票や戸籍をチェックしてみるのが良いでしょう。
国際結婚で夫妻どちらかが外国人の場合の書き方
夫婦のどちらかが外国人である場合「日本で住民票を登録しているかどうか」が、判断ポイントになります。住民票登録がある場合は、届け出ている住所を記入。住民票がない場合は、出身地である国名を記入すればOKです。
記入例は上図の左の通りです。夫がアメリカ人である場合は上記のように「アメリカ合衆国」とだけ記載し、住所や世帯主の氏名は記載しません。
婚姻届の【本籍】の書き方
ここからは、婚姻届における「本籍」の書き方について説明します。
婚姻届で求められる本籍は「現在の本籍」と「婚姻後における夫婦の本籍」の2か所です。各本籍の違いや、詳しい書き方について、それぞれチェックしておきましょう。
「現在の本籍」の調べ方
まず「現在の本籍」について見ていきます。現在の本籍は、戸籍謄本もしくは、本籍が印字された住民票で確認することができます。
どちらでチェックしても構いませんが、もし婚姻届の提出先が本籍地の役所でない場合は、提出時に戸籍謄本が必須となります。さまざまな書類を取り寄せる手間を省くためにも、戸籍謄本で一度にチェックし、そのまま提出書類として使用するのがおすすめです。
戸籍謄本の入手方法
戸籍謄本の入手方法は、役所に足を運んで発行してもらうほか、郵送発行も対応してくれます。以下3通りいずれかの方法で入手しましょう。
- 本籍地のある役所の窓口で入手する
- 郵送で入手する
- 親などの代理人に入手してもらう
それぞれの方法によって、必要書類が異なります。郵送の場合は手元に届くまでに2~3週間かかる場合もありますので、余裕をもって準備しましょう。戸籍謄本の入手方法の詳細については婚姻届の提出に戸籍謄本は必要?不要?入手方法と必要書類、戸籍抄本との違いを解説でさらに詳しく取り扱っています。
「本籍(現在の本籍)」の書き方
「現在の本籍」の書き方と注意点について解説します。
先ほどから説明しているとおり、記入する住所は戸籍謄本に登録されている住所です。「番地・号」も、記載してあるとおりに記入してください。まちがっても「-(ハイフン)」でつなぐ書き方をしないよう注意しましょう。
また「筆頭者」とは、戸籍の最初に書かれている人のことを指します。おもに両親であることが多く、記入の際は漢字に誤りがないよう注意してください。
夫妻どちらかが外国籍の場合、住所と同じく、本籍の欄も「アメリカ合衆国」のように国名のみを記載します。(下図参照)
「婚姻後の新しい本籍」の決め方
つぎに「婚姻後における新しい本籍」の決め方について解説します。「新しい本籍を決める」とは、結婚する二人が新たに戸籍をつくるということです。場所についての決まりはなく、日本の土地台帳にある場所であれば、どこに設定しても構いません。新しい本籍で選ばれることの多い住所には次のようなものがあります。
- 二人の新居
婚姻届を提出する時点での、二人が住んでいる住所(新居)を本籍にするパターン。新生活の拠点でもあり「分かりやすいから」と選ぶ人が多いです。
- どちらかの実家
これから実家に住む予定、もしくは引越しが多いという人が選ぶパターン。証明書の発行が必要なときでも、実家の家族にお願いできるというメリットがあります。
- どちらかの現住所
まだ二人が一緒に住んでいないけれど、実家にするのもイメージと合わない…という人が選ぶパターン。一旦どちらかの住所にしておいて、新居が決まれば同時に新本籍を変更するケースが多い印象です。
- その他の特別な場所
「二人の思い出の地」など、特別な場所を本籍にするパターン。二人でよくデートした場所、初めて旅行した場所などで設定するのもあり。
以上、代表的な4パターンをご紹介しました。最後に、既婚者100名へ実施したアンケート結果もご紹介しておきましょう。
みんなは新しい本籍、どこにした?
先輩カップルのアンケート結果を見ると「どちらかの実家」や「新居」といった生活の拠点を本籍に設定した意見が最も多く寄せられました。「どちらかの現住所」うや「その他」は、今後変更になる可能性や利便性を考えると少数派のようです。
また「その他」を選んだ方は、将来マイホームを建てる場所を想定して「夫の本籍」や「夫の父親の実家」を選んだという回答がありました。
新しい本籍のユニークな選び方や注意点はこの場所もアリ!?婚姻届の新本籍の決め方と記入例つき正しい書き方ガイドで更に詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
「婚姻後の新しい本籍」の書き方
新しい本籍の書き方は、先に説明した本籍(現在の本籍)の書き方と同じです。二人の本籍にする住所を1か所決定し、正しく記入してください。ここでも「番地・号」をハイフンで省略するのはNGです。
また「夫婦の氏」はどちらの姓を名乗るかということ。嫁入り・婿入りの相談をきちんとしたうえでチェックを入れるようにしましょう。
番地、マンション・アパート名の書き方に注意
婚姻届の住所欄を記入するときに間違えやすいのが、番地やマンション・アパート名です。これらの書き方における注意点を説明します。
番地はハイフンを使わずに書くのが基本
番地・号を記入するときは、婚姻届に印字されている形式にそって書きます。決して「-(ハイフン)」で省略してはいけません。
「番地」「番」どちらが正しいのかという点も、住民票でのチェックポイントです。ちなみに、数字は算用数字と漢数字どちらを使用してもOKです。
マンション名やアパート名、号室は住民票のとおりに書く
マンション名やアパート名、部屋番号は、住民票に記載されているとおりに記入してください。マンション名が長くてスペースが足りないという場合は、婚姻届に印字されている「番地・番・号」を一本線で削除し、小さい字で記入するよう心掛けましょう。(参照:上図)
婚姻届と引越、住所変更について
婚姻届の提出と同時期に、引越しを計画しているカップルも多いもの。そんなときに悩むのが、婚姻届の「住所」をどこで設定するのかということです。
いずれにしても「住民票どおりに」という点は変わりません。しかし、どのタイミングで婚姻届を提出するのかによって、記載住所がかわってきます。ここからは、考えられる3つのパターンにおける書き方を説明します。
パターン1.すでに新居で生活しており住民票も変更済みの場合
すでに新居で二人の生活をスタートし、住民票も新居へ変更済みという場合は、婚姻届にも新居の住所を記入します。
ただし、新居生活はスタートしているけれど「住民票変更が完了していない」という場合は、住民票に記載してある住所(以前の住所)を記入すること。どちらにしても「住民票と合わせる」ことが原則です。
パターン2.これから引越しする予定だが、住民票の変更が済んでいない場合
これから新居へ引越し予定で、まだ住民票の変更が済んでいない場合は、引越し前の現住所(住民票の住所)を記入します。流れとしては「婚姻届の提出(現住所)→引越し→住民票変更(新居住所)」です。
住民票の変更は、旧住所の役所で住民票を「転出」させ、発行された「転出証明書」を新住所の役所に「転入」させることで変更できます。手続きに必要な物は、本人確認書類と認印のみ。その他、マイナンバーカードも持参すれば、同時にカード内の登録住所も変更してもらえます。
パターン3.引越しと同時に婚姻届を提出する場合
もし、引越しと同時に婚姻届の提出をするなら、すこし注意が必要です。この場合の流れは「旧住所で転出届を出す→引越し、転入届&婚姻届の提出→新生活スタート」です。
流れを見てもわかるように、あらかじめ転出証明書を入手した状態で引越しをし、役所で転入・婚姻届の提出を同時におこないます。このとき、旧住所での住民票は転出状態にあるため、婚姻届の住所は「新居住所」を記入して提出します。
「1分で振り返る」この記事のまとめ
最後に、今回の記事内容を1分で振り返ってみましょう。
- 婚姻届には「現住所」と「本籍」の2種類を記入するがある
- 「現住所」は住民票の表記通りに書く
- 「本籍」は新居や実家など生活拠点を選ぶ人が多い
- 番地・号をハイフンにする、マンション名を書かないなどの省略はNG
- 引越しと婚姻届の提出時期が重なる場合は要注意
婚姻届の記入には「住民票」が鍵になります。まずは役所で住民票を入手することから始めましょう。慣れないことでも一つずつクリアにしていけば、きっと上手くいくはずです。大切な婚姻届をスムーズに記入し、ドキドキの新生活をスタートさせましょう。
なお、住所や本籍だけではなく婚姻届全体の書き方については【見本&記入例】婚姻届の書き方マニュアル!入籍の必要書類と流れを解説で詳しく紹介しています。ぜひこちらもご覧ください。