目次
「顔合わせ食事会だけを行う時、結納金は必要なの?」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。この記事では次のような内容について解説しています。
- 顔合わせで結納金は必要か、不要か
- お金を贈る場合の金額の相場や渡し方のマナー
結納金や顔合わせ食事会について調べている方は、ぜひ参考にしてくださいね。なお、顔合わせ食事会の全体の流れを理解したいという方は顔合わせの流れとマナーをカンペキ理解!手土産や服装、席順の注意点をご覧ください。
結納金は必要?結納をやらず顔合わせ食事会のみの場合
まずは結納と顔合わせ食事会の実施状況をご紹介します。
近年では結納をやらないカップルが増えており、ゼクシィ結婚トレンド調査2020(首都圏版)によると、約9割のカップルが結納を行っていないことが分かります。
このように、結納をやらずに顔合わせ食事会を行うカップルがほとんどですが、そこで気になるのが結納金です。
ここからは
- 顔合わせ食事会の場合、結納金は必要か
- 結納金を贈るかどうか誰と相談すべきなのか
について解説していきます。
顔合わせ食事会で結納金を贈っても良いの?
結納の代わりに顔合わせ食事会を行う場合、「結納金は顔合わせ食事会で渡して良いの?別の機会を設けたほうが良いの?」と疑問に思う方も多いでしょう。
まずお伝えしたいのが、顔合わせ食事会の場で、新郎家から新婦家へお金を贈ることはあるということです。ただし、呼び名(◯◯金)に注意が必要です。
顔合わせ食事会で渡すお金は「結納金」ではなく「支度金」
結納の場で新郎家から新婦家へ贈られる現金のことを「結納金」と呼ぶのに対し、顔合わせ食事会で渡すお金は「支度金」と呼びましょう。支度金とは、その名の通り嫁入り準備を整えるためのお金です。用途はさまざまですが、結婚式の準備資金に充てられるこが多いようです。
顔合わせ食事会ではこの支度金を贈ることがあります。もし「結納金」として新婦家へお金を贈りたい場合は、正式または略式の結納の儀を執り行うのが正しいということになります。
結納金も支度金も、「結婚式や新生活の準備に充てるお金」として似た意味で使われますが、「結納をするかしないか」で呼び名が異なるため、混同しないよう注意しましょう。
結納金とは、結納の儀で新郎家から新婦家へ贈られる現金のことです。男性が婿入りする場合は、新婦家から新郎家へ贈られます。「これまで立派に育ててくださったお嬢さんをお嫁にもらうこと」への感謝を込めて贈られたのが結納金の由来と言われています。
支度金とは、結納しない場合に新郎家から新婦家へ贈られる現金のことです。「嫁入りの支度に必要な金銭」という意味があり、「結婚の準備金としてお使いください」という想いを込めて贈られるものです。
結納金について詳しくは別の記事で解説します。
顔合わせ食事会は両家の親睦を深める席として設けられます。結納とは違い、式次第のようなものが用意されていません。自分たちの希望次第で、食事だけを共にする場として開催することもあれば、結納に近しいフォーマルな演出を織り交ぜた場にすることもあります。明確なルールがない以上、支度金をその場で渡すことも問題ないと言えます。
「結納をやらない = 結納金(支度金)は不要」ではない!
結納金と支度金、よく混同される2つの呼び名をご紹介しましたが、結納をやらないからといって支度金が不要というわけではないことに注意が必要です。つまり、「結納するか、しないか」と「支度金を贈るか、贈らないか」は全くの別問題なのです。混同しがちですが、「結納の有無」と「支度金の有無」は分けて考えましょう。
結納金(支度金)を贈るかどうかは新郎家で決める
支度金には、結納金と同じく「立派に育ててくださったお嬢さんをお嫁にもらう」という、新婦家への感謝の気持ちが込められています。そのため、支度金を贈るかどうかは、新郎家が決めるのが一般的です。
しかし、最近では親御さんに負担がかかるからと、支度金のやりとりがないケースもあります。まずは結婚する当人同士で支度金を用意するべきか話し合いましょう。その後、それぞれ親御さんの意向を確認することをおすすめします。
「支度金をしっかり渡したい」と考える新郎ご両親もいますが、「お金と引き換えに娘を嫁に行かせたようで、あまりいい気持ちがしない」と考える新婦ご両親もいらっしゃいます。両家が気持ちよくお祝いできるよう、事前に新郎新婦からお互いの両親の意向を確認しておきましょう。
顔合わせで結納金(支度金)を贈るときのマナー
作法が決まっている結納と違い、顔合わせ食事会では「いつ」「どのように」支度金を渡すのが正しいマナーなのか、明確なルールが存在しません。そこで、このパートでは次のポイントを中心に解説します。
- 支度金の準備の仕方
- 支度金の渡し方
- 支度金の受け取り方
両家どちらも知っておきたいマナーですので、しっかりと理解してください。
【新郎側】支度金の準備の仕方
まずは、支度金の準備について解説していきます。
支度金の金額は誰が決める?
支度金の金額は新郎家が決めます。事前に両家で金額をすり合わせる必要はありません。金額の相場は50〜100万円が多いようです。相場感は結納金とほぼ同じです。新郎家の想いを表現するお金ですので、もちろん金額に正解はありませんが目安として相場の金額を知っておきましょう。
支度金はどんな袋に入れるのが正解?
支度金は、のしのついたご祝儀袋に入れてお渡しするのがマナーです。ありふれた封筒ではなく、必ずご祝儀袋等を用意しましょう。なお、ご祝儀袋は必ず風呂敷や袱紗(ふくさ)に包んで持ち運ぶようにしてください。
支度金の水引の選び方やのしの書き方は?
支度金を入れるご祝儀袋の水引は、紅白10本の結びきりを選ぶことをおすすめします。紅白結びきりは繰り返さないお祝い事に用いられる水引であり、すでに結婚が決まっている顔合わせの場面に最適です。また10本の水引である理由は『両人、両家が手を結び合う』という意味を込めることができるためです。
また、のしの表書きは「御支度金」と新郎側の姓のみを記載するのが一般的です。もしも「支度金」は露骨すぎるな、と感じる方は「寿」でも問題ありません。「寿」は、広く喜びの意味があるため使いやすい言葉です。
食事会のどのタイミングで支度金を渡す?
顔合わせで支度金を贈る場合は、食事会の進行をある程度決めておくといいでしょう。おすすめのタイミングは食事の中盤です。初対面の両家の緊張がほぐれ、会話が弾み始めたところで、今後の結婚準備のお金として支度金を渡すタイミングを設けます。
【新郎側】顔合わせ前に支度金を贈ることは伝えておいたほうが良い?
支度金を贈ることは必ず新婦側に伝えておきましょう。支度金は新郎家の想いで贈るお金とはいえ、何も知らずに当日を迎えた新婦家からすれば「事前に知らせて欲しかった」などの心理的なトラブルを生む可能性も考えられます。ただし、先ほど説明したように具体的な金額までお伝えしておく必要はないでしょう。
【新郎側】顔合わせでの支度金の渡し方
続いては、新郎家が把握しておきたい支度金の渡し方について解説します。支度金は結納金に比べると、そこまで格式的なものではありません。しかし、渡し方の簡単な所作を把握しておくだけで、よりフォーマルな結婚の挨拶にできます。
支度金はいつ、誰が渡す?
支度金は、「冒頭の両家の自己紹介後」または「食事会の中盤」のどちらかに渡しましょう。おすすめは和やかなムードで会話が弾みだした食事会の中盤ですが、早く渡しておきたいという場合は自己紹介後でも構いません。尚、支度金は新郎父から新婦父へお渡しするのが一般的です。
渡すときのセリフはどうする?
支度金を渡す際は、次のようなひと言を添えるといいでしょう。
婚約を記念した支度金です。幾久(いくひさ)しくお納めください
「幾久しくお納めください」は結納の場で使われる言葉ですが、顔合わせ食事会も同様で問題ありません。もし堅苦しいムードで渡したくないという場合はシンプルに「どうぞ、支度金をお納めください」でも良いでしょう。
【新婦側】顔合わせでの支度金の受け取り方
ここからは、新婦側が知っておきたい支度金の受け取り方について解説します。
支度金は誰がどう受け取る?
先ほど説明したように支度金は新婦父が代表して受け取りましょう。受け取る際には「ありがとうございます。幾久(いくひさ)しく受けいたします」または「ありがたく頂戴いたします」とひと言添えるのがマナーです。
支度金の受け取りを拒否するのはマナー違反!
たとえ事前に支度金について申し出を受けていなかった場合でも、「受け取れません」とお断りするのはマナー違反だと言われています。新郎家の想いを表現した贈り物ですので、有り難く受け取りましょう。
結婚は新郎新婦お二人だけの問題ではなく、家と家との結びつきです。両家が納得して心からお祝いできるよう、贈る側も受け取る側も事前に支度金のマナーを把握しておくことをおすすめします。
さて、続いては特に新婦側が把握しておきたい「支度金のお礼の仕方」と「支度金の使い方」について解説します。
顔合わせで結納金(支度金)を受け取った場合のお礼の仕方
結納の場合は結納返しという慣習がありますが、顔合わせ食事会で支度金を受け取った場合、新婦側からお礼の品を贈るかどうかは、決まったルールがありません。支度金の名の通り、いただいたお金を結婚準備に使うも良し、返礼品を贈るもよし、新婦家の自由です。
もしお返しを用意したいという方はこのパートで解説する内容を参考にしてください。
お返しの仕方とタイミングは?
支度金のお返しをする場合、支度金の額に応じて返礼の品を用意しましょう。ただし、支度金の金額を事前に把握していない以上、あらかじめ品物を準備しておき顔合わせ食事会の場で贈る必要はありません。後日あらためて品物をお贈りするようにしてください。
お返しの相場はどのくらい?
返礼品の相場は、支度金の1割〜5割程度が妥当と言われています。もし支度金が100万円である場合は10〜50万円ほどの返礼品が目安ということになります。ただし、支度金をそのまま結婚準備の資金に充てられるよう、最近では「お返しはしない」ケースや、相場よりも少額のささやかな品を用意するケースも増えています。
支度金のお返しにおすすめの品3選
ここでは、支度金の返礼品におすすめのアイテムをご紹介します。返礼品は新郎へ向けた贈り物が基本ですので、彼が愛用できる品を選びましょう。
おすすめの返礼品1.スーツ・礼服
結納金や支度金の返礼品として人気が高いのが、新郎のためのスーツや礼服です。上質なテイラーメイドでフルオーダーを仕立てるのはいかがでしょうか。生地や形状にこだわったスーツや礼服は、体型さえ変わらなければ長い間愛用することができます。また、伝統的に結納返しの品には男性の「袴(はかま)」を贈っていたという慣習があり、それを現代に置き換えるとスーツや礼服は最適の品と言えそうですね。
おすすめの返礼品2.腕時計
結納返しの品では定番の腕時計もおすすめです。ブランドによって金額はさまざまですが、30万円以上の予算を考えるならオメガやセイコーなどの腕時計はいかがでしょうか。高品質な腕時計は定期的にオーバーホールしながら一生使うことができるアイテムです。普段高級なものを身に着けないタイプの男性であっても、時計であれば実用的で使いやすいと思います。
おすすめの返礼品3.鞄
3つ目のおすすめ返礼品は、鞄です。働く男性にとっての必需品ともいえるアイテムですが、案外自分自身では高額な鞄は買わないものです。婚約を記念した特別な記念品として、一生使うことのできるような鞄を贈るも素敵です。腕時計のように日常使いできる点も魅力ですね。
ここでは3つの返礼品をご紹介しました。返礼品選びには男性が喜ぶ品を贈るのが一番です。彼の意見も「聞きながら、末永く愛用できる逸品を選んでくださいね。
結納返しについてさらに詳しく知りたい方は結納返し100名調査!選び方と金額は?予算別のおすすめの品10選を紹介をぜひご覧ください。
顔合わせで受け取った結納金(支度金)の使い道
支度金の使い道について悩む方も多いでしょう。ここからは、支度金の使い道について詳しく解説します。
支度金の使い道を決めるのは誰?
支度金の使い道は新婦側で決めます。新婦と両親で話し合って使い道を決めましょう。「使い道について新郎側に相談すべきなの?」と悩む方もいますが、贈ったお金の使い道を決めるのは贈られた側です。新郎側への相談は不要です。
支度金は、一般的に何に使うべき?
使い道は新婦側の判断によって様々ですが、結婚式の資金や新生活の準備資金に使用することが多いようです。このほか「新婚旅行の費用」「将来のための貯蓄」という選択肢もあります。
先ほど「使い道を新郎側に相談する必要はない」と説明しましたが、新郎新婦の二人で結婚資金を拠出している場合、貯蓄額と照らして支度金の一部を挙式代に充てるなどの相談はしても良いでしょう。
支度金を使った結果は新郎側へ報告すべき?
支度金の使い道を「必ず報告しなくてはいけない」という義務はありません。使い道の相談と同じく、使った結果の報告も不要です。ただし、「支度金の使い道を知りたい」という新郎ご両親もいらっしゃるかもしれませんので、そのような場合は使い道の相談や事後の報告を行うのも良いでしょう。
いずれにしても両家の意向を新郎新婦がしっかり汲み取り、不要なトラブルを避けるための調整に気を配ることをおすすめします。
「1分で振り返る」この記事のまとめ
顔合わせに結納金は必要かという点から、渡し方やお返しのマナーについてご紹介しました。記事の内容を簡単にまとめると、ポイントは以下の3点です。
- 顔合わせ食事会で用意するのは「結納金」ではなく「支度金」
- 支度金を贈るかどうかは新郎家が決め、事前に新婦家にも伝えておく
- 支度金の使い道は新婦家が決め、返礼品を贈る場合は支度金の1〜5割が相場
結婚は当人同士だけの問題ではなく、家と家の結びつきと言われます。そこにお金の問題が加わると、思わぬトラブルが生じることもありますので注意が必要です。新郎新婦がそれぞれの両親の意向をしっかり汲み取り、両家が納得のいく顔合わせ食事会や支度金の準備を進めていただきたいと思います。