結婚挨拶の流れとマナーガイド!義理の両親に好印象を与える言葉づかいや振る舞いをシーン別に解説

結婚挨拶の流れとマナーガイド!義理の両親に好印象を与える言葉づかいや振る舞いをシーン別に解説

ふたりで結婚を決めたら次は両家の親への結婚挨拶です。結婚挨拶の流れや大人として押さえておくべきマナー、言葉づかいを理解をし、結婚を認めてもらえるようにしっかり準備しましょう。親あいさつを控えたカップルのためのマナーガイドとしてご覧ください。

目次

  1. 結婚挨拶の流れ
  2. 【事前準備】日程や場所の調整、手土産と服装のマナー
  3. 【本番当日#01】待ち合わせ・到着の流れとマナー
  4. 【本番当日#02】歓談・本題(結婚申し込み)の流れとマナー
  5. 【本番当日#03】食事やお酒のマナー
  6. 【本番当日#04】言葉づかいのマナー
  7. 【本番当日#05】おいとま・退店の流れとマナー
  8. 【結婚挨拶の事後】お礼のマナー
  9. 要注意!言わないほうが無難な話題や即答を避けたほうが良い質問
  10. 「1分で振り返る」この記事のまとめ

結婚挨拶はだれしも初めての経験です。どうしても緊張や不安はありますよね?

実は親の立場も同じです。大切な娘、息子のパートナーを迎える結婚挨拶ではいろんな不安があります。「とにかく安心できる相手かどうか知りたい」というのが親御さんの本音のはず。

親へ挨拶する新郎新婦
結婚挨拶では『ご両親の安心』が1番大切

そんな結婚挨拶でのあなたの第一印象を左右するのは大人としてのマナーや振る舞いです。ご両親の自宅へ訪問するのかレストランなどで外食するのかによってもマナーが異なってきます。

そこで今回は、結婚挨拶にまつわるシーンごとに押さえておきたいマナーを解説します。大人としての適切なマナーや振る舞いを学び、結婚挨拶を成功させてくださいね。

この記事でお伝えしたいこと
  • 結婚挨拶の流れは「事前準備」「当日」「事後」の3つを押さえよう
  • 実家と外食とではそれぞれのシーンにふさわしいマナーがある
  • 結婚挨拶の場にふさわしくない話題や質問でこそあなたのマナー力が試される

これから解説する結婚挨拶全体の流れや基本的なマナーをしっかり理解しておけば、このような失敗を避けることができます。ぜひ一緒に学んでいきましょう。

結婚挨拶の流れ

まずはじめに、結婚挨拶のおおまかな流れと、シーンごとのマナーのポイントを確認しておきましょう。

結婚挨拶に悩むカップル

1.事前準備をする

結婚挨拶の準備はご両親との日程調整から始まります。ご両親の都合や希望を聞いた上でスケジュールを調整しましょう。

挨拶の日程が決まったら、その他の事前準備を整えます。結婚挨拶にふさわしい『服装』を準備し、『手土産』を選びます。また、もし結婚挨拶の場が外食である場合は、お店の手配などもおふたり主導で進めるようにします。おふたりの今後のスケジュールをすり合わせておくことも結婚挨拶の大切な準備のひとつです。結婚式準備や新居、また働き方などについても事前によく話し合っておきましょう。

なお、結婚挨拶は一般的に、先に彼女側のご両親へ挨拶に行くのがマナーです。くれぐれも順序を間違えないように気をつけてください。

2.本番当日にのぞむ

いよいよ結婚挨拶当日。緊張を少しでもほぐすためには、事前シミュレーションが大切です。ご両親に対面したときから、本題の結婚挨拶、そしておいとまするまでの当日の流れをふたりで話し合っておきましょう。

事前にご両親の性格や好みの話題などを情報交換して、当日和やかになるムード作りの準備も忘れずに!

3.事後のお礼をする

結婚挨拶は、当日おいとまして終わりではありません。電話やメールで感謝の気持ちを伝えたり、後日お礼状を出したりするとより好印象を残すことができます。

お礼状を予定している場合は、事前におおよその中身を考えておくことをおすすめします。結婚挨拶が終わってから準備をすると、時間が掛かりタイミングを逃してしまう可能性がありますので注意してください。

【事前準備】日程や場所の調整、手土産と服装のマナー

結婚挨拶の事前準備は、結婚挨拶を成功に導く土台作りです。日程調整の仕方や事前準備から、あなたのマナーや人柄は義理のご両親にも伝わるもの。当日を成功させるためには、準備段階から手を抜かないことが大切です。

ここでは、結婚挨拶当日までに準備しておくことについて確認していきましょう。

日程調整

結婚挨拶の日程を決めるときには、まずご両親の都合をリサーチするところからスタートします。何日か都合の良い日をピックアップしてもらったら、次はおふたりのスケジュールを調整します。

日程を確定するときには、できれば2週間から1か月程度の余裕を持って決めると良いでしょう。なぜなら結婚挨拶に伺うときには、ご両親は家に向か入れる準備があり、おふたりは服装選びや手土産の用意、また事前に話し合っておくべきこともあるからです。お互いの準備に時間が必要だからこそ、日程は余裕を持って決めるようにしてください。

場所の調整

次に結婚挨拶をどこでするのかを決めましょう。

場所は実家に伺ってもよいか確認

結婚挨拶は、一般的にご両親がお住まいの実家で行われることが多いです。しかし、これはあくまでも“一般的な慣習”だということに注意が必要です。

ご両親によっては、準備の手間やおふたりが住んでいる場所から実家までの距離を考慮し、実家を選ばれない場合もあります。その場合は、外食をするという選択肢も。そのためまずは、結婚挨拶で実家に伺ってもよいかを確認します。

外食の場合はこちらでお店を手配してよいかを確認する

もし外食を希望された場合は、おふたりがホスト役となり、お店の手配をしてご両親をおもてなししましょう。ご両親が外食を希望なさった場合は、おふたりがお店を手配してもOKかを確認。その上で、おふたり主導でお店を選びます。

外食場所を決めるときのポイント

結婚挨拶にふさわしいお店は、落ち着いてゆっくり話ができる料亭やレストランが人気。個室なら気兼ねなく会話を楽しむこともでき、眺めの良い庭園や、景色のきれいな高層階のお部屋は、その景色が会話のきっかけにもなります。

また、時間帯やお店のジャンルもご両親に確認するようにします。一般的に結婚挨拶で多いのは、ランチの時間帯で和食が人気。ゆっくりと食事や会話を楽しめるようコース料理を選択するのがおすすめです。

外食場所は両親が決めると言われたら?

結婚挨拶で初めましての場合はもちろん、すでに面識のある場合は「お祝いも兼ねて」と外食を申し出てくださるご両親もいらっしゃいます。そのときは「お店はこちらで手配しておくからね」という流れになることも。この場合は、お言葉に甘えてお店の手配をお願いしましょう。

結婚挨拶の当日に「本日はお店の手配などをしていただき、ありがとうございました。」とお礼を伝えるのを忘れないようにしてくださいね。

手土産の準備

続いては手土産についてです。

結婚挨拶には、手土産を持参するのがマナー。せっかく渡すのであれば、ご両親が喜んでいただけるものがいいですよね。必ず相手のご両親の好みをリサーチします。結婚挨拶の手土産として定番であり最も人気があるのは、洋菓子や和菓子。ほかにはお酒好きのご両親へお酒やワインを選ぶカップルも多いようです。

手土産の相場は、3,000~5,000円程度が良いでしょう。これ以上安価になると、カジュアルな印象になってしまい、逆にこれ以上高価になると相手のご両親に気を使わせてしまうからです。また、手土産を選ぶときには、相手方の家の近隣で購入しないこと。来るついでに購入してきたような印象になるだけではなく、価格が分かってしまうこともあるので注意しましょう。

手土産の選び方や渡し方のマナーについては結婚挨拶の手土産を成功させる!親世代が本当に嬉しかった品物とは?でさらに詳しく解説しています。こちらもぜひご覧ください。

服装の準備

服装選びも親あいさつの大切なポイント

結婚挨拶に着ていく服装は、自分の好みやトレンドを意識するのではなく、ご両親目線で考えることが大切です。男性なら『清潔感』、女性は『清楚』や『上品』なイメージになるよう、服装だけではなくヘアメイクやアクセサリーをチョイスします。

女性におすすめの定番の服装といえば、スカートやワンピース。スカートの丈は、ひざ下がベストです。膝上のタイトスカートだと、座ったときに裾が上がってしまうので避けるようにしましょう。また、メイクは控えめでナチュラルに。アクセサリーは上品な印象を与えるパール系がおすすめです。

男性は、スーツを選んでおけば間違いありません。なかにはジャケパン姿を選ぶ方もいるようですが、結婚を申し込むフォーマルな挨拶の場ですので、スーツがおすすめです。

挨拶内容や話題の準備

結婚挨拶の話題に悩むカップル
当日の話題は事前に考えておく

結婚挨拶前には、パートナーと事前にお互いの両親の情報交換や、ふたりの意見統一を図っておくことも大切な準備のひとつ。「事前に何も聞かされずに当日を迎えた」なんてことがないよう、ご両親へもパートナーの情報を伝えて当日を迎えるようにしましょう。

また、結婚挨拶当日の参加人数についても事前に確認を。ご両親だけなのか、ご兄弟も一緒なのか。さらにはおじいちゃん、おばあちゃんや親族など大勢で待っているのかも事前にわかっていると心づもりできますからね。

ご両親は、我が子がどんなパートナーを紹介してくれるのか、楽しみでもあり不安でもあります。少しでもご両親の不安を取り除くために、特に以下の3つは事前に伝えておくようにしましょう。

①パートナーの年齢や職業

まずはパートナーのパーソナルな部分である、年齢や職業など。

我が子の結婚を嬉しくも心配に思うのは「結婚したあと、ちゃんとふたりでやっていけるのかしら?」という部分。年齢や職業、それに社会的地位を聞いたうえで安心材料になることも。場合によっては、パートナーの年齢や職業を事前に伝えたときに不安があるような言葉を漏らすご両親もいらっしゃいます。その場合は、結婚挨拶でどう伝えれば安心に変えられるのかを考えておく必要があります。

②出身地

ご両親の中には、パートナーの出身地を気になさる方も少なくありません。

それは、出身地によって習慣や価値観に相違がある場合が多いからです。特に、結婚式準備は地域による習慣の違いが大きく出ることもあります。これからの結婚式準備をはじめ、両家がお付き合いしていく中で、習慣や価値観の違いを事前に知っておきたいというご両親の気持ちを察しておくことも大切な準備のひとつです。

③家族構成

結婚は、おふたりだけではなくご両家のご家族にとって、新しい絆を結ぶ儀式です。新しい家族がどんな家族構成なのか、相手ご家族の年齢や職業などパーソナルな情報も事前に伝えておいてあげると、安心なさるご両親も多いようです。ご両親同士で共通の趣味があると、結婚挨拶や顔合わせのときに話が盛り上がるきっかけになりますよ!

ふたりで共有しておくべきご両親の3つの情報

親について情報交換するカップル
二人で情報交換をしておこう

言うまでもなく、結婚挨拶に伺うおふたりもまた、ご両親のことを知っておくべきですね。また、結婚挨拶当日のお互いの緊張感を少しでも和らげるためには、相手のご両親のことを知っておき、適切な話題を選んでコミュニケーションをとることも大切です。

具体的には次の3つは必ずおさえておきましょう。

①ご両親の性格

「礼儀に厳しい!」「怖そうに見えて、実は緊張しているだけで優しい」「口数は少ないのは、人見知りなだけ」など、事前にご両親の性格を知っておくことは、当日スムーズに会話するコツでもあります。

「もしかしたら怒っているの?」などよからぬ疑念は、いつものあなたであれば当然のようにできているはずの挨拶ができなかったり、うっかりマナーを間違えてしまったりといった失敗を招く原因になります。実の両親の性格を、事前に出来るかぎり細かくパートナーに伝えてあげましょう。

②結婚を伝えたときの反応

結婚したいことを伝えたときのご両親の反応も共有しておきたいポイントです。なぜなら、その時の反応は、おふたりの結婚に対するご両親の感情がストレートに出ているからです。例えば次のような反応はいずれも両親の率直な感情がよく表れています。

  • 「よかったね!いつ紹介してくれるの!?」と心から喜んでくれた
  • 「結婚式はいつするの?」とさっそく結婚式にも乗り気だった
  • 「ふたりでやっていけるの?」など第一声が心配の言葉だった
  • 「どんな人と結婚するの?」と相手のことをとても気にしている様子だった

楽しみなことは、もっと楽しみにしてもらえるように事前に計画を。不安なことは、安心に変えられるよう、ふたりで話し合っておきましょう。

③結婚挨拶で避けておくべき話題

宗教問題や政治のこと、学歴や生い立ちなど、ご両親によっては触れられたくない話題がある場合もあります。

結婚挨拶のとき、知らずに触れてしまって「急にその場の空気が悪くなってしまった」とういのは決して珍しい話ではありません。せっかくのそれまでの準備が、台無しになってしまう可能性もあります。もしご両親にとって触れられたくない話題がある場合は必ず事前にパートナーと共有しておくようにしましょう。

事前準備について、理解いただけたでしょうか?すごく大変な印象を持つかもしれませんが、大人としては当たり前のマナーばかりですので準備段階で落ち着いて整理しておくようにしましょう。

続いては、いよいよ本番当日。流れをシミュレーションしながら読み進めてください。

【本番当日#01】待ち合わせ・到着の流れとマナー

結婚挨拶のマナーは、待ち合わせや到着の段階からはじまっています。挨拶や立ち居振る舞いなど注意しておきたいポイントがたくさん!

ここでは、結婚挨拶当日の第一印象を好印象で残すべく、挨拶や立ち居振る舞いのポイントも解説していきます。また、ご両親の自宅ではなく外食になった場合の対処方法も解説していきます。待ち合わせや到着については、義理のご両親の実家へ訪問する場合と、外食する場合とで対応が異なります。

以下、自宅と外食のそれぞれのケースについて解説していきます。

待ち合わせについて

実家訪問の場合

自身の実家に訪問の場合でも、まずは最寄りの駅など外で待ち合わせて一緒に訪問をするようにしましょう。待ち合わせをせず、ひとりは実家で待つという場合、訪問したパートナーひとりで玄関先の挨拶を乗り切るのは大きな負担になってしまいます。ファーストコンタクトをスムーズに進めるためにも必ず外で待ち合わせ、2人揃って実家を訪問しましょう。

続いて、到着時刻についてです。普段、ビジネスやプライベートでは「約束時間の5分前」などを心がけている人も多いと思います。しかし、結婚挨拶においては迎える側の準備が確実に整っているであろう時間の『約束の時間ちょうど』もしくは『2~3分遅れ』で到着するようにしましょう。

そして忘れてはならないのが、インターホンを押す前の身だしなみの最終チェック!髪の乱れや服の汚れ、女性ならメイクが崩れていないかも鏡でチェックしましょう。スマホの電源がオフもしくはマナーモードになっているのかもお忘れなく。また、冬の場合は、インターホンを押す前にコートを脱いでおくのもマナーのひとつです。

外食の場合

外食の場合、待ち合わせ場所はお店の前もしくは、最寄り駅などわかりやすいところを選びましょう。外食の場合に限っては、おふたりはホストです。待ち合わせには、おふたり揃ってご両親よりも必ず先に到着しておくよう心がけてください。

もしくは、自身の両親と別の場所で待ち合わせをし、お店に出向くという方法でもOKです。待ち合わせ場所に向かう道中、何気ない会話をしながらご両親の緊張をほぐしてあげてくださいね。

入室のマナー(実家の場合)

いよいよインターホンを押して、パートナーのご両親と対面です。

玄関口での挨拶マナー

玄関先での挨拶は、立ち話にもなるので、ここは簡単な挨拶で構いません。部屋に通していただいたあと、改めて丁寧な自己紹介を行います。挨拶のきっかけは、彼女の実家なら、彼が進んで挨拶を。彼の実家の場合は、彼女が率先して挨拶するのは控えましょう。彼の「この前、話していた◯◯さんだよ」という振りを入れてもらってから、彼女は挨拶するようにします。

(男性から彼女の両親への挨拶例)

はじめまして。◯◯さんとお付き合いさせていただいております□□と申します。本日は、お時間を作ってくださりありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。

靴の脱ぎ方

ここで注意したいのが、靴の脱ぎ方です。ポイントは、ご両親にお尻を向けるような向きで靴を脱がないようにすること。

  1. 「お邪魔します」とひとこと発し、出迎えるご両親と対面になるように玄関を背にして上がる
  2. スリッパをはく
  3. ご両親にお尻を向けないよう身体を斜めにしてしゃがみ込み、靴のかかとが部屋の中の方に向くように整える

という流れになります。

着座するときの座る位置

入室の際には、座る場所にも注意しましょう。ポイントは、上座や下座の位置を確認すること。入り口に近いほうが下座、奥になるほど上座となります。

和室と洋室の上座の違い

和室と洋室では上座と下座の考え方が異なります。和室の場合は床の間があればその前が上座に、洋室の場合はソファなどの長椅子が上座となりますので注意しましょう。

ご両親からは「こちらにどうぞ」と上座を進められるケースがほとんど。ですが、ここは素直に受け取るのではなく、「いえ、今日はご挨拶に伺ったので、こちらで結構です」と丁重にお断りし、下座に座りましょう。

座ったら、ここで改めて自己紹介を忘れずに。

(着座後の自己紹介の例文)

◯◯さんとお付き合いさせていただいております□□です。本日はおいそがしい中、お時間をとっていただきありがとうございます。

手土産は入室してから渡す

そしてここで手土産を渡しましょう。渡すときには、必ず紙袋から取り出して渡すのが正しいマナーです。

◯◯さんのお母さまが、和菓子がお好きだと伺いましたので

私の地元の銘菓です。とても美味しいと話題になっているので、ぜひ皆さんでお召し上がりください

など、ひと言添えてお渡しすると好印象です。

ちなみに「お口に合うかどうかわかりませんが」は、NGワード。謙遜したように聞こえるこのフレーズですが「喜ぶかどうかわからないものを持ってきたの?」など誤解を受けるケースも。手土産にひと言添える場合は、前向きなフレーズが好印象の秘訣です。

入室のマナー(外食の場合)

個室の場合の入室の順番

相手のご両親が到着されたら、まずは自己紹介を。正式な自己紹介はお店に入ってからになるので、ここは名前を名乗る程度の簡単な自己紹介で構いません。

個室に入るときは、ご両親が先に入っていただくよう誘導し、おふたりは最後に入るのがマナーです。

また、手土産は着席する前にご両親にお渡ししましょう。実家で手土産を渡す場合は、紙袋から出して渡すのがマナーですが、外食の場合は異なるので注意!持ち帰ることを考え、手土産は紙袋のままお渡しします。「紙袋のまま失礼します」というひと言を添えるのを忘れないようにしてくださいね。

座る位置

結婚挨拶を外食で行う場合にも、上座や下座を意識した座る位置を意識しましょう。

実家の例と同様、床の間があるような和室の場合は、部屋の奥の床の間に近い場所が上座。そして出入口にいちばん近い席が下座となります。一方、椅子を使うような洋室の場合も同じく、部屋のいちばん奥の席が上座になり、出入り口に近いほど下座になります。

部屋にご両親を通す場合には「いちばん奥の席にどうぞ」とひと声掛け、ご両親が座る場所を迷わないようにエスコートしてあげてください。

両親の上着や荷物の置き場所

ご両親が上着や荷物をお持ちの場合は、率先してお預かりするようにしましょう。そのためには、事前にクロークの有無や荷物の置き場所、ジャケットを掛けて置けるスペースがあるのか確認しておくと当日スマートに動けますね。

注文のタイミング

結婚挨拶の場合、料理を注文するタイミングなどを気にしなくて良いようにコース料理を注文しておくことが望ましいです。ご両親の好みやアレルギーなどを事前にリサーチして、予約を入れておきましょう。もしもご両親の希望でアラカルトでの注文を予定している場合は、入室後自己紹介を終えてから、メニューを選ぶようにします。

一方、ご両親がレストランを手配してくださった場合は、メニュー内容や予算はお任せするのがマナーです。

アラカルトでメニューを決めるときも、もちろんご両親の希望を先に伺ったあとに、ふたりのメニューをオーダーします。繰り返しになりますが、結婚挨拶ではおふたりがホストで、ご両親はゲストです。お忙しい中、時間を作ってくださったことへの感謝の気持ちを表すべく、順番や座る場所などご両親優先で進めるようにしましょう。

【本番当日#02】歓談・本題(結婚申し込み)の流れとマナー

入室をして自己紹介を終えたら、ひとまずはその場の空気を和やかにするために雑談をします。雑談前はお互い緊張の中にあるため、いきなり本題の結婚申し込みをお伝えるするのは避けるのがベター。

何気ない雑談を挟んで、その場の雰囲気をほぐすところからスタートしましょう。

そしてお互いの緊張がほぐれたところで本題を切り出すのがおすすめ。雑談の中では、ご両親の聞きたいことや気にしているようなことは出来るだけ汲み取り、誠実に答えるよう心がけましょう。

まずは歓談して場のムードをやわらげよう

緊張しすぎて無言になってしまったり、ご両親の発言を待つばかりでは大人の振る舞いとしてはNG。お互いが話しやすい空気にするためには、事前に雑談の“ネタ準備”をしておくと安心ですよ。

結婚挨拶の雑談におすすめのネタは次のようなものから選ぶと良いでしょう。

自分のこと

仕事内容/趣味/特技/学生時代のクラブ活動/小さい頃の思い出/家族のエピソードなど

ご両親のこと

仕事内容/趣味/特技/休日の過ごし方/パートナーの小さい頃の思い出/ご兄弟のエピソードなど

入室してすぐは、まだ相手のことが分からずお互い戸惑っている状態です。こうしてお互いが自己紹介を兼ねたネタで話ができると、緊張をほぐすだけではなく、自身の人となりを伝えるきっかけにもなります。

自己紹介では紹介しきれなかった話を雑談で掘り下げることで、あなたの人となりを伝えることができます。

本題を切り出すのは男性から

雑談によってその場の雰囲気が和やかになってきたら、いよいよ結婚挨拶の本題に入ります。ここは結婚の意思を伝える大切な場面。姿勢を正し、ご両親の目をみてはっきりとした言葉で伝えるよう心がけましょう。

和室の場合は、座っていた座布団を外して、畳に直接正座をします。洋室の場合は、椅子もしくはソファから立ち挨拶をするのがマナーです。ただし、相手が恐縮してしまう様子であれば座布団を外したり、立ち上がっての挨拶は不要です。

ご両親に気持ちよく話を聞いてもらえることが大切ですので、相手にとって過度なマナーと受け取られる場合は控えるようにしてください。

本題の切り出し方の例

本日は、◯◯さんとの結婚をお許しいただきたくご挨拶に参りました。◯◯さんのことは、この先一生大切にしていきたいと思っています。結婚をお許しいただけませんでしょうか?よろしくお願いいたします。

◯◯さんとはお付き合いさせていただいて□年になります。先日プロポーズをしまして、◯◯さんから結婚の承諾をもらいました。一生を掛けて◯◯さんを幸せにします。ぜひ結婚をさせてください。よろしくお願いいたします。

結婚挨拶の中では『結婚をさせて欲しい』『彼女のことを必ず幸せにします』この2つのキーワードは必須です。

ひと昔前の結婚挨拶といえば『娘さんをお嫁にください!』というフレーズも聞かれましたね。ですが、昨今のマナーとしてはこのフレーズはNG。「ください」というフレーズが「大切な娘を“モノ”のように扱っている」と思われるご両親もいらっしゃるからです。注意しましょう。

本題の切り出し方に自信がないという男性は結婚挨拶の切り出し方はこれ!義父を攻略して結婚承諾をゲットしよう!もぜひご覧ください。

両親からの質問は誠実に答えよう

結婚を認めるかどうかの返事の前に、ご両親からさまざまな質問を投げかけられることもよくあります。事前のリサーチや結婚挨拶当日の会話の内容を踏まえ、ご両親が気にしている点を汲み取りしつつ、あなたの言葉で誠実に答えるよう心がけましょう。

「それで、結婚は認めてもらえるのか??」といった焦る気持ちがあったとしても、そこはグッと堪えてください。ご両親の疑問や不安を解消しない限り、結婚の承諾はあり得ません。

あるいは、結婚を認めてもらったあとのご両親からの質問のなかには、今後の結婚準備に関する話題が出てくるケースもあります。これからの結婚準備の中で、特にご両親が気にしやすい点をいくつかご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

両家顔合わせの日程

両家の両親に挨拶を済ませ、双方から結婚承諾を得られたとなったら、次は結納もしくは両家顔合わせの食事会です。この顔合わせに関する質問や話題は、結婚挨拶の場面でも非常によく出てきます。

結納や顔合わせは、地域によって習慣が違っています。「かしこまった結納はせず、食事会だけでOK」というご両親もいれば、「結納は絶対!」とおっしゃるご両親も。質問の内容によっては即答を控え、ご両家ご両親それぞれの意向を確認するところからはじめましょう。

結婚式の準備

お二人の挙式に関してもご両親が気になる話題のひとつです。結婚式はご両親にとっても一大イベントということですね。

「結婚式とはこうあってほしい」という理想は、おふたりと同じくご両親もお持ちのはず。結婚式準備をふたりだけでどんどん進めると後に大きなトラブルになる可能性もあります。必ずご両親の意向も反映するよう考慮しましょう。

まずは、結婚式を『いつ』『どこで』『どのくらいの規模で』行うのかを相談するところからはじめてください。

そのほか、まだ決めていない内容に関する質問や答えづらい質問があった場合は、ごまかさず正直に伝えることが大切。「まだ決めていなんです。」「ご相談させていただいてもよろしいでしょうか?」というように対応すると良いでしょう。

ご両親からの質問には、まだ決めきれていないことや、ふたりだけではわからないこともあります。そんなときは「相談させて欲しい」と、丁寧な姿勢を心がけるとご両親にも好印象です。

【本番当日#03】食事やお酒のマナー

結婚挨拶で食事を伴うときには、合わせて食事マナーもおさえておきたいところ。堅苦しい礼儀作法は必要ありませんが、大人として適切な振る舞いは間違えないよう注意が必要です。

また、誤解されているケースがありますが、「遠慮」=「マナー」ではありません。ときにはお言葉に甘えて応じることも大切です。シーン別にポイントを解説します。

実家でお茶やお菓子をすすめられたときの応対マナー

部屋に通していただいて着席すると、多くの場合はお茶やお菓子を出してくださいます。ここで注意したいのが、手元に運ばれてきたからといって、すぐに手を付けないこと。お父さま、もしくはお母さまから「どうぞ」と声が掛かってからいただくようにしましょう。

またその際には「ありがとうございます。いただきます。」とひと言添えましょう。そんな些細なひと言も、普段なら自然と言えるはずなのに、緊張のあまり言い忘れてしまう失敗談が多数あります。注意しておきましょう。

実家やレストランでお酒をすすめられたときの応対マナー

その場の空気を和ませようと、ご両親の中には結婚挨拶での食事の際、お酒をすすめてくださるケースも少なくありません。ここは「大切なときだから」と無理にお断りするのではなく、ご両親の配慮に感謝しながら、酔ってしまわない程度にいただくようにしましょう。

とはいえ、結婚挨拶の場面です。普段なら問題ない量でも、緊張のあまり少量で酔いが回ってしまうことも…。お酒の量は最小限度に抑えておく方が賢明です。

外食での食事マナー(和食編)

食事をする人と楽しく過ごすためには、箸の持ち方や食べ方など食事マナーも心得ておきたいポイント。ここでは、和食に関する食事マナーの一部をご紹介します。

おしぼりの正しい使い道

おしぼりは、手を拭くために使うもの。手以外を拭く方も見かけますが、マナー違反なので注意しましょう。右手で取り上げ、左手に持ち替えます。そして両手を拭いたあとに、拭いた部分を内側に畳んでテーブルに置くのが正しいマナーです。

正しい箸の使い方を出来ていますか?

外食した場合は、割り箸を使用することも多くなります。割り箸は、膝の上で上下にして割ること。割った箸はいったん箸置きに置いてから、再度手に取ります。手に取るときには、右手で箸の中央を持ち上げ、左手で下から支えます。そして右手を少し右側に滑らせ正しい位置に移動します。また、迷い箸やにぎり箸、ねぶり箸といった箸使いの基本的なNGマナーも一通り頭に入れておいてください。

手皿はNG!

箸で料理を口元に運ぶときに、無意識に手皿をしていませんか?一見上品に見えるこの仕草、実は食事マナーとしてはNGなんです。和食では、小皿に関しては手に取って食べてもマナー違反にはなりません。気になる場合は、お皿を手に取っていただきましょう。

続いて洋食編です。

外食での食事マナー(洋食)

続いてご紹介するのは、結婚挨拶で洋食のレストランに行く時に心得て欲しい食事マナーです。

ナイフとフォークは外側から

ナイフとフォークは、料理ごとに外側から使うのがマナーです。食事のマナーとしてよく語られるため、ご存知の方も多いと思います。食事が終わるたびに、お皿に乗せておけば、サービスの方が一緒に下げてくださいます。ちなみに、上側にセットされている小さ目のフォークやスプーンは、デザート用です。

「食事中です」「下げてください」のサイン

ナイフやフォークを置く場所によって、食事中なのか食べ終わっているのかを伝えることができます。食事中の場合は、ナイフとフォークを“ハ”の字に。そして食べ終わっている場合はナイフとフォークを揃えてお皿の右側に置くようにしましょう。

左から食べる

魚や肉料理を召し上がるときには、基本的に左側から食べるのがマナー。左から食べると、フォークの動きがスマートだからです。ただし、左利きの場合は、右側からでもOKです。

お互いが気分よく美味しく食事をいただくために、基本的な食事のマナーを心得ておくことは欠かせません。もしあなたが基本的なマナーを満足にできていないと、両親の注意がその点ばかりに行ってしまい、あなたの全体的な印象が悪くなってしまうということもあります。結婚挨拶の食事場所が決まったら、必ず料理のジャンルに合わせたマナーを確認しておきましょう。

お酒を飲んでいるときにも気配りを忘れずに!

ご両親と一緒にお酒を飲んでいるときには、グラスの減り具合に注意を配ることを忘れないようにしましょう。残りが少なくなったら、適時に声掛けを。お酌をしたり、追加オーダーする場合は、おふたりのどちらかが注文を入れます。

トイレの離席は何度までOK?タバコの離席は?

トイレはできるだけ実家の訪問や外食をする前に済ませておくようにしましょう。途中で席を立ってしまうと、話の腰を折ってしまう可能性があるからです。

とはいえ、タイミングを逃してしまったり、どうしても途中で行きたくなってしまうこともありますよね。1~2回は許容範囲です。「失礼致します」と声を掛けてから離席します。

ではタバコはどうでしょうか?喫煙者のタバコは、吸った後の匂いも残りますので下げる方がベター。結婚挨拶中だけではなく、結婚挨拶前も控えるようにした方が良いでしょう。タバコに関する考え方はひとそれぞれです。もしあなたが喫煙者である場合は、義理の両親の考え方をパートナーに確認しておくと良いでしょう。

お茶やお酒、そして食事のとり方は、あなたの日常が垣間見える瞬間でご両親もチェックしがちな部分です。また、結婚が正式に決まったら、ご親族への挨拶や顔合わせなどこれまでにはないフォーマルなシーンでの食事をする機会が増えてきます。結婚挨拶を機会に、正しい食事マナーを習得しておきましょう。

【本番当日#04】言葉づかいのマナー

言葉づかいは、その人の「心」や「品格」を表すバロメーター。ちょっとした使い方の違いで、あなたの印象を大きく変えてしまいます。結婚挨拶でのポイントは、つねに義理のご両親やパートナーへの敬意を持っておくこと。そうすれば、失礼に当たるような言葉づかいは防ぐことができるはずです。

両親やパートナーの呼び方

まず注意したいのが、パートナーやご両親の呼び方です。パートナーは、普段あだ名で呼び合っていたとしても、結婚挨拶の場所では『◯◯さん』と丁寧に呼ぶのがマナー。また、ご両親の呼び方も初対面の場合は『◯◯さんのお父さま/お母さま』と、パートナーの名前のあとに“お父さま”や“お母さま”を付けて呼ぶようにします。

結婚挨拶のタイミングは、まだ結婚承諾をいただいていない段階です。最初から「お義父さん」「お義母さん」と呼ぶのは、馴れ馴れしいしい印象を与えてしまうため避けるようにしてください。

結婚を決めた理由とその表現

結婚挨拶では、ご両親から「どうして結婚を決めたの?」と聞かれることも少なくありません。

ここで大切なことは「転勤が決まったから」「子どもが出来たから」など、外的要因を理由にしないこと。「仕方なしに結婚を決めた」と取られてしまい、印象が悪くなってしまいます。

結婚を決めた理由は「◯◯さんとずっと一緒にいたかったから」「幸せにしてあげたいと思ったから」と、あくまでも自分の意志を持って結婚を決めたと答えるように注意しましょう。

結婚挨拶のためにせっかく服装を揃えて、事前に入念な準備をしても、ちょっとした言葉づかいのミスで、ご両親からの印象がとても悪くなってしまう可能性があります。繰り返しになりますが、大切なことはご両親やパートナーへの敬意。その心がけが、正しい言葉づかいへと繋がります。

【本番当日#05】おいとま・退店の流れとマナー

結婚挨拶を無事済ませ、おいとまのタイミングになったら、必ずおふたりから申し出るようにしましょう。基本的にはおいとまは彼から切り出します。これは、彼女が彼の実家に訪れた場合も同じ。ご両親から「そろそろ帰った方が良いんじゃないの?」とは言いにくいですからね。また外食の際には、スマートに退店できるよう流れをシミュレーションしておきましょう。

実家と外食、それぞれのおいとまのポイントについて説明していきます。

実家の場合のおいとまのマナー

結婚挨拶で実家にお邪魔したときの滞在時間は、2時間程度を目安にしておきましょう。雑談から結婚挨拶を済ませて、一息ついたところで、彼から申し出るようにしてください。

【おいとまを切り出す例文1】

今日はお時間を頂戴しましてありがとうございました。そろそろ失礼させていただきます。

おいとまのときは、洋室ならまず自分の座っていた椅子を整えてから、和室なら座布団を外してから挨拶をします。挨拶の中には、お時間を作ってくださったことへのお礼を必ず含めるようにしましょう。

【おいとまを切り出す例文2】

今日は結婚をお許しいただきありがとうございました。今後については、ふたりで話し合いたい思っていますが、◯◯さんのお父さまやお母さまにも色々相談することもあると思います。そのときはご指導よろしくお願いします。

おいとまの挨拶と合わせて、今後のことも触れておくのも良いでしょう。むしろ「相談させてください」という言葉は、“一緒に結婚準備をしてください”という印象にもつながり、ご両親からも喜ばれることが多いです。

ご挨拶のあと、おいとまするときには、ひとまずふたりで一緒に家を出るようにします。見送りも兼ねて、結婚挨拶の振り返りや今後のことについて軽く話をしておきましょう。

外食の場合の退店のマナー

外食をした場合は、コース料理であればデザートやコーヒーをいただき、話題が尽きたころを見計らって、退店を切り出すようにします。実家のおいとまと同じく、退店も彼から切り出すようにします。ただし、お店の手配をご両親がしてくださった場合は、ご両親からの退店の申し出を待つようにします。

全員が立ち上がったタイミングで

今日はお時間を作ってくださりありがとうございました。これからどうぞよろしくお願いいたします。

など、改めてお礼を伝えることを忘れないでください。お礼を伝えた後は、最初にお預かりしていたご両親のコートなどをお渡しして退出します。

続いては、外食をしたときのお会計の流れです。

あなたがお店を予約した場合のお会計

基本的に支払いは、おふたり側が負担します。支払うタイミングは、食事の終わりごろトイレのために離席したタイミングがさりげなくてベスト。男性が済ませる方がスマートでしょう。

もしご両親から支払いの申し出があったとしても、お店の手配をおふたりがしている場合は、一旦はお断りをいれます。ですが「いえ、今回は私たちの方で支払うわ」と申し出てくださった場合は、お言葉に甘えてご馳走になっても構いません。かたくなな遠慮はときに失礼にあたりますので注意してください。

「ありがとうございます。ご馳走様です。」と今回お支払いいただくことへのお礼を伝えましょう。

義理の両親がお店を予約した場合のお会計

ご両親がお店の手配をしてくださったとしても、基本的にはおふたりが支払うようにするのが一般的です。退店が近づいたら、彼から支払いを申し出るようにしましょう。

ですが、ご両親が手配されたレストランの場合、ご両親がお支払いをされることが多いもの。そのときには、丁寧に「今日はお時間を作っていただいた上に、美味しい食事までご馳走になりありがとうございました。」と、お時間を作っていただいたこと、そしてご馳走になったことへのお礼を伝えましょう。

「次は私が美味しいお店をリサーチしておきますので、招待させてください。」など、今後のお付き合いにつながるようなひと言を添えると、ご両親も喜んでいただけますよ。

外食の場合のお見送りのマナー

外食時のお見送りは、店の前でお別れするのではなく、ご両親の交通手段に応じて、必要な場所までお見送りをするのがマナーです。

車の場合のお見送り

ご両親が車でお越しの場合は、駐車場までお見送りをしましょう。駐車料金が発生している場合は、おふたりが負担します。ご両親が車で出発準備をしている間に、済ませるようにします。

電車やバスの場合のお見送り

最寄り駅やバス停までお見送りします。5分以上歩かせてしまう場合は、タクシーを利用する方が丁寧です。

タクシーの場合のお見送り

タクシーを利用される場合は、タクシーに乗車して出発するまで見送りましょう。そこで気になるのがタクシー料金の支払い。できればご両親に負担させるのではなく、おふたりが支払うのがスマートです。

多くのタクシー会社は降車時に支払いをします。一方ハイヤーやタクシーチケットであれば後払い(おふたり払い)も可能に。今後、結婚式でゲストにハイヤーやタクシーチケットを手配することになる可能性もあります。インターネットで手配できますので、これを機会に段取りを確認しておきましょう。

外食の場合、ご両親を見送るまでが“結婚挨拶”です。最後まで好印象を残すためには、見送り方にも細心の注意を払いましょう。

【結婚挨拶の事後】お礼のマナー

結婚挨拶が無事に終わり、ひと安心。と言いたいところですが、最後に事後のお礼のマナーも忘れないようにしましょう。

基本は当日の帰宅後に電話でお礼

結婚挨拶の当日、帰宅したら電話でお礼を伝えましょう。ご両親の貴重な時間をいただき、自宅へお邪魔したり外食の場に足を運んでもらった感謝を示すのがスマートな大人の振る舞いです。また、結婚を承諾してもらった場合は「これからよろしくお願いいたします」というひと言を添えることも忘れないでくださいね。

外食がディナーであった場合など、帰宅時間が夜遅くなってしまったら翌日のお電話でも構いません。

何度も面識がある場合は、LINEやメールでもOK

ご両親とこれまで何度も面識があり、LINEやメールでやりとりする間柄である場合は、そうした方法でお礼をお伝えするのも良いでしょう。ただし、結婚挨拶に限っては普段とは別物、と考えている方もいるかもしれませんので、相手に応じて適切に判断するようにしてください。

最善を尽くすならばお礼状を送る

最も丁寧なお礼の伝え方は、手書きのお礼状をお送りすることです。昨今ではお礼状を送る方が少なくなってきましたが、結婚挨拶という人生の節目において、ましてや結婚を承諾していただいた場合においては、お礼状をお送りするという慣習があることを知っておくと良いでしょう。

格式張りすぎて相手を恐縮させすぎては本末転倒ですが、お礼状をもらって腹を立てるご両親はまずいません。心を尽くしてお礼を伝えたい方は手書きのお礼状を検討してみてはいかがでしょうか?

結婚挨拶から何週間も経って届いたのでは効果も薄くなります。どんなに遅くとも結婚挨拶から3日以内には発送するようにしてくださいね。

お礼状については【コピペOK】結婚挨拶のお礼状で使える例文とLINEや手紙の書き方マナーでさらに詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

要注意!言わないほうが無難な話題や即答を避けたほうが良い質問

話の内容によっては、相手と意見が対立してしまう可能性があるものも。これから家族になる人ではあるものの、必ずしも価値観が同じだとは限りません。

以下のようなネタは、結婚挨拶で避ける方が賢明です。

政治や宗教に関する信条

とてもデリケートな話で、意見が対立すると険悪なムードになってしまい、かつ和解が難しいネタです。政治や宗教にまつわる話は、結婚挨拶では避けておいた方が良いでしょう。

ギャンブルやタバコなどに関する話題

ギャンブルやタバコを趣味のように思う人もいれば、「賭け事だなんて!」とマイナスに思っている方も少なくありません。価値観の相違により、歩み寄りが難しいネタでもあります。ギャンブルやタバコについても、結婚挨拶では話題にしない方が良いですね。

あまりに生々しいふたりのケンカ話

結婚挨拶では、パートナーのことを悪く言ったり、ネタにするような話は避けるようにします。またおふたりの過去のケンカ話も、ご両親には心配の元。「これからふたりで大丈夫なのかしら?」と不安に感じさせてしまうかも。

結婚挨拶は、ご両親にとって嬉しくもあり、心配な側面もあります。結婚挨拶の場では、ご両親が不安になるような話は避けましょう。

過去の女性遍歴、男性遍歴

結婚挨拶では、パートナーの過去の異性遍歴をネタにするのもNG。例えおふたりにとっては過去の話として笑い話になることも、ご両親にとっては不安の種に。結婚挨拶では、あくまでもふたりに関わるこれまでのこと。そしてこれからのことを中心に話をしましょう。

その他、即答を避けた方が良い質問

結婚挨拶の場では、さまざまな話題がでる中で、場合によっては即答を避けたほうが良い話もあります。

「まだ考えてなくて……」と、言葉を濁しておいた方が良いこともあります。一例として次のような話題があります。

結納や挙式など両家の意見をもとに決める可能性がある話題

結納や結婚式の準備など、ご両家のご両親の意見を伺ってから決める方が良いものに関しては、結婚挨拶では“決定事項”として即答をしない方が賢明です。必ずおふたりが間に入って、両家の意見を織り交ぜながら話を進めるようにします。

また結婚挨拶の時点では、まだ結婚式準備を進めないようにするのも大切なポイント。式場の情報を調べたり、見学くらいなら問題ありませんが、正式な申込はご両家のご両親から結婚の承諾を得てからということをお忘れなく。

出産や育児など、まだふたりの間で意見が合致していない話題

女性の社会進出が進み、さまざまな選択肢も増えつつある中、出産や育児について、特に女性にとってはデリケートな問題です。いつ、どんな計画を立てるのかは、ひとそれぞれ。ご両親の思いもありますが、おふたりのペースもあり、価値観の相違が浮き彫りになりやすい話題です。

結婚挨拶では、無理に思いを言葉にしなくてもOKです。「これからふたりで相談していきたいと思っています。」と見守っていただきたい気持ちをそっと伝えておきましょう。

同居や介護など、現時点ではあなたの考えが定まっていない将来に関する話題

同居や介護、それにおふたりの将来については、ご両親とおふたりの意見の調整が難しい話題です。結婚挨拶の段階で、安易に確定的な答えをしてしまうと、ご両親に期待や落胆をさせてしまう可能性もあります。両家での話し合いが必要になる話題でもありますので、結婚挨拶では即答を避ける方が良いでしょう。

このように対応に注意が必要な話題があることは頭に入れておきましょう。

結婚挨拶の場ですから、ご両親の気持ちを思うと「できれば今、答えた方が良いのかな?」と思う話題もあるかもしれません。ですが、おふたりの話し合いも済んでいない状態で安易に答えてしまうと、のちに大きなトラブルに発展してしまう可能性も。

結婚挨拶では、全ての質問に「YES」か「NO」で答える必要はありません。敢えて「少し考えるお時間をいただけたら嬉しいです」と即答を避けるほうが賢明な話題もあります。くれぐれも注意しておきましょう。

「1分で振り返る」この記事のまとめ

今回は結婚挨拶の流れやマナーについて解説してきました。最後に、今回の記事の概要を簡単におさらいしておきましょう。

記事のまとめ
  • 結婚挨拶の流れは「事前準備」「本番当日」「事後のお礼」の3ステップ
  • 事前準備が当日の成否を分ける
  • 本番当日のマナーは事前に理解しておく
  • 忘れがちな事後のお礼を欠かさずに

おふたりの結婚を誰よりも楽しみにしてくれているご両親。だからこそ不安な気持ちを抱えているもの。そんな不安を安心に変えるためにも、結婚挨拶は事前準備が大切です。

結婚挨拶の流れやマナー、大人として適切な言葉づかいや振る舞いをしっかり予習し、ぜひ結婚挨拶を成功させてくださいね。

なお、結婚挨拶のための服装や手土産の準備、当日の流れと基本マナーをまとめて理解したいという方は結婚挨拶はじめてガイド!手土産、服装、流れとマナーはこれで完ぺきもぜひご覧ください。

この記事を書いた人
mutuko
専門式場からゲストハウス、レストランなど約10年間のプランナー経験の中で、約500組の新郎新婦さまを担当させていただきました。「他の人とは違った結婚式がしたい!」「結婚式費用を節約したい!」「式場ではない場所で結婚式を挙げたい」「彼と結婚式準備でケンカしちゃって」結婚式準備は悲喜こもごも。たくさんの結婚式をサポートさせていただいた経験を活かして、読者のみなさまにためになる情報を発信していきたいと思っています。