【ケース別】結婚の手続き「男性版」会社への申請や住所変更まで解説

【ケース別】結婚の手続き「男性版」会社への申請や住所変更まで解説

男性に向けて、結婚の際に必要な手続きをまとめました。一般的に結婚後の手続きは女性の方が多いものですが、だからといって男性に手続きが不要ということではありません。結婚後に男性が行う必要がある手続きについて解説します。

目次

  1. 男性も絶対に必要!会社への手続き
  2. いつまでに行うべき?住所が変わる場合に必要な手続き
  3. 苗字が変わる場合に必要な手続き
  4. 「1分で振り返る」この記事のまとめ

女性に向けた「結婚後に必要な手続き」をまとめた記事はたくさんあるのに、男性向けの解説はなかなか見当たりませんよね。それもそのはず、結婚後に必要になる手続きは、苗字や住所が変わる場合に行わなければいけないものが多いからです。

では、男性は何もしなくてもいいかと言うと、そういうわけではありません。この記事では、結婚したら男性も必ず行うべき手続きから、引っ越した場合、苗字が変わった場合まで、ケースごとに必要な手続きを解説します。

男性も絶対に必要!会社への手続き

どんな男性も結婚に伴い、行う必要があるのが会社への申請です。下記の3つのケースごとに必要な手続きを解説します。

会社への必要な手続き
  • 現在の会社で働き続ける場合
  • 妻が扶養に入る場合
  • 転職する場合

結婚後も現在の会社で働き続ける場合

結婚しても同じ会社で働く場合は、以下の届出を行い、結婚に伴って変わった内容を報告する必要があります。

身上変更申請書(結婚届)

結婚や引越しなど、私生活に変更があった際に提出が必要となる会社が多いです。もし、苗字が変わるのであれば、姓変更の書類提出が必要な場合もあります。会社によっては、提出が不要な場合もあるため、まず総務などに相談しましょう。

住所変更届・通勤手当区間変更届

結婚に伴って、引っ越した場合は、会社に新しい住所や定期の区間を申請しましょう。申請をしないと、通勤手当を不正受給してしまうか、増額分を支給してもらえないことになります。

住宅手当・住宅補助

会社によっては、賃貸への引っ越しや新居の購入に伴い、補助を受けられる制度があります。世帯主でないと補助が受けられない場合もあるため、夫が利用条件や申請方法を確認し、手続きをするようにしましょう。

慶弔申請

福利厚生でお祝い金を支給してくれる会社もあります。手続き方法は会社によるため、申請方法を確認しましょう。

妻が扶養に入る場合

扶養には「税法上の扶養」と「社会保険上の扶養」の2種類があります。妻が結婚を機に転職・退職する場合、夫の扶養に入れることで、下記の2つのメリットを受けられます。

メリット
  • 夫の所得税・住民税が安くなる(税法上の扶養)
  • 妻の社会保険料が無料になる(社会保険上の扶養)

税法上で扶養するためには、夫が年末調整の際に「給与所得者の扶養控除等の(異動)申告」を記入するか、確定申告で妻の氏名等を申告する必要があります。

社会保険上の扶養に入れる場合は、「被扶養者(異動)届 第3号被保険者関係届」に記入することで健康保険と年金の両方の手続きを行えます。扶養者になる事実が発生した日から5日以内に提出しなければなりません。

【手続きできる場所】引越し先の役所
【必要なもの】
  • 被扶養者(異動)届 第3号被保険者関係届
  • 収入が確認できる書類(雇用保険受給資格証、離職票、直近の確定申告書のコピーなど)
  • 被保険者と被扶養者の続柄が確認できる書類(被扶養者の戸籍謄(抄)本、婚姻届受理証明書など)

転職する場合

転職先が決まっている場合と、決まっていない場合で手続きが異なります。順に見ていきましょう。

転職先が決まっている場合

転職先が決まっている場合は、社会保険や税金納付は、転職先の会社が手続きをしてくれます。よって、退職する会社に提出した以下の書類を返却してもらうようにしましょう。

返却してもらう書類
  • 離職票
  • 雇用保険被保険者証
  • 源泉徴収票
  • 年金手帳

他にも提出したものがあれば、併せて返却してもらいましょう。そうすると、退職する会社と何度もやりとりをしなくて済みます。転職先に提出が必要なものや、提出の方法については、会社によって異なるため、事前に確認しておくといいですよ。

転職先が決まっておらず、離職期間がある場合

転職先が決まるまでの間、妻の扶養に入る場合は、基準を満たしているかを確認します。扶養に入れる人は、申請後の1年間の収入見込みが130万円未満の人です。申請後の収入が年間130万円以上になりそうな場合は、扶養には入れないため、転職先が決まるまでの間以下の手続きを行っておきましょう。

失業手当

仕事を辞めるまでの2年の間に、12ヶ月間以上雇用保険に加入していれば、失業手当を受け取れます。管轄のハローワークで求職申し込みをした後に以下の書類を提出しましょう。ハローワークから失業の認定を受けないと手当はもらえないため、注意が必要です。

【手続きできる場所】管轄のハローワーク
【必要なもの】
  • 離職票
  • 本人確認書類
  • 証明写真2枚
  • 通帳
健康保険

任意継続被保険者制度を使えば、退職後も今まで加入していた健康保険を利用できます。しかし、保険料は全額を自己負担することになります。また、この制度は再就職などの理由以外では、2年間やめられないため、利用するかは慎重に検討すべきでしょう。なお、今までの健康保険を継続するのではなく、国民健康保険に切り替えることもできます。

任意継続被保険者制度
【手続きできる場所】
  • 健康保険組合事務所
  • 居住地を管轄する全国健康保険協会
  • 全国健康保険協会の都道府県支部
【必要なもの】
  • 健康保険任意継続被保険者資格取得申請書
  • 退職日が確認できる書類(健康保険被保険者資格喪失証明書、離職票など)
【期限】退職の翌日から20日以内に手続きが必要
国民健康保険
【手続きできる場所】国民健康保険住民がある役所
【必要なもの】

  • 職場の健康保険等をやめた証明書
  • 本人確認書類
  • マイナンバーカード(個人番号カード)
【期限】退職後14日以内に手続きが必要
国民年金

退職の翌日から14日以内に、加入の手続きをしましょう。

【手続きできる場所】住民票のある役所
【必要なもの】
  • 健康保険被保険者資格喪失証明書・退職証明書・離職票など
  • マイナンバー(世帯主と本人)
  • 本人確認書類
その他税金(住民税や所得税)

在職中は給与から天引きで住民税を納税していたため、役所に支払いに行く必要はありませんでした。しかし、退職後は未納分の住民税を、自治体から送られてくる「納税通知書」を使って自分で支払わなければなりません。滞納しないように支払いましょう。

年末までに再就職しなかった場合は、上記に加えて、確定申告も行う必要があります。確定申告には源泉徴収票が必要です。なお、年内に転職先が決まった場合、確定申告は不要ですが、源泉徴収票は転職先に提出する必要があるため、大切に保管しておきましょう。

いつまでに行うべき?住所が変わる場合に必要な手続き

結婚を機に引っ越す場合は、次の8つの手続きが必要です。14日〜15日以内に手続きを行わなければいけないものが多いため、必要書類を揃え、期限内に手続きを行いましょう。

転出入届

異なる市町村に引っ越す場合は「転出届」と「転入届」、同じ市町村内に引っ越す場合は「転居届」を提出する必要があります。引っ越す前の14日以内に転出届を提出して「転出証明書」をもらわないと、引越し先の役所に転入届を出すことができません。転入届は、新居に住み始めた日から14日以内に必ず提出しましょう。

「転居届」も同様に、引越しから14日以内に提出する必要があるため、期限をすぎないように気をつけましょう。

運転免許証の変更

身分証明書として使えるため、優先的に手続きをするのがおすすめです。

【手続きできる場所】
  • 警察署
  • 運転免許センター
  • 運転免許試験場の窓口
【必要なもの】
  • 運転免許証
  • 住民票の写し(新しい本籍氏名記載のもの)

健康保険証の変更

勤務先が変わらない場合は、健康保険証の住所を書きかえるだけでかまいません。結婚を機に転職・退職し、国民健康保険に加入する場合は、先に述べたとおり14日以内に変更の手続きが必要になります。

マイナンバーカード氏名・住所変更

苗字や住所が変わる場合は、14日以内に手続きが必要です。

【手続きできる場所】住民票のある役所
【必要なもの】新しい苗字や住所が記載された住民票

印鑑登録

印鑑登録をしたハンコは実印と呼ばれ、住宅ローンを組むときなどに必要となります。今後実印を使う機会が増えるため、印鑑登録をしていない場合は事前に登録しておくのがおすすめです。すでにこれまで住んでいた市区町村の役所で印鑑登録をしていた場合でも廃止手続きは不要です。

転出届の手続きや、登録している印鑑の苗字と実際の苗字が別になると自動的に失効するため、引越し先の市区町村で新たに印鑑登録を行いましょう。苗字が変わらない場合や名前のみの印鑑を登録していた場合は、引越し前に登録していた印鑑を引き続き登録できます。

【手続きできる場所】住民票がある役所
【必要なもの】本人確認書類(新しい印鑑)

各種保険の氏名・住所・受取人変更

インターネットや担当者に連絡するなどの方法で、変更手続きを行います。また、住所や苗字の変更だけでなく、受取人も確認しておきましょう。大概の場合、独身時は受取人が親になっているため、このタイミングで受取人を妻に変更しておくのがベストです。

自動車変更登録

引越しから15日以内に手続きが必要です。引っ越し前に管轄の警察署で「自動車保管場所証明書」を取得したうえで手続きを行いましょう。

【手続きできる場所】
  • 運輸支局
  • 自動車検査登録事務所
    ※軽自動車の場合は、軽自動車検査協会事務所
【必要なもの】
  • 自動車検査証
  • 住民票(住所変更の場合)
  • 戸籍謄本(氏名変更の場合)
  • 自動車保管場所証明書
  • 印鑑
  • 自動車税、自動車取得税申告書
  • ナンバープレート(管轄が変わる場合は変更するため)

クレジットカード氏名・住所変更

カード会社から必要書類を取り寄せ郵送、もしくはインターネットで手続きを行いましょう。結婚で苗字が変わる場合は、銀行口座の名義変更と同じタイミングで変更をしておかないと、銀行口座からの引き落としができない恐れがあります

苗字が変わる場合に必要な手続き

苗字が変わった場合に必要な手続きは以下の2つです。

銀行口座氏名・届出印変更

苗字が変わる場合は、銀行口座の名義変更や届け出印の変更を行わなければなりません。名義変更をしていないと、給料が振り込まれない恐れや、キャッシュカードを紛失した際などに手続きがスムーズにできなくなるため、身分証明書の手続きが完了したら、優先的に手続きをしましょう

【​​必要なもの】
  • 通帳
  • キャッシュカード
  • 本人確認書類
  • 旧姓の届け出印
  • 新姓の届け出印 

パスポート

パスポートには住所の記入欄がないため、住所のみが変わる場合は手続きの必要はありません。苗字や本籍の都道府県が変更になった場合のみ手続きを行いましょう。なお、パスポートの変更方法は、2種類あります。

記載事項変更申請氏名などの記載事項を変更する
【かかる費用】6,000円
切替申請現在のパスポートを返納し、新たなパスポートに切り替える
【かかる費用】有効期限10年:16,000円
有効期限5年:11,000円

パスポートの残りの有効期限に応じて、どちらの手続きをするかを決めるといいでしょう。

【手続きできる場所】住民登録をしている都道府県のパスポート窓口
【必要なもの】
  • 使用中のパスポート
  • 証明写真(縦4.5cm×横3.5cm)
  • 手数料
  • 戸籍謄(抄)本(婚姻届受理証明書)

「1分で振り返る」この記事のまとめ

結婚に伴い、必要となる男性の手続きについて解説しました。手続きを行ううえで押さえておくポイントは次の3つです。

記事のまとめ
  • 住所や苗字が変わらずとも、会社への報告・申請は必要
  • それ以外の手続きは、住所や苗字が変わる場合に必要
  • 各種手続きの中には、期限が5〜20日以内のものもあるので、注意が必要

こういった手続きは複雑でややこしく感じてしまいがちですが、期限も決まっているため、あまり悠長にしていられません。インターネットで下調べをしたり、事前に問い合わせたりしてスムーズに進めましょう。