愛する人との結婚。新しい生活を思うと、ワクワクしますよね。一方でお金に関して悩む方も少なくありません。
「結婚するにはどれくらい費用がかかるんだろう…」
「いくら資金があれば間に合うの?」
そんな疑問を持つ方に向けて、今回は結婚費用の総額や内訳、必要な資金などを解説します。結婚費用を必要最小限に抑える節約のポイントもまとめているので、ぜひ参考にしてください。
結婚にかかる費用と内訳
結婚をするとなると、結婚式を挙げる費用を含めて大きな出費があることは、皆さんご存知のことと思います。
しかし、どんな費用がどれくらいかかるのかは、意外と把握できていないのではないでしょうか? そこで、まずは結婚に際してかかる費用と、その内訳を見ていきましょう。
費用総額
はじめに、結婚でかかる平均費用は以下のとおりです。
【結納・婚約~新婚旅行にまつわる金額 平均額】
全国(推計値):356.8万円
こうした結婚にかかる費用の総額は様々な要因で上下し、中には500万円以上かかったというカップルもいます。 なぜ、結婚費用はこんなにも高額なのでしょうか?以下に内訳をまとめましたので、参考までにご覧ください。
結納式の費用
婚約後、まず発生するのが結納式を行うための費用です。平均額は以下のとおりです。
【結納・婚約~新婚旅行までにかかった費用 項目別】
結納式の費用: 18.4万円
両家顔合わせの費用:6.4万円
結納と両家の顔合わせを両方行う場合は、25万円近い費用がかかっています。
そんな中、最近は結納式をせず、顔合わせ食事会を開くだけで済ませるカップルが増えているようです。 顔合わせ食事会だけを実施する場合は、平均で約6万円まで費用を抑えることができます。
両親の意見を伺う必要はありますが、可能であれば結納式を省略することで、費用負担を大きく減らせることでしょう。
会場費用
結婚式場を借りたり、飾り付けたりするための費用です。 式場の規模や予約時期によって変わりますが、およそ60名で挙げると仮定した場合の費用は以下のとおりです。
【結婚式費用の内訳/ゲスト60~69名の場合(平均)】
- 挙式会場費用・・・約19万8,000円
- 披露宴会場費用・・・約33万2,000円 合計:約53万円
費用負担を減らしたい場合は、挙式または披露宴のどちらかに絞るのがおすすめです。 特に披露宴会場を借りる場合の費用が高額なので、結婚費用を大幅に節約したい場合、挙式のみの結婚式にすると良いでしょう。
おもてなし費用
ゲストに出す料理や飲み物にかかる費用です。ウエディングケーキの費用も含まれています。費用はメニューや招待人数によって変わり、平均額は以下のとおりです。
- 料理と飲み物の総額(全国推計値):85.4万円
- 1人あたりの料理+飲み物費用の合計(全国推計値):19.9千円
1人あたり平均2万円、平均で85万円ほどかかります。 料理や飲み物は、質と量を考えて選ぶことが大切です。充分な質と量であれば、手頃な料金の料理を選んでも、ゲストに満足感を与えられます。予算を決めて、そこから美味しいと思った料理や飲み物を選べば、もてなし費用を抑えることができるでしょう。
ただし、ゲストの多くが料理や飲み物を楽しみにしていることから、もてなし費用を節約するカップルはあまりいないようです。それどころか、1人あたりのもてなし費用は年々増加傾向にあると言われています。
衣装代
新郎新婦の衣装やアクセサリーにかかる費用です。購入するのか、それともレンタルするのかによって費用に差が出ますが、平均額は以下のとおりです。
- 新郎の衣裳総額/全国(推計値):15.9万円
- 新婦の衣裳総額/全国(推計値):45.8万円
平均すると新郎の衣装に約16万円、新婦の衣装に約46万円かかります。
新婦の衣装にかかる費用の負担が大きいので、節約したい場合は新婦の衣装選びに気を付けると良いでしょう。特にブライダルアクセサリーを手作りする方法は、衣装代を大幅に抑えられるのでおすすめです。
写真代
結婚式当日の写真撮影にかかる費用です。相場額は以下のとおりです。
- スナップ写真:20.9万円(全国)
- ビデオやDVD撮影:20.0万円(全国)
平均で約21万円ほどかかります。 式当日の様子を動画で残したいカップルも多く、その場合は追加でビデオ・DVDの撮影費用20万円がかかってきます。
写真や動画の撮影は断ることもできるため、結婚費用を節約したい場合はプロのカメラマンではなく、家族や友人に撮影をお願いすると良いでしょう。
ただし、やはりプロと素人では撮影される写真・動画のクオリティが段違いであることから、プロに頼まなかったことを後悔する先輩花嫁さんは多いようです。当日の様子を美しく残しておきたい場合は、せめて写真撮影だけでもプロに依頼することをおすすめします。
旅行費用
新婚旅行に行くための費用です。北海道や沖縄などの国内に行くのか、それともハワイやグアムのような海外に行くのかによって費用は変わりますが、平均額は以下のとおりです。
【お土産代を除く 2 人分の旅行費用/全国(推計値) 】
- 2019年:61.4万円
- 2021年:29.9万円
コロナ禍前で移動等の制限のなかった2019年調査では、平均で約61万円ほどかかっていることがわかります。
対してコロナ禍の2021年調査では、国内旅行で済ませるカップルが増えたため、費用の平均額が2019年とくらべて半分以下となっています。
この金額にはお土産代が含まれていないので、家族や友人にお土産を買う場合、さらに費用負担は増えます。旅行費用は、旅行日数を減らす、海外ではなく国内旅行にする、パッケージツアーを利用するなどの方法で安く抑えることが可能です。
結婚資金はどれくらい必要?
以上から、結婚にはとても大きな費用がかかることが分かりました。 「これだけのお金を2人で用意するのは厳しい…」 そんな不安を抱いた方もいると思いますが、ご安心ください。
結婚費用の一部には、ご祝儀や親、親族からの援助をあてるケースがほとんどです。新郎新婦が2人だけですべてを負担することは、基本的にないと考えて良いでしょう。 ご祝儀の総額平均および親・親戚からの援助額平均は以下のとおりです。
- 親・親族からの援助総額(全国平均): 179.0万円
- ご祝儀総額(全国平均):176.8万円
一般的に、ご祝儀の総額は平均約177万円、親や親族からの援助は平均179万円と言われています。
新郎新婦に必要な資金は、結婚費用からこうしたご祝儀・援助金を差し引いた金額になります。新生活にかかる費用も踏まえて考えると、2人で200万円ほどの貯金を用意しておけると安心です。
結婚費用を支払うタイミングは?
結婚費用について、併せて気になるのが支払いのタイミングです。結婚費用はまとめて支払うのではなく、費用によって支払いのタイミングが異なります。 以下に、どのタイミングで費用の支払いが生じるかをまとめましたのでご覧ください。
結婚が決まったタイミング
結婚が決まったタイミングで、早々に必要になるのが次の費用です。
- 結納式や顔合わせの費用
- 婚約指輪の購入費用
最近では婚約指輪を買わず、結婚指輪だけを購入するカップルが増えています。その場合、 用意するのは結納式や顔合わせに必要な費用のみになります。
結納式や顔合わせの費用は、以前は両家の両親が負担するのが主流でしたが、最近では新郎新婦がすべて支払うのが基本のようです。予想外の出費に慌てないよう、事前に両親に確認しておくと良いでしょう。
結婚式場が決まったタイミング
一般的には、結婚式場が決まったタイミングで会場への予約金を支払います。 予約金の金額は式場によって大きな差があり、5万〜30万円が相場です。
残りの費用は後日、結婚式の前後に支払うことになります。 支払い方法は銀行振込が一般的で、式場によってはクレジットカード払いに対応しています。
いづれにしても、その場で即決することができますが、焦って契約してしまう失敗例が多いので、慎重に検討しましょう。
結婚式直前
ブライダルアイテムやギフトなど、式で使うものの準備費用は結婚式直前のタイミングで支払います。
また、結婚式場によってはもてなし費用などを、事前に支払う必要があります。 前払いの場合、予約金を除く会場費用を支払うのもこのタイミングです。
一般的に、結婚式の1週間前を期限に設定している式場が多いと言われています。
結婚式当日
結婚式当日には受付や司会を務めた友人へのお礼、ゲストへのお車代などを支払います。追加のドリンクを注文した場合は、その費用も加算されます。金額が変動する可能性が考えられるので、余裕を持って準備しておきましょう。
結婚式場によっては、会場費用の残金を当日支払うケースもあります。会場費用の残金は簡単に用意できる金額ではないので、事前にしっかりと確認しておきましょう。
結婚式後
結婚式が終わっても、その後は次の費用がかかります。
- 新婚旅行の費用
- 2人での生活にかかる生活費
- 会場費用の残り(後払いの場合)
新婚旅行の費用と会場費用の残りは大きな出費になるため、慌てないように準備しておきましょう。
生活費は、1回あたりの支払い金額こそ少ないものの、今後長く、継続的に支払い続けていく費用であるため、夫婦2人の収入を考慮し、計画的に使っていかなければなりません。
結婚資金はいつから貯金し始めるべきか
「必要な資金の目安は分かったけど、いつ頃から貯金を始めれば良いのかな?」 そんな疑問を持った方がいるかもしれません。 貯金を始める時期は、カップルの収入や普段の生活にかかる費用との兼ね合いがあるため「このタイミングから」と一概に断言できません。
まずは目標の貯金額と結婚する時期を決めて、そこから足りない分を計算し、毎月少しずつ貯金していきましょう。
例えば1年後に挙式予定、目標貯金額200万円(現在の貯金額100万円)と想定した場合を考えてみましょう。
100万円÷残り12カ月=8.33… 月の貯金目標額:約8万4,000円 |
この時に算出した1カ月の貯金額が、収入面を考慮した時に現実的ではないと感じた場合、結婚の時期をずらしたり、結婚費用を抑えたりと工夫しましょう。同時に、新郎新婦がそれぞれどれくらい負担するか、その割合も決めておくとベターです。
万が一どうしても資金が足りない場合は、ブライダルローンを利用するのも1つの手です。ブライダルローンを利用するかどうか、いざという時を考えて話し合っておきましょう。
結婚費用を安く抑えるポイントは?
資金に余裕がなかったり、結婚後の生活を考えたりなどの理由で、結婚費用を節約するカップルもいます。そこで最後に、少しでも結婚費用を抑えたい方に向けてポイントを解説していきます。
結婚式場の費用がリーズナブルな時期を選ぶ
結婚式の開催が盛んになる時期、つまり結婚式場にとっての繁忙期は、式場を借りるための費用が他の時期に比べて高額になりがちです。
逆に言えば、繁忙期を避ければリーズナブルに、結婚式場を借りられるということです。 結婚式場の費用がリーズナブルな時期として、1〜2月や年末が挙げられます。冬は寒く過ごしにくいですし、年末は何かと忙しい時期なので、避けられる傾向にあるようです。
また、カップルの多くは「大安」の日を選んで結婚式を挙げることから、大安以外の日を選ぶことで、費用を抑えられる結婚式場もあります。 結婚費用を抑えたい方は、式を挙げる時期を気にしてみましょう。
小規模な結婚式にする
近年増えているのが、家族や親戚のみを招待する小規模な家族婚です。特に新型コロナウイルス感染症の流行後に、家族婚を希望するカップルが増加したと言われています。
家族婚はゲストとして招く人数が少ないため、大規模な結婚式よりもてなし費用を抑えることができます。ご祝儀の金額も減りますが、それでも結婚費用を安く抑えるという観点から見るとおすすめのスタイルです。
ゲストに気を遣わず、リラックスして過ごせる点も家族婚のメリットとされています。 他には、式を挙げず写真を撮るだけにして費用を抑えるカップルもいるようです。
小物類を自作する
ウェルカムボードや招待状などは、結婚式場に頼むと費用が高額になりがちです。そんな小物類を自作することで、結婚費用を大幅に抑えることができます。
最近では小物類を自作するカップルが増えていることから、ブライダルショップや手芸用品店で、ブライダルアイテムを手作りできるキットが販売されています。ぜひチャレンジしてみてください。
自作が不安だという方は結婚式場ではなく、リーズナブルな別の専門業者に小物類の制作を依頼するのも1つの方法です。
「1分で振り返る」この記事のまとめ
今回は結婚費用の総額や内訳、必要な資金、節約のポイントなどを解説しました。 大事なポイントをおさらいしましょう!
- 結婚にかかる費用の総額は平均で300万〜400万円ほど
- 結納式をする、新婚旅行で海外に行くなど、場合によっては500万円を超えることがある
- 結婚費用は新郎新婦2人だけで負担するわけではなく、ご祝儀や親、親戚からの援助金を一部あてる
- 結婚式を挙げる時期と収入を考慮し、2人で200万円ほどの貯金を準備しておくと安心
- 式を挙げる時期や結婚式スタイルを変えることで、結婚費用を抑えることができる
幸せな結婚式を前に、お金のことで不安になるのは避けたいですよね。事前にしっかりと準備をしておけば、お金に関する不安を抱くことなく、安心して結婚式当日を迎えられます。
この記事を参考にパートナーとよく話し合い、今後の資金計画を立ててください。