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両家が初めて揃う顔合わせ食事会。その中で挨拶をするとなると、「どんなことを話せばいいのかわからない・・・」という方も多いと思います。ただ、顔合わせの中での挨拶は、実は回数もそこまで多くなく、長い挨拶をする必要もないので、あまり緊張する必要はありません。
今回は、今まで多くの結婚式を担当してきたウェディングのプロが、顔合わせで緊張しない方法や、挨拶の例文をご紹介します。これから顔合わせを控えている人は、ぜひチェックしてみてください。
顔合わせの挨拶役は事前に決めておこう
両家が初めて揃う緊張感のある場で挨拶役が決まっていないと、変な間ができて微妙な空気でスタートしてしまう可能性があります。スムーズに進めるためには、事前に挨拶役を決めておくことが大切です。また、挨拶役が決まったら、新郎新婦を通じて両家の出席者にあらかじめ伝えておくと良いでしょう。
挨拶役で一般的に多いのは新郎側
顔合わせでは新郎側、新婦側、どちらが挨拶をしなければいけないという明確なルールはありませんが、嫁入り(新婦が新郎家に嫁ぐ)の場合は、新郎の父や新郎がリードし、進行や挨拶を行うケースが一般的です。
また、最近の顔合わせは親がゲスト(招待客)という立ち位置で参加し、新郎新婦がホスト(主催者)となって開催される形が多くなり、新郎自身が挨拶役を務めるケースも増えています。
理由としては、顔合わせ前には結婚挨拶でお互いの親にはすでに会っているというパターンが多いので、両家について知っているということが第一にあります。また、「顔合わせを機に両家の親睦をさらに深めたい」「二人の結婚の意思を改めて伝える場にしたい」と考える新郎新婦も多いので、新郎が挨拶を進んで行うことで、結婚に対して積極的な印象を与え、新婦側の親を安心させてあげることができるからです。
親に挨拶を頼む場合は事前に相談を
最近は新郎が挨拶や進行を行うケースが多いと述べましたが、中には人前で話すのが苦手だったり、親が積極的に話をしたい家庭もあります。とはいえ全てを親に任せるのではなく、乾杯挨拶など、一部を親にお願いするのがおすすめです。
あらかじめ親にお願いしたい挨拶やタイミングを伝えておくと、お互い当日を安心して過ごすことができますよ。
顔合わせの挨拶のタイミングは4回が基本
「挨拶役になったら、たくさん挨拶文を考えなくてはいけないのでは・・・」と思うかしれませんが、安心してください。顔合わせでは挨拶が必要なタイミングは基本的に4回です。顔合わせ食事会の流れの一般的な流れを表した、次の画像をご覧ください。
このように、始まりと終わり、家族紹介に乾杯と、堅苦しそうな挨拶は必要なさそうに見えませんか?とはいえ、実際に何を言えばいいのかわからない方のために、次のパートではシーン別の挨拶内容と覚えやすい簡単な例文をご紹介します。
話している最中に料理やドリンクが提供されてしまい、挨拶を中断しなくてはいけなくなるのが心配な場合は、あらかじめお店の人に「最初の挨拶が終わってから料理の提供を始めてください」などとお願いしておくと安心です。
始まりの挨拶はお礼と趣旨を伝えよう
まずは顔合わせ冒頭に行う「始まりの挨拶」です。親同士が初めて顔を合わせるためお互い緊張しているはずなので、両家が揃い席に着いたタイミングで、間をあけずに挨拶を行うのがポイントです。
内容は「集まっていただいたお礼」「顔合わせを通して親睦を深めたいという新郎新婦の希望」などを盛り込み、簡潔にまとめるのがおすすめです。
始まりの挨拶の例文
始まりの挨拶は、顔合わせの大切な初めの一歩なので、新郎が行うことをオススメします。
今日は私たち二人のためにお集まりいただきありがとうございます。今日を機に両家の親睦を深めることができたらと思い、このような場を設けさせていただきました。今日はどうぞよろしくお願いいたします。
家族紹介の挨拶は新郎新婦二人から
始まりの挨拶をしたら、次に行うのが「家族紹介の挨拶」です。こちらは始まりの挨拶から続けて行うのが進行的にもスムーズです。新郎の家族、新婦の家族の順に紹介していくのが一般的です。
家族紹介挨拶の例文
二人が全て紹介しても、軽い説明のあと、親が自分で名乗る自己紹介スタイルでもOKです。家族紹介をどのようなスタイルで進めるかは、事前に親とすり合わせをしておくと良いでしょう。
新郎の例文
改めまして、◯◯(新郎)です。まず私の家族を紹介させていただきます。父の◯◯です。母の◯◯です。本日は△△(新婦)さんのご家族にお会い出来るということで、とても楽しみにしてきました。本日はどうぞよろしくお願いします。
新婦の例文
△△(新婦)です。では、続いて私の家族を紹介させていただきます。父の△△です。母の△△です。今日は◯◯(新郎)さんのご家族に改めてお目にかかれてうれしく思います。本日はどうぞよろしくお願いします。
乾杯の挨拶は新郎または新郎父が手短かに
飲み物が揃ったら「乾杯の挨拶」を行います。始まりの挨拶、家族紹介で場は温まってきているので、あまり長く話す必要はありません。特に、お料理がすでに並んでいたり、乾杯のビールの泡がなくなってきた・・・という場合は手短かに乾杯の音頭を取るのがおすすめです。
乾杯の挨拶の例文
これから楽しく食事をしましょうという掛け声なので、明るい表情ではっきりと言うことを心がけましょう。
それでは、僭越ながら乾杯の音頭をとらせていただきます。今日は両家で楽しい時間を過ごせたらと思いますので、よろしくお願いいたします。乾杯!
終わりの挨拶は二人で改めてお礼を
顔合わせも結びに近づいてきたら、「終わりの挨拶」を行います。料理の進み具合や、飲み物の空き具合、会場の時間などを見計らって挨拶のタイミングを判断しましょう。そして改めて集まってもらった御礼や、「今後ともよろしくお願いします」などといった内容で締めくくります。
終わりの挨拶の例文
最後の挨拶なので新郎新婦それぞれが行いましょう。顔合わせで実際に感じたことなどもその場で盛り込めれば、より良い挨拶内容にすることができますよ。
新郎の例文
今日は私たち二人のためにお集まりいただき、本当にありがとうございました。顔合わせを通して、両家のことをより深く知ることができました。今後ともよろしくお願いします。△△さん(新婦)からも一言お願いします。
新婦の例文
今日は本当にありがとうございました。この顔合わせを通して、改めて素敵な方々と家族になれるということを実感し、本当に嬉しく思っています。今後とも末永くよろしくお願いいたします。
顔わせの挨拶を成功させるポイント
スラスラと挨拶や進行ができれば印象も良くなり、和やかな雰囲気で顔合わせを進めることができます。ここでは、人前で話すことが苦手な人のために、印象がよく見える話し方や、緊張しない顔合わせの対策をご紹介します。
挨拶時は相手の鼻筋を見る
挨拶の内容は決まっていても、いざ相手の親を目の前にしたときに、緊張してうまく話せないこともありますよね。でも、なるべく話すときは相手の方をしっかり見て話したいものです。
そんな時は相手の鼻筋あたりを見て話すと、目を見て話すより緊張感が和らぎます。相手からはちゃんと自分の方を見て話しているように見えるため、印象も悪くなることがなくおすすめです。
顔合わせのしおりを活用する
ちゃんと会話ができるか心配という人は、「顔合わせのしおり」を用意しておくと安心です。二人のプロフィールはもちろん、家族の紹介ページも作成し、出身地や仕事、趣味や特技などを記載しておくと、思わぬ共通点が見つかり、会話が弾むきっかけになってくれるかもしれません。
「我が家の恒例行事」など一風変わった内容を記載しておくと、会話のネタになり場も盛り上がるので、ぜひ事前に考えてみてください。詳しくは【顔合わせのしおり作成ガイド】無料テンプレートを使った作り方やアイデアを紹介!もご覧ください。
また、「顔合わせ食事会の全体の流れ」について詳しくは顔合わせを成功させる流れと進め方!手土産や服装、席順の注意点とは?で解説しています。
顔合わせを「カジュアル」にする
緊張しない場を作るために、顔合わせをあえて少しカジュアルなレストランで行うというのも一つの手です。料亭や高級なお店だと、その場の空気にのまれてしまったり、料理マナーに余計な気を遣うなんてことになりかねません。
両家に相談した上で、お互いの合意があれば、景色の良いレストランや、緑が多い自然に囲まれているカジュアルレストランなどをチョイスして、リラックスムードの中で顔合わせを行うのもおすすめです。
- 挨拶をするときは相手の方を向いて姿勢を正し、大きくハキハキと話すことを意識する
- 相手が話しているときは手を止める
- 正しい敬語などが不安な場合は、事前に書き出したりしてチェックしておくことがおすすめ
- 「終わる」「切れる」「絶える」など、おめでたい場にふさわしくない縁起の悪い言葉は避ける
- 緊張を紛らわせるためにお酒を飲み過ぎないように注意
この記事のまとめ
今回は両家顔合わせの挨拶について、タイミングや内容を詳しくご紹介しました。
- 顔合わせの挨拶役は事前に決めて共有しておく
- 顔合わせの挨拶は基本的に4回
- 最後の挨拶は新郎だけでなく新婦からも
- 緊張しそうなら雰囲気作りやお助けアイテムでリラックスする工夫を
両家が揃う顔合わせは緊張もつきものですが、ぜひ事前に挨拶内容を把握して、スムーズに顔合わせを進行できるようにしてみてくださいね。それでも不安が残る人は、顔合わせのしおりなどをうまく活用して、万が一に備えておくことをおすすめします。みなさんの顔合わせが素敵なひとときになることを祈っています。