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いよいよこれから婚姻届を提出するという方、「婚姻届受理証明書」という書類をご存知でしょうか?あまり知られていないのですが、実はこの書類を発行しておくと、入籍後の書類手続きが楽になったり、2人の素晴らしい記念品になったりというメリットがあります。
そこで今回は、婚姻届受理証明書とは一体どんな書類なのか、何に使えるのか、具体的な申請方法などをわかりやすく解説します!婚姻届の提出前に知っておくと、後の手続きが非常にスムーズになりますので、ぜひ今のうちにチェックしてみてくださいね!
婚姻届受理証明書とは
婚姻届受理証明書は、2人が夫婦であることを公的に示す仮の証明書です。本来ならば戸籍謄本を通じて2人の婚姻を証明できるのですが、婚姻届が受理されてから新しい戸籍ができるまでには、数日から長くて数週間かかる場合があります。しかし婚姻届受理証明書があれば、新しい戸籍が出来上がるのを待たずとも2人の婚姻を証明できるので、各種変更届を提出する際にも利用できるのです。
婚姻届受理証明書は通常1枚ものの書類ですが、希望をすれば上質紙に印字された賞状タイプのものも用意してもらえます。(賞状タイプの拡大見本は吹田市のページへ)
様式は自治体によって異なりますが、書いてある内容はおおむね次の通りです。
- 婚姻年月日
- 夫の氏名
- 妻の氏名
- 本籍地
- 戸籍の筆頭者
- 役所が婚姻届を受理したこと
- 証明書を発行した自治体名
婚姻届受理証明書を発行すべき人は?
婚姻届受理証明書は、結婚するすべての人に必要な書類ではありません。前述の通り、婚姻届受理証明書とは、婚姻届を提出してから新しい戸籍ができるまでの間、各種手続きに使える便利な書類です。そのため、名義変更などの書類手続きをスピーディーに済ませたい方は発行しておいた方がいいでしょう。また、「婚姻届を提出した日の記念」として婚姻届受理証明書を発行するカップルも多いです。書類か賞状タイプか迷った場合は以下を参考にしてみてください。
- 書類タイプ:各種変更手続きのために取得するのが主な目的の方
- 賞状タイプ:結婚式会場のウェルカムスペースや自宅に飾りたいという方
賞状タイプの婚姻届については後ほど詳しくご説明しますので、ぜひそちらもご覧ください。
こんな場合は婚姻届受理証明書がなくても大丈夫
新しい戸籍が出来上がるまで各種名義変更をしない方や、入籍した記念としての品を必要としない方はあえて発行する必要はないでしょう。
まずは2人にとって婚姻届受理証明書は必要なのかどうか、婚姻届を提出する前に確認しておきましょう。
婚姻届受理証明書が有効な主な手続き
では、婚姻届受理証明書は入籍後のどういった手続きで利用可能なのでしょうか?主な手続きについて具体的にご紹介します。
住民票の名義変更
入籍後の各種手続きには、住民票が必要になる場面が多くあります。戸籍と住民票の内容は一致するように決められているので、婚姻届を提出すると、氏名・本籍地・筆頭者と続柄は自動的に変更されます。しかし、例として大阪で婚姻届を提出して、その後同居のために東京へ引っ越しした場合、新居を構える自治体に情報が伝わるまで数日かかり、住民票を請求しても前のデータのままです。
そんな時、婚姻届受理証明書があると、住民票の名義を変更することが可能で、戸籍の完成を待たずとも新姓が記載された住民票を発行してもらえます。
パスポートの名義変更
本来、パスポートの名義変更には戸籍謄本もしくは抄本が必要です。しかし入籍後にすぐハネムーンを計画していて、すぐに新姓のパスポートが欲しい人もいるはず。こんな場合、次の4つの条件を満たせば婚姻届受理証明書の提出でパスポートの名義変更が可能になります。
- 有効期限内のパスポートを持っていること
- 本人が申請すること(代理申請不可)
- 申請時に、出国日が確認できる渡航日程表や航空チケットなどを提示すること
- パスポート受取時には新しい戸籍謄本(抄本)を提出すること
まずは条件を満たしているか確認の上、婚姻届受理証明書を持参しましょう。
海外で結婚式を挙げる際の夫婦の証明
海外で結婚式を挙げる場合には次の2通りの挙式スタイルがあります。
- リーガルウェディング…「法的効力があり、挙げることで婚姻が認められる結婚式」。2人が独身であることを条件とする。
- ブレッシングウェディング…「2人が夫婦になったことを祝福するための結婚式」。2人が既に結婚していることを条件とする。
つまり、日本で婚姻届を提出した場合は後者の挙式スタイル一択になるのですが、ブレッシングウェディングでは2人が既に夫婦であることを示す必要があります。その時に新しい戸籍ができていない場合は、婚姻届受理証明書が有効です。
婚姻届受理証明書が使えない手続き
運転免許証の名義変更
運転免許証の名義変更に必要なのは本籍記載の住民票で、提出した住民票は返却されません。よって、婚姻届受理証明書は証明書として使えません。まずは婚姻届受理証明書を使って最新の住民票を発行し、その後に運転免許証の名義変更を行いましょう。
銀行口座の名義変更
銀行口座の名義変更には、新旧名義が確認できる公的証明証(戸籍謄本もしくは住民票、新姓記載の運転免許証など)が必要です。婚姻届受理証明書をそのまま証明証として使うことはできませんので、注意しましょう。
保険関係の名義変更
医療保険や生命保険の名義変更には、身分を証明できる公的書類が必要になりますが、その中に婚姻届受理証明書は含まれていません。また、必要となる書類も会社によって異なりますので、まずは保険会社に問い合わせる方がいいでしょう。
婚姻届受理証明書のもらい方
では「婚姻届受理証明書を発行する!」と決めたカップルは、どのように申請すればいいのでしょうか?こちらでは婚姻届受理証明書を申請する場所や必要な書類など、一連の手続きについて詳しくご説明します!
婚姻届受理証明書の発行申請をする場所
婚姻届受理証明書の発行を申請できる場所は、婚姻届を提出した市町村の役所のみです。それ以外の役所で申請しても、発行してもらうことはできません。窓口で婚姻届受理証明書が欲しい旨をそのまま伝えましょう。
申請の際に必要な書類や持ち物は?
婚姻届受理証明書の発行申請には、本人確認書類が必要になります。代表的なものは次の通りです。
- 運転免許証
- パスポート
- マイナンバーカード(個人番号カード)または写真付きの住民基本台帳カード
- 在留カードまたは特別永住者証明書
- 発行手数料
- 通常タイプは1通350円
- 賞状タイプは1通1,400円
申請するベストなタイミング
婚姻届受理証明書を申請するのに最も効率がいい手順は、婚姻届を提出した後、そのまま窓口で申請してしまうことです。そうすることで、役所へ何度も足を運ぶ手間がなくなります。また、通常タイプの婚姻届受理証明書は即日発行されることが多いので、当日に持ち帰ることも可能です。ただし、自治体によっては数日かかるところもあるので注意しましょう。
一方、賞状タイプのものは数日から1週間かかるのが一般的。後日役所まで取りに行くか、郵送を利用しましょう。
婚姻届受理証明書にまつわるよくある質問6選
ここからは、婚姻届受理証明書について、よくある質問についてお答えします。
Q1:婚姻届の提出時に申請するのを忘れました。後日でも申請できますか?
婚姻届受理証明書は、後日でも申請可能です。ただし、婚姻届は役所の保管期限が過ぎてしまうと、地域の法務局に移管されてしまうため、その際は婚姻届受理証明書の発行に時間がかかる場合もあります。早めに発行してもらいたい場合は、婚姻届の提出から1カ月以内を目途に申請した方がいいでしょう。
Q2:土日や時間外に婚姻届を提出した場合でもその場で発行してもらえますか?
婚姻届は土日や時間外でも受け取ってくれる役所がほとんどですが、これはあくまで預かっている状態であり、正式な受理とは異なります。そのため、この段階での婚姻届受理証明書の発行申請はできません。
土日や時間外に婚姻届を提出した場合は、翌営業日以降に窓口で申請をするか、郵送してもらうよう依頼しましょう。
Q3:婚姻届受理証明書の発行期限はいつまでですか?
婚姻届受理証明書の発行期限は自治体によって大きく異なります。「期限は特に設けていない」というところもあれば、「婚姻届の提出から1年以内」と明確に定めているところもあります。まずは役所に問い合わせてみましょう。
Q4:本人が申請に行けない場合、代理人や郵送の申請は可能ですか?
婚姻届受理証明書は代理人申請や郵送での申請も可能です。必要書類や具体的な手続きについては次の通りです。
代理人申請では、第三者に申請を依頼したことがわかる「委任状」と「代理人の本人確認書類」の2点が必要になります。委任状は各自治体のHPでダウンロード可能なところもありますので、チェックしてみましょう。
郵送での申請は以下の4点が必要になります。
- 婚姻届受理証明書の申請書(自治体によってダウンロード可能なところもあり)
- 住所が記載された本人確認書類のコピー(マイナンバーカード、運転免許証など)
- 手数料分の定額小為替
- 返信用封筒
返信用封筒には忘れず住所を記載し、返信用切手も貼っておきましょう。
Q5:住民票のように婚姻届受理証明書もコンビニのマルチコピー機で発行できますか?
最近では住民票や戸籍証明書など、コンビニで証明書を発行できるケースもありますが、婚姻届受理証明書は該当しません。あくまで婚姻届を提出した役所で発行してもらいましょう。
Q6:婚姻届受理証明書は何枚でも発行してもらえますか?コピーしても使えるのでしょうか。
婚姻届受理証明書の発行は、特に枚数制限が設けられていません。ただし、申請書には「どういった理由で発行をしたいのか」という用途を書く必要があります。また、各種手続きで婚姻届受理証明書を提出した場合、元本が返却されるのか、そもそもコピーでも有効なのかといった問題は提出先によって異なります。
以上を踏まえて、婚姻届受理証明書を複数の手続きに利用するつもりの方は、まず2枚ほど発行しておくといいでしょう。その後、必要に応じて再度発行申請を行えば無駄な出費や労力が防げるはずです。
飾りたくなる!ご当地デザイン婚姻届受理証明書
賞状タイプの婚姻届受理証明書は上質紙で見栄えも良いため、記念として自宅や結婚式のウェルカムスペースに飾るカップルも多いです。また、デザイン婚姻届のように、自治体によってはゆるキャラや街のシンボルをデザインした証明書が多く発行されています。
このパートでは、2人の大切な記念として飾りたくなる、ご当地デザインの婚姻届受理証明書をご紹介します!
東京都国分寺市の婚姻届受理証明書
鮮やかなグリーンが目を惹く東京都国分寺市の婚姻届受理証明書。同市ではなんと、証明書と2人の写真をセットできるオリジナルの台紙も提供しています!結婚式の写真をセットすれば、それだけで結婚の思い出がギュッと詰まった素敵な記念品になりますね。
東京都羽村市の婚姻届受理証明書
羽村市出身のイラストレーター・アーティストSANA氏によってデザインされた婚姻届受理証明書。同市の桜やチューリップなど、カラフルなタッチで自然が描かれ、合間には2人の結婚を祝福するように可愛らしい動物たちが姿を見せています。キャラクターや動物ものが好きな方にはたまらないデザインの婚姻届受理証明書です。
京都市右京区の婚姻届受理証明書
嵯峨美術大学の学生にデザインを依頼したという5種類の婚姻届受理証明書の中から好きな絵柄を選べます。平安京の守護神である四神相応が描かれた京都らしい風情のものから、ハート柄で永遠の愛を表した可愛らしいものまでとてもバリエーション豊か!ぜひ2人でお好みのものを選んでみては?
奈良県生駒市の婚姻届受理証明書
食卓や読書、ティータイムなど、さまざまなシーンを2人で向かい合って過ごすカップルが描かれた婚姻届受理証明書です。「病めるときも健やかなるときも」という言葉を体現したかのようなデザインは、カジュアルな画風ながら格式の高さが感じられ、2人の結婚の神聖さを実感できるでしょう。
この記事のまとめ
今回は「婚姻届受理証明書」をテーマに、具体的な書類内容や、婚姻届受理証明書が使える手続き、申請方法、よくある質問、デザイン婚姻届受理証明書などについてご紹介しました。ポイントは以下の通りです。
- 婚姻届受理証明書は2人が夫婦であることを示すための仮の証明書
- すべての人に必要な書類というわけではない
- 婚姻届受理証明書があると、各種手続きがスムーズに進められる
- 必要な場合は婚姻届の提出時に一緒に申請すると効率がいい
- 2人の記念として飾れるようデザインの凝った証明書を用意している自治体もある
婚姻届受理証明書は絶対に必要な書類ではないため、その存在すら知らないカップルも多いです。なかには婚姻届を提出した数年後に「欲しかった…!」と後悔する方もいるのだとか。
手続きには必要ないという方も、2人で婚姻届を出した日をいつでも思い出せるよう、記念として発行しておくのもいいかもしれません。ぜひ2人に必要かどうか、一度話し合ってみてはいかがでしょうか?