【結納金なしの結納にしたい場合】失礼のない伝え方や結納の進め方とは?

【結納金なしの結納にしたい場合】失礼のない伝え方や結納の進め方とは?

結納は行う予定だけど、結納金は「なし」にしたいというみなさんに、パートナーや家族へ相談する際の例文をご紹介します。実際に結納金をなしにした先輩の体験談もぜひ参考にしてみてください。

目次

  1. そもそも結納金とは
  2. 正式結納でも略式結納でも結納金は贈る
  3. 結納金なしの割合は少ない
  4. 結納金をなしにする理由は?
  5. 結納金はなしと決めるときの注意点
  6. 結納金なしで結納品は用意する場合
  7. 結納金をなしにする場合の失礼のない伝え方
  8. 【先輩の声】結納金なしの代わりに何をする?
  9. 結納金と結納品どちらもなしの場合は顔合わせがオススメ
  10. この記事のまとめ

生涯のパートナーと出会い婚約に向けて動き出したあなた。両家に結婚の意思も伝え「ちゃんと結納はしておいたら?」と言う新婦のご両親に「はい!」と頷いたものの結納金の相場を知ってビックリ!結婚を目前に幸せを味わうよりも、お金の計算で頭がいっぱい・・・という新郎さんは意外と多いのではないでしょうか?

今回は結納金をなしにしたい場合、どうすれば失礼のないように伝えられるか?先輩カップル達はどうやってご両親を納得させられたのか?そんな疑問に「話し方・伝え方スペシャリスト」がお答えします。

この記事を書いた人
Sarah
2007年より脚本家、演出家、俳優として活動。2013年からは演技、ボイストレーニング講師として数々の専門学校や芸能事務所等で教鞭を執る。オンラインレッスンも開講し、好印象な自己紹介や挨拶が出来るビジネススキルを、フィジカルとマインドの両面から身につける話し方を指導中。
保有資格:話し方・伝え方スペシャリスト

そもそも結納金とは

結納金とは、結婚のための支度金として贈られるお金のことです。一般的には新郎側から新婦側に贈られますが、女性が「嫁入り」するのではなく男性が「婿入り」する場合は、新婦側から新郎側に贈られることもあります。

結納の儀式自体は古くは平安時代に遡り、結納金はご息女(ご子息)を嫁(婿)としてもらうことへの感謝の気持ちとして贈られていました。しかし現在は、入籍の際に新しい戸籍が作られることから嫁入り(婿入り)に対してのお礼といった意味合いは薄れ、支度金の意味合いが強くなっているようです。

いずれにせよ結納金を送る=正式な婚約の証であり、婿(嫁)側の経済力を示した上で嫁(婿)を大切に想い歓迎していますよというサインにもなるため、形式を重んじるご家庭の場合は結婚への過程として重視される項目といえるでしょう。

正式結納でも略式結納でも結納金は贈る

結納には大きく分けて正式と略式の2種類があります。伝統的な手順に則る正式結納では先ず仲人を立てます。仲人は両家を行き来し、婚約の証となる結納品や受書の受け渡しを行います。かつてはお見合いから仲人が責任を持ってお世話をするという風習がありましたが、現在は仲人探しなど準備に手間がかかるため、正式結納はあまり好まれてはいないようです。

一方、略式結納は仲人を立てないことがほとんどです。贈り物の内容は基本的に同じですが、両家が同席し直接受け渡しを行います。正式・略式ともに、基本的には結納品の一つとして結納金の項目があります。

結納金なしの割合は少ない

「結納を行なったが結納金を贈らなかった」という先輩カップルは、全体の10%未満にとどまっています。なかには結納品のみを贈った、または金品のやり取り自体を行わなかったという方もいます。

しかし結納の儀式に結納金は必須項目という考えの方が圧倒的に多く、ゼクシィ結婚トレンド調査2020(首都圏版)によると結納をされた80%以上の先輩方が結納金を贈られているようです。

ゼクシィ結婚トレンド調査2020(首都圏)よりプレハナで作成

上記グラフからも結納をしたのに結納金はなしというパターンはごく少数派であることがわかるでしょう。それでも先にお伝えしたように、様々な事情から結納金をなしにしたという先輩方もいらっしゃいます。

結納金をなしにする理由は?

では「結納をするのになぜ結納金をなしにしたいか」という理由を、よくあるパターンから詳しくご説明していきます。

経済的な理由から

結納金の相場は約100万円前後です。結婚指輪やこれから先の結婚式や新生活の費用等を考えると、まとまったお金を用意するのはなかなか厳しいでしょう。だからといってご両親やご親族に頼るにしても高額すぎると考える新郎(新婦)様も多く、できればお二人の力のみでご結婚に向けて歩まれたいところですよね。

結納の儀式は新婦側の要望もあってしなければならなかったという声もあり、その場合は結納金を省き形式としての結納を行うこともあるようです。

新婦が結納金はなしで良いと言っているから

もちろん新婦側が結納金を希望されない場合もあります。略式結納の場合は内容も多少フレキシブルに出来るため、そこまでこだわらないというご両親や、結納金をもらうと今度は結納返しの用意や嫁入り道具を揃えなければならないといった面倒が生じるのが困るという意見もあります。

また新郎側への経済的負担をかけたくないという配慮からお断りをされる新婦様もいるようです。

それではここからは結納金を省きたい新郎様に向けて、結納金を贈らない場合の結納の進め方をご説明します。

結納金はなしと決めるときの注意点

結納金は本来、結婚の支度金を渡すことで経済力を示し嫁(婿)を迎え入れるという意味合いを持つ、両家にとって大事な儀式のひとつです。そのため、贈る側である新郎(婿入りの場合は新婦)から結納金をなしにしたいと申し出るのは原則NGです。場合によっては経済力への不信感や、新婦(新郎)を大切に想ってくれていないのでは?という誤解を与えてしまうからです。

結納金をなしにするには、受け取る側が辞退を申し出るというのが最も角が立ちにくいです。ただ、どちらかが一方的に決めると揉める原因にもなるため、新郎新婦を介して結納金を用意するorしないについては納得がいくまで両家で話し合うことが大切です。

結納金なしで結納品は用意する場合

結納金なしの場合は、結納品や儀式の内容が少し変わってきます。ここでは関東と関西での違いをご紹介します。どちらの様式に合わせるかも事前に両家で話し合っておきましょう。

関東式の結納

関東式の結納品の内容は次の通りです。

  1. 目録(もくろく)
  2. 長熨斗(ながのし)
  3. 金宝包(きんぽうづつみ)/御帯料(おんおびりょう)
  4. 勝男節(かつおぶし)
  5. 寿留女(するめ)
  6. 子生婦(こんぶ)
  7. 友白髪(ともしらが)
  8. 末広(すえひろ)
  9. 家内喜多留(やなぎだる)

関東式では上記9つの結納品全てをまとめて白木台に乗せます。幸せが幾重にも重なるという意味合いを込めて、上の項目から順に端を重ねていくのが正しい並べ方です。

結納金なしとする場合は、上記より食事・酒代にあたる家内喜多留と結納金にあたる金宝包/御帯料を省いた品目を並べます。

関西式の結納

一方、関西式の結納品の内容は次の通りです。

  1. 熨斗(のし)
  2. 小袖料(こそでりょう)
  3. 松魚料(まつうおりょう・しょうぎょりょう)
  4. 寿留女(するめ)
  5. 子生婦(こんぶ)
  6. 高砂(たかさご)
  7. 寿恵廣/末広(すえひろ)
  8. 家内喜多留(やなぎだる)
  9. 結美和(ゆびわ)

関西式では上記一つ一つを献上台に乗せます。さらに松竹梅を模った飾りをするため、関東式より華やかな印象です。結納金なしとする場合は、酒代にあたる家内喜多留、食事代にあたる松魚料、結納金にあたる小袖料を省きます。

関東・関西ともに略式で9品目を用意しない場合、割り切れない3・5・7品のいずれかに省略するというのが慣わしですので、もう1品か3品を省くか勝男節などの縁起物を足すなどします。

結納金なしの結納セットとは

結納品は百貨店などの結納品売り場やブライダルサロンなどにもおいてあります。その場で相談できるメリットはあるものの、店員さんに勧められるままに購入してしまうと予算オーバーになってしまうことも。また結納品の専門店も存在しますが、お住まいの地域によっては行きにくかったり、老舗だと情報が手に入りづらく、リサーチしにくいという難点もあります。

最近では結納品を一通り揃えた結納セットがオンラインでも購入でき、結納金なしの結納セットというものも存在するので、ぜひ検討してみてください。

結納屋さん.comの詳細ページへ

結納金をなしにする場合の失礼のない伝え方

それでは実際に結納金をなしにする場合、新郎様から新婦様への説得の仕方や、それぞれのご両親への上手な伝え方の例文をご紹介しましょう。「親しき仲にも礼儀あり」と言われるように、パートナーやご家族の気分を害さないように配慮することが大切です。

結納金をなしにしたい新郎から新婦への例文

結納のことなんだけど、お金を贈ると〇〇(新婦の名前)のご両親がお返しを準備するのも大変だろうし、最近は略式結納が主流だから結納品だけを贈り合うカップルもいるらしいんだ。もし両家が了承してくれたら、結納金はなしにして、その分、結婚式や2人の新生活のために使わせてもらわないかな?

新郎から新婦に伝える時は、結納金を節約した先をイメージできるように話しましょう。懐事情だけでお金を出し惜しみされたと思われると新婦がショックを受けてしまう可能性も。誤解をされないようにお二人のための選択であることを伝えます。

結納金なしの結納にする場合の両親への例文

新郎の例文

結納のことなんだけど、両家の負担にならないような方法を◯◯(新婦の名前)と相談したんだ。色々調べてみたら、今はお金じゃなく結納品だけ受け渡しをする人もいるみたいなんだよね。それだと負担も少ないし、結納の儀式も自分たちの予算の範疇でできる。二人の将来のために結納金の分は取っておきたいと思ってるんだけど納得してもらえるかな。

新婦の例文

△△(新郎の名前)と二人の将来のために、お金のことは堅実に考えていこうって話していて、結納金は辞退したいんだけどどうかな?最近はお金じゃなくて結納品だけの受け渡しをする結納もあるらしくて。それなら自分たちの予算の範囲内でできるから、両家にも負担をかけずにできそうなの。

ご両親に伝えるときは、相手側の一方的な意見を押し付けられたという印象にならないよう、両家の意見を汲んだ上でお二人が出した結論であると伝えることが大切です。

ここがポイント!

特に新婦がご両親に結納金をなしで結納を行うと伝えるときは、新郎側にマイナスなイメージを持たれないように、新婦に辞退したい意思があるというニュアンスを伝えると良いでしょう。

【先輩の声】結納金なしの代わりに何をする?

結納金をなしにすると決めたものの、本当に大丈夫なのか、何か代わりにした方が良いことがあるのか?など気になるところですよね。そこで、プレハナが募集したアンケート結果をもとに、先輩の体験談やアドバイスをご紹介させていただきます。

新生活の費用を負担

結納金をなしにした代わりに、引っ越し代や新居に関わる費用などを負担しました。(39歳 大阪府 男性)

結婚式費用を多めに

双方の家族で話し合い、私(新郎)側が結婚式の準備費用を多く持つことになりました。結納金をなしにする場合は他の費用を多めに負担するなど、お互い納得できるように話し合うと良いと思います。(26歳 北海道 男性)

二人で記念品を

婚約の記念になるものを二人で買うのもいいと思います。一緒に探すのも楽しいですよ。(33歳 和歌山県 男性)

相手を想う贈り物を

結納金をなしにするなら、時計など相手がこれから使いそうなものを用意するなど、気持ちを伝える工夫をするといいと思います。(31歳 大阪府 男性)

以上のように、結納金をなしにした代わりに、結婚式や二人の新生活の費用を負担したという声が多く見受けられました。また、結納金という現金ではなく、贈り物でこれまでの感謝の気持ちやこれからの決意を伝えるのも良い方法だというアドバイスも目立ちました。

やはり、結納金をなしにするのは二人のこれからの生活のためであり、決して出し惜しみをしたわけではないという意志をしっかり表すことが大切なようですね。

結納金と結納品どちらもなしの場合は顔合わせがオススメ

結納金と結納品のどちらもなしにされたい場合は、思い切って顔合わせ食事会にされてはいかがでしょうか?

ゼクシィ結婚トレンド調査2020(首都圏版)では、両家顔合わせだけを行ったという先輩カップルは約90%にのぼります。

ゼクシィ結婚トレンド調査2020(首都圏)よりプレハナで作成

つまりは、そもそも結納をしていない方が多数派を占めているのです。略式結納からさらに結納金や結納品といった金品のやり取りを一切行わないとした場合、両家が集合をして食事をする顔合わせ食事会とほぼ同じ内容になります。

顔合わせ食事会でも「結婚支度金」としてお金の授受があることもありますが、結納と違って決まりはありません。両家が納得すれば、食事をし互いの交流を深めるだけでも婚約成立の日としてひとつのケジメになるでしょう。

それではここで、結納ではなく顔合わせ食事会にしたい場合の新郎から新婦への伺い方と、お二人からそれぞれのご両親への伝え方の例文をご紹介します。

結納ではなく顔合わせにしたい新郎から新婦への例文

結納について調べたんだけど、今は結納よりも顔合わせ食事会が一般的らしいんだ。婚約のケジメはきちんとしたいけど、費用は今後の2人のために抑えておく方が堅実かなと思ってる。親たちにも負担がかかる結納より、僕たちが両家をもてなす顔合わせの方が、お互い和やかに楽しめると思うんだけどどうかな?

結納ではなく顔合わせにしたい場合の両親への例文

新郎の例文

色々調べてみた結果、予算を考えると結納は今の僕たちの身の丈に少し合わないかなと思ってる。それにお金だけのことじゃなくて、一生に一度のことだからこそ、僕たちらしく両家の家族をおもてなしする形がいいんじゃないかって◯◯(新婦の名前)と話しているんだ。結納はやめて顔合わせ食事会をしたいんだけど、参加してくれるかな?

新婦の例文

△△(新郎の名前)と結納について話し合ったんだけど、結納金はもらったらお返しも大変だし、お父さんとお母さんの負担にもなると思うから辞退させてもらっていいかな。もちろん婚約のケジメはちゃんとしたいから、代わりに両家で顔合わせ食事会を開こうと思っていて、ぜひ参加してもらいたいの。

結納金なしで結納を行う場合の例文と同様に、「二人でよく話し合った」「これからの生活の経済面を考慮した結果」「自分たちらしく両家との親睦を深めたい」という意志をしっかり伝えることが大切です。

この記事のまとめ

記事のまとめ
  • 結納金は新郎新婦のみで決定をせず、両家の意見を擦り合わせることがトラブル回避になる
  • 結納金を受け取る側のご両親への伝え方には特に配慮が必要
  • 結納金をなしとする場合は顔合わせ食事会をするという選択肢もある

ご両親はここまで育てた我が子を立派に送り出したいという想いがあるからこそ、結婚準備に気を揉んでおられます。結納金については、お二人が真剣に将来を見据えた上での決断ということが伝われば、きっとご両家も安心して見守ってくださるでしょう。

どのような形でもお二人やご両家にとって最良の婚約成立の日となりますことをお祈りしております。

なお、この記事では結納金を贈らないことを前提として解説してきましたが、なかには「結納を行う予定はないけれど顔合わせ食事会で新婦側にお金を贈りたい」という方もいらっしゃるかもしれません。そんなときの注意点やマナーについては顔合わせに結納金は必要?不要?渡し方やお返しのマナーを解説をご覧ください。